小倉競馬場で行われる重賞では最も古い歴史をほこる一戦で、小回りコースのハンデ重賞ということもあってか混戦模様になることが多く、1番人気馬は過去10年で2勝どまり。2020年には3連単137万馬券が飛び出す大波乱もあった。今年の小倉記念の結果やいかに。過去10年の結果から傾向を探ってみた。
幅広い年齢の馬が出走することが多い重賞だが、過去10年で4歳馬と5歳馬が計9勝を挙げており、2017年以降の連対馬10頭は全て4歳馬か5歳馬となっている。予想の際には、4歳馬か5歳馬から軸馬を探すのがよさそうだ。また、3歳馬は出走頭数が過去10年で2頭と少ないものの、共に2着になっているので、もし出走してきたら侮れない存在になるだろう。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-2-0-0 | 0% | 100% | 100% |
4歳 | 5-3-0-20 | 17.9% | 28.6% | 28.6% |
5歳 | 4-5-3-27 | 10.3% | 23.1% | 30.8% |
6歳 | 0-0-6-26 | 0% | 0% | 18.8% |
7歳以上 | 1-0-1-28 | 3.3% | 3.3% | 6.7% |
過去10年の前走別成績を見ると、好成績を残しているのは、GⅠ、GⅢ、3勝クラスの3グループ。前走GⅠ組は3着内率が5割を超えているので、もし出走してきたら押さえておきたい。また、前走が3勝クラスだった馬は、前走で勝っていた馬〔0・1・1・11〕(3着内率15.4%)よりも、負けていた馬〔4・0・1・6〕(同45.5%)の好走率が高い。昨年優勝したモズナガレボシは佐渡S3着、一昨年優勝したアールスターも垂水S6着と、共に前走で敗れていた。なお、前走がオープン特別だった馬は延べ21頭が出走し、3着以内に入ったのが1頭のみと成績が芳しくない。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 1-3-1-4 | 11.1% | 44.4% | 55.6% |
GⅡ | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
GⅢ | 5-5-7-54 | 7.0% | 14.1% | 23.9% |
オープン特別 | 0-1-0-20 | 0% | 4.8% | 4.8% |
3勝クラス | 4-1-2-17 | 16.7% | 20.8% | 29.2% |
2勝クラス | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
障害 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
地方 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
芝の中距離重賞に強いディープインパクト産駒。しかし、過去10年の小倉記念では2番人気以内に支持された同産駒が9頭いたのだが、〔0・1・0・8〕と全敗している。ただし、小倉記念で同産駒が全くダメというわけではなく、むしろ6番人気以下だと〔1・3・3・5〕(3着内率58.3%)と高い確率で馬券に絡んでいる。人気薄のディープインパクト産駒は軽視禁物だ。〔表3〕
年度 | 馬名 | 単勝人気 | 着順 |
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2012年 | トーセンラー | 1番人気 | 2着 |
2014年 | サトノノブレス | 3番人気 | 1着 |
マーティンボロ | 6番人気 | 2着 | |
2016年 | クランモンタナ | 11番人気 | 1着 |
エキストラエンド | 6番人気 | 3着 | |
2017年 | フェルメッツァ | 6番人気 | 3着 |
2019年 | カデナ | 6番人気 | 2着 |
2020年 | サトノガーネット | 6番人気 | 2着 |
2021年 | スーパーフェザー | 8番人気 | 3着 |
小倉記念は、前走と同じ騎手が継続して騎乗した馬よりも、前走から騎手が乗り替わった馬の方がはるかに勝率が高く、2013年から9年連続で乗り替わりとなった馬が優勝している。中でも、夏は小倉を中心に騎乗している和田竜二騎手、松山弘平騎手、川田将雅騎手といった騎手や、武豊騎手に乗り替わった馬が複数回連対を果たしているだけに、これらの騎手が騎乗してきた馬は評価アップだ。〔表4〕
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
乗り替わり | 9-8-4-68 | 10.1% | 19.1% | 23.6% |
前走と同じ | 1-2-6-33 | 2.4% | 7.1% | 21.4% |
過去6年の優勝馬のうち5頭は前走が芝2000メートルで、いずれの馬も走破タイムが2分を切っていた。昨年の優勝馬モズナガレボシは前走が芝1800メートルだったが、こちらも走破タイムは1分45秒7という速いものだった。年齢や乗り替わりの有無なども参考にしながら有力馬を探したい。〔表5〕
(姫園 淀仁)
日付 | 優勝馬 | 前走の距離 | 前走の走破タイム | 年齢 | 騎手 |
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2016年 | クランモンタナ | 2000m | 1分58秒5 | 7歳 | 乗り替わり |
2017年 | タツゴウゲキ | 2000m | 1分58秒6 | 5歳 | 乗り替わり |
2018年 | トリオンフ | 2000m | 1分57秒3 | 4歳 | 乗り替わり |
2019年 | メールドグラース | 2000m | 1分59秒6 | 4歳 | 乗り替わり |
2020年 | アールスター | 2000m | 1分59秒9 | 5歳 | 乗り替わり |
2021年 | モズナガレボシ | 1800m | 1分45秒7 | 4歳 | 乗り替わり |
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