宝塚記念はファン投票を中心に出走馬が決まり、中長距離路線を歩む古馬だけでなく、時にはマイル路線を歩んできた馬や3歳馬の挑戦もあり、年によってさまざまなメンバーが集まるドリームレースである。過去10年の結果を参考にしてレース傾向を探り、上半期のGⅠ予想を美しく締めくくりたい。
過去10年の優勝馬延べ10頭は全て4歳馬か5歳馬だった。中でも5歳馬の成績が優秀で、2015年、2019年、2021年に5歳馬がワンツーフィニッシュを決めている。6歳以上の馬の好走は少なく、1着2着を独占したことはないので、軸馬は4歳馬か5歳馬から選ぶのが無難であろう。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 3-1-6-29 | 7.7% | 10.3% | 25.6% |
5歳 | 7-5-4-36 | 13.5% | 23.1% | 30.8% |
6歳 | 0-3-0-24 | 0% | 11.1% | 11.1% |
7歳以上 | 0-1-0-22 | 0% | 4.3% | 4.3% |
過去10年の性別成績では、牝馬の3着内率は41.7%あり、牡馬・せん馬よりも大幅に高い。特に直近は、2019年のリスグラシュー、2020年と2021年のクロノジェネシスと、牝馬が3連勝している。過去10年で牝馬が馬券に絡まなかったのは2012年と2018年だけなので、今年も牝馬の出走があれば注目したい。〔表2〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 6-9-5-98 | 5.1% | 12.7% | 16.9% |
牝 | 4-1-5-14 | 16.7% | 20.8% | 41.7% |
宝塚記念では前走で2着に惜敗していた馬が活躍することが多い。前走でGⅠ2着だった人気馬が好走するだけでなく、2016年に8番人気で優勝したマリアライト(目黒記念2着)や、2018年に12番人気で3着に入ったノーブルマーズ(目黒記念2着)のように、GⅠ以外のレースで2着だった馬が穴をあけることもあるので要注意だ。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 1-2-3-22 | 3.6% | 10.7% | 21.4% |
2着 | 3-2-3-10 | 16.7% | 27.8% | 44.4% |
3〜5着 | 3-2-1-33 | 7.7% | 12.8% | 15.4% |
6〜9着 | 2-3-3-32 | 5.0% | 12.5% | 20.0% |
10着以下 | 1-1-0-15 | 5.9% | 11.8% | 11.8% |
過去10年の前走別成績で最も優勝が多いレースは天皇賞(春)。ただし、天皇賞(春)で3着以内だった馬は〔0・0・1・14〕と低迷しており、4着以下に敗れていた馬の巻き返しが狙い目だ。逆に前走がGⅠ昇格後の大阪杯だった馬は、2着以内に入っていた馬の成績が〔1・1・1・3〕と優秀。また、海外G1組はドバイシーマクラシックからの転戦馬が〔1・1・2・6〕、香港のクイーンエリザベスⅡ世Cからの転戦馬が〔1・1・0・4〕と好成績になっている。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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天皇賞(春) | 4-3-2-30 | 10.3% | 17.9% | 23.1% |
大阪杯 | 2-1-1-10 | 14.3% | 21.4% | 28.6% |
鳴尾記念 | 1-3-1-15 | 5.0% | 20.0% | 25.0% |
目黒記念 | 1-0-1-13 | 6.7% | 6.7% | 13.3% |
ヴィクトリアM | 0-0-3-5 | 0% | 0% | 37.5% |
海外のレース | 2-3-2-14 | 9.5% | 23.8% | 33.3% |
宝塚記念では8枠が極端に強く、過去10年間で7勝を挙げている。阪神・芝2200メートル自体には外枠優勢の傾向はみられないので、偶然偏っているだけの可能性もあるが、かなり際立った成績なので、8枠に入った馬には注意を払っておくべきだろう。〔表5〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 0-2-3-10 | 0% | 13.3% | 33.3% |
2枠 | 1-1-2-11 | 6.7% | 13.3% | 26.7% |
3枠 | 0-1-1-13 | 0% | 6.7% | 13.3% |
4枠 | 0-2-0-14 | 0% | 12.5% | 12.5% |
5枠 | 1-2-0-15 | 5.6% | 16.7% | 16.7% |
6枠 | 1-0-1-18 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
7枠 | 0-2-1-18 | 0% | 9.5% | 14.3% |
8枠 | 7-0-2-13 | 31.8% | 31.8% | 40.9% |
過去10年の優勝馬延べ10頭のうち8頭には、前年に2000メートルから2400メートルのGⅠを制した実績があった。〔表1〕の項で述べたように、過去10年の優勝馬は全て4歳か5歳だったので、前年に中距離GⅠを勝っている4・5歳馬を狙うのがよさそうだ。〔表6〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 前年の2000mから2400mのGⅠの優勝実績 |
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2012年 | オルフェーヴル | 皐月賞、日本ダービー |
2013年 | ゴールドシップ | 皐月賞 |
2014年 | ゴールドシップ | 宝塚記念 |
2015年 | ラブリーデイ | なし |
2016年 | マリアライト | エリザベス女王杯 |
2017年 | サトノクラウン | 香港ヴァーズ |
2018年 | ミッキーロケット | なし |
2019年 | リスグラシュー | エリザベス女王杯 |
2020年 | クロノジェネシス | 秋華賞 |
2021年 | クロノジェネシス | 宝塚記念 |
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