エルムSはJRAの北海道開催では唯一のダート重賞で、JRAでは数少ないダート1700メートルという距離で行われる重賞ということもあり、各出走馬のコース適性や、距離適性を絡めた予想をする必要がありそうだ。2013年と2021年には函館競馬場で開催されたが、それらを含めた過去10年の結果から、好走馬に共通するポイントを探ってみた。
過去10年の連対馬延べ20頭中17頭は単勝5番人気以内となっており、1番人気から5番人気まで満遍なく出ている印象だ。ただし、3着馬は10頭中5頭が6番人気以下となっている。この辺りは予想する際の参考になりそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-1-3-4 | 20.0% | 30.0% | 60.0% |
2番人気 | 3-2-0-5 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 2-1-1-6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-3-1-6 | 0% | 30.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 1-1-3-35 | 2.5% | 5.0% | 12.5% |
10番人気以下 | 0-1-2-39 | 0% | 2.4% | 7.1% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中21頭は、過去3走でJRAのダート重賞に出走歴があった。その中でも、該当したレースで5着以内に入っていた馬は、6着以下しかなかった馬や、過去3走でJRAのダート重賞に出走していなかった馬を上回る成績を残している。近走のJRA・ダート重賞での成績には注目しておきたい。〔表2〕
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 5-6-6-26 | 11.6% | 25.6% | 39.5% |
6着以下 | 2-2-0-32 | 5.6% | 11.1% | 11.1% |
出走なし | 3-2-4-44 | 5.7% | 9.4% | 17.0% |
函館で行われた2013年と2021年を除き、札幌開催過去8回分の馬番別成績について、馬番を3つごとに分けて成績をまとめると、1番から3番が唯一3着内率で20%を下回っており、勝率と連対率からもやや苦戦傾向にあることが見てとれる。また、馬番を奇数偶数別に分けて成績を出してみると、偶数馬番が〔6・5・5・35〕(3着内率31.4%)である一方、奇数馬番は〔2・3・3・46〕(同14.8%)と、偶数馬番が上位となっている。これらから内寄りの奇数馬番である1番と3番の成績を合計してみると、〔0・0・2・14〕と、全て3着以下に敗れていることがわかった。内寄りの馬番と奇数馬番が苦戦傾向にあることは、覚えておいて損はないだろう。〔表3〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜3番 | 1-1-2-20 | 4.2% | 8.3% | 16.7% |
4〜6番 | 4-2-1-17 | 16.7% | 25.0% | 29.2% |
7〜9番 | 2-1-2-19 | 8.3% | 12.5% | 20.8% |
10〜12番 | 0-3-3-17 | 0% | 13.0% | 26.1% |
13、14番 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
2018年以降の優勝馬について、前走の単勝人気と着順を調べると、いずれも単勝3番人気以内に支持されて2着以内に入っていた。前走で上位人気に支持されて、しっかりと連対を果たしていた馬を、勝ち馬の候補として狙ってみたい。〔表4〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 前走の単勝人気 | 前走の着順 |
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2018年 | ハイランドピーク | 2番人気 | 2着 |
2019年 | モズアトラクション | 2番人気 | 2着 |
2020年 | タイムフライヤー | 2番人気 | 1着 |
2021年 | スワーヴアラミス | 3番人気 | 1着 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。