1975年にエリザベス女王が来日したことを記念して、翌1976年にビクトリアカップからレース名を変更。1996年からは古馬も出走できるようになり、3歳馬と古馬が対決する秋の女王決定戦となった。京都競馬場整備工事のため今年も阪神競馬場での開催となるが、今回は過去10年のデータから傾向を調べてみた。
過去10年の単勝人気別成績を見ると、1番人気が1勝、2番人気が1勝で、2番人気以内の連対率が25.0%と、上位人気馬がアテにならない。勝率ベースだと3番人気から5番人気の方が優秀で、6番人気から10番人気の馬も十分に勝負になっている。昨年も10番人気のアカイイトが勝利して3連単は300万円を超える大万馬券となった。予想をする際には、上位人気馬を過信しないようにしたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2番人気以内 | 2-3-3-12 | 10.0% | 25.0% | 40.0% |
3〜5番人気 | 5-1-5-19 | 16.7% | 20.0% | 36.7% |
6〜10番人気 | 3-5-2-40 | 6.0% | 16.0% | 20.0% |
11番人気以下 | 0-1-0-72 | 0% | 1.4% | 1.4% |
年齢別成績をみると3歳馬と4歳馬の好走率が高い。4歳以下の馬が3着以内を独占したことも過去10年で5回ある。逆に成績が振るわないのが6歳以上の馬で、過去10年で延べ19頭が出走して馬券に絡んだのが一度だけ。6歳以上の馬は評価を少し下げるべきだろう。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 2-4-2-27 | 5.7% | 17.1% | 22.9% |
4歳 | 6-3-7-50 | 9.1% | 13.6% | 24.2% |
5歳 | 2-2-1-48 | 3.8% | 7.5% | 9.4% |
6歳以上 | 0-1-0-18 | 0% | 5.3% | 5.3% |
過去10年のエリザベス女王杯では前走で8着以下に負けていた馬が巻き返した例がない。2013年の1番人気馬で同年のヴィクトリアマイルを制していたヴィルシーナ(前走:京都大賞典8着)、2014年の2番人気馬でGⅠ・3勝のメイショウマンボ(前走:京都大賞典10着)といったGⅠ馬も巻き返すことができなかった。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
7着以内 | 10-10-10-104 | 7.5% | 14.9% | 22.4% |
8着以下 | 0-0-0-39 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬は全て前走が重賞だった。前走で重賞以外のレースを使われて3着以内に入ったのは、2012年3着のピクシープリンセスと2013年2着のラキシスだけ。それ以降は8年連続で馬券に絡んでいないので、前走で条件クラスやオープン特別に出走していた馬は評価を下げたい。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
重賞 | 10-9-9-99 | 7.9% | 15.0% | 22.0% |
重賞以外 | 0-1-1-44 | 0% | 2.2% | 4.3% |
続いて、前走が重賞だった馬について、どういったレースから臨んだ馬が好走しているのかを調べてみると、府中牝馬Sから転戦してきた馬が5勝を含む3着以内13回と突出している。その他で連対馬を複数出しているのが秋華賞とオールカマー。軸馬は前走がこの3レースだった馬の中から選ぶようにしたい。その他で3着以内に入っているのは夏競馬の重賞から臨んだ馬と、上半期のGⅠから休養明けで臨んだ馬となっている。不振が目立つのは京都大賞典組で、延べ13頭が出走して1頭も馬券に絡んでいない。〔表5〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
府中牝馬S | 5-5-3-42 | 9.1% | 18.2% | 23.6% |
秋華賞 | 2-3-1-22 | 7.1% | 17.9% | 21.4% |
オールカマー | 2-1-0-9 | 16.7% | 25.0% | 25.0% |
札幌記念 | 1-0-1-1 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
宝塚記念 | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
新潟記念 | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
オークス | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
ヴィクトリアマイル | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
京都大賞典 | 0-0-0-13 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬延べ10頭のうちGⅠ出走経験があった馬は8頭、その内の7頭にはGⅠで連対した実績があった。混戦模様になることが多く、なかなか勝ち馬を絞りづらいレースだが、GⅠの連対実績をひとつの目安にしたい。〔表6〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 主なGⅠ連対実績 |
---|---|---|
2012年 | レインボーダリア | 連対なし |
2013年 | メイショウマンボ | オークス1着 |
2014年 | ラキシス | エリザベス女王杯2着 |
2015年 | マリアライト | GⅠ未出走 |
2016年 | クイーンズリング | 秋華賞2着 |
2017年 | モズカッチャン | オークス2着 |
2018年 | リスグラシュー | ヴィクトリアマイル2着 |
2019年 | ラッキーライラック | 阪神JF1着 |
2020年 | ラッキーライラック | 大阪杯1着 |
2021年 | アカイイト | GⅠ未出走 |
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