マーメイドSでは単勝1番人気が2015年以降7連敗中で、過去10年の3着以内馬30頭中17頭は6番人気以下だった。そのため馬連が万馬券決着となったことが5回あるように、波乱傾向の強い一戦だ。この難解なハンデ重賞で好走した馬には、どのような共通点があるのだろうか。過去10年の結果を分析してみよう。
過去10年の前走別成績を見ると、3勝クラスまたは2勝クラスのレースだった馬が出走馬の過半数を占めるという、重賞としては珍しいメンバー構成になっている。そのため、3着以内馬も30頭中17頭が条件クラスのレースから臨んだ馬で、本来なら主力となるはずの重賞転戦組は優勝例がないうえに3着内率もいまひとつ。ハンデ戦ということもあり、その恩恵を受けやすい昇級初戦や格上挑戦となる馬を中心に考えるのが得策のようだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
重賞 | 0-2-6-38 | 0% | 4.3% | 17.4% |
オープン特別 | 2-2-1-14 | 10.5% | 21.1% | 26.3% |
3勝クラス | 7-3-2-48 | 11.7% | 16.7% | 20.0% |
2勝クラス | 1-3-1-16 | 4.8% | 19.0% | 23.8% |
1勝クラス | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
前走との間隔別の成績を調べてみると、2016年以前の5回は中3週以下の馬が〔5・3・3・39〕と3着以内馬の大半を占めていたが、2017年以降は3着以内馬15頭中13頭が中4週以上と、傾向がガラリと変わってきている。約5か月ぶりのレースだった2021年の優勝馬シャムロックヒルをはじめ、中12週以上の馬は過去5年に限れば〔2・1・2・5〕と半数が3着以内に入っているので、特に休み明けの馬は押さえておいた方がいいだろう。〔表2〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中3週以下 | 0-2-0-20 | 0% | 9.1% | 9.1% |
中4週以上 | 5-3-5-40 | 9.4% | 15.1% | 24.5% |
過去10年の3着以内馬30頭中22頭には阪神の芝コースで勝利した経験があり、なかでも優勝馬10頭は全馬がこの経験を持っていた。阪神の芝コースで未勝利だった馬は2020年に単勝1番人気のエアジーンが5着、2021年には同じく1番人気のソフトフルートが8着に敗れるなど期待を裏切るケースも多く、コース実績に欠ける上位人気馬は過信禁物といえそうだ。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-5-7-44 | 15.2% | 22.7% | 33.3% |
なし | 0-5-3-73 | 0% | 6.2% | 9.9% |
〔表1〕で述べたように前走が重賞だった馬は優勝例がないので、まずは前走で絞り込めるだろう。また、年齢別にみると4歳馬と5歳以上の馬が5勝ずつ挙げているが、5歳以上で優勝した5頭は重賞で連対経験があった馬なのに対し、4歳で優勝した5頭はいずれも重賞での連対経験がなかった。優勝馬を予想する際には、年齢と重賞での連対実績の関係も参考にしたいところだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走 | 年齢 | 重賞連対歴 |
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2012年 | グルヴェイグ | 2勝クラス | 4歳 | なし |
2013年 | マルセリーナ | オープン特別 | 5歳 | 桜花賞1着、阪神牝馬S2着 |
2014年 | ディアデラマドレ | 3勝クラス | 4歳 | なし |
2015年 | シャトーブランシュ | 3勝クラス | 5歳 | ローズS2着 |
2016年 | リラヴァティ | 3勝クラス | 5歳 | 福島牝馬S2着 |
2017年 | マキシマムドパリ | オープン特別 | 5歳 | 愛知杯1着 |
2018年 | アンドリエッテ | 3勝クラス | 6歳 | チューリップ賞2着 |
2019年 | サラス | 3勝クラス | 4歳 | なし |
2020年 | サマーセント | 3勝クラス | 4歳 | なし |
2021年 | シャムロックヒル | 3勝クラス | 4歳 | なし |
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