過去4年の優勝馬のうち3頭がその後菊花賞へ駒を進め、2018年の2着馬フィエールマンは続く菊花賞でGⅠ初制覇を果たした。1800メートルという距離ながら、3000メートルで行われるクラシック最終戦・菊花賞に向けて見どころの多い一戦となっている。今回は過去10年のデータからレースの傾向を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績で、まず目に付くのは6番人気以下の馬が3着以内に15頭入っており、その中でも6番人気から9番人気の馬が11頭を占めていることだろう。対して上位人気馬の成績を見ると、優勝馬10頭中8頭は5番人気以内の馬で、1番人気馬も連対率で50.0%とまずまずの成績となっており軽視はできないが、過去10年で6番人気以下の馬が3着以内に入らなかった年は一度もないことから、伏兵馬が上位争いに食い込む前提で予想していくのがよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-3-0-5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 3-0-0-7 | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
3番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
4番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 1-0-3-6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 2-4-5-29 | 5.0% | 15.0% | 27.5% |
10番人気以下 | 0-2-2-55 | 0% | 3.4% | 6.8% |
過去10年の出走馬について、前走の4コーナー通過順別に成績を調べると、3着内率で上位の数値をマークしているのは、先頭と10番手以下という通過順に大きな差のある2組だ。中でも、10番手以下だった馬が5勝を挙げている点には注目すべきだろう。その一方で、2番手と3番手は合わせて45頭が出走しているものの優勝がない。前走の4コーナー通過順はチェックしておきたい。〔表2〕
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 2-3-2-14 | 9.5% | 23.8% | 33.3% |
2番手 | 0-1-2-20 | 0% | 4.3% | 13.0% |
3番手 | 0-1-1-20 | 0% | 4.5% | 9.1% |
4、5番手 | 2-2-1-21 | 7.7% | 15.4% | 19.2% |
6〜9番手 | 1-1-3-22 | 3.7% | 7.4% | 18.5% |
10番手以下 | 5-2-1-21 | 17.2% | 24.1% | 27.6% |
過去10年の出走馬のデビュー戦の着順別に成績をまとめると、1着だった馬と6着から9着だった馬の好走率が高くなっている。デビュー戦で高い素質を発揮して勝ち上がった馬はもちろんのこと、6着から9着に敗れながらも、着実にレベルアップを遂げて重賞の舞台に臨んでくる馬にも注目する必要がありそうだ。〔表3〕
着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 6-4-5-34 | 12.2% | 20.4% | 30.6% |
2着 | 2-1-2-25 | 6.7% | 10.0% | 16.7% |
3着 | 0-1-1-19 | 0% | 4.8% | 9.5% |
4着 | 0-1-0-11 | 0% | 8.3% | 8.3% |
5着 | 0-0-0-13 | 0% | 0% | 0% |
6〜9着 | 2-3-2-14 | 9.5% | 23.8% | 33.3% |
10着以下 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
2015年以降の優勝馬7頭のうち5頭は、3歳になってからGⅠを除くオープンクラス・芝2000メートル以上のレースで6着以内に入った経験があった。残る2頭には前記のレースに出走した経験がなかったものの、3歳になってから無敗という共通点があった。このどちらかに該当する戦績を残している馬を勝ち馬の候補として狙ってみたい。〔表4〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 3歳以降のGⅠを除くオープンクラス・芝2000m以上のレースでの着順 |
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2015年 | アンビシャス | プリンシパルS1着 |
2016年 | ゼーヴィント | プリンシパルS3着 |
2017年 | セダブリランテス | 未出走(3歳時1戦1勝) |
2018年 | メイショウテッコン | 若葉S6着、京都新聞杯5着 |
2019年 | ブレイキングドーン | 弥生賞3着、京都新聞杯6着 |
2020年 | バビット | 未出走(3歳時2戦2勝) |
2021年 | ヴァイスメテオール | 京成杯4着、プリンシパルS4着 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。