2021年のユニコーンSは単勝オッズ13.4倍(7番人気)のスマッシャーが1着、単勝オッズ79.0倍(14番人気)のサヴァが2着、単勝オッズ5.4倍(3番人気)のケイアイロベージが3着となり、3連単で79万3400円の高額配当が飛び出した。もっとも、3連単が発売された2005年以降の過去17回を振り返ってみると、3連単の配当が4万円以上だったのは5回だけである。1万円未満だった年が5回あったことからも、基本的には堅く収まりがちなレースと言えそうだ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬31頭中28頭は、前走の着順が4着以内だった。一方、5着以下だった馬は3着内率6.7%と苦戦している。直近のレースで5着以下に敗れていた馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表1〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 9-9-10-83 | 8.1% | 16.2% | 25.2% |
5着以下 | 1-1-1-42 | 2.2% | 4.4% | 6.7% |
過去10年の3着以内馬31頭中22頭は、同年のJRAの2勝クラス以上のレースにおいて、“5着以内、かつ4コーナー通過順が10番手以内”となった経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率9.7%と苦戦している上、2014年以降の過去8年に限ると〔0・0・4・68〕(3着内率5.6%)と連対がない。前年のレースや1勝クラス以下のレースでしか上位に入っていない馬、後方待機の競馬でしか好走できていない馬は、割り引きが必要だ。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-8-5-41 | 14.3% | 27.0% | 34.9% |
なし | 1-2-6-84 | 1.1% | 3.2% | 9.7% |
過去10年の3着以内馬31頭中26頭は、前走の距離が1400メートル超だった。一方、1400メートル以下だった馬は3着内率10.9%と苦戦している。前走が今回より短い距離のレースだった馬は疑ってかかりたい。〔表3〕
前走の距離 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1400m以下 | 1-2-2-41 | 2.2% | 6.5% | 10.9% |
1400m超 | 9-8-9-84 | 8.2% | 15.5% | 23.6% |
なお、前走の距離が1400メートル以下だったにもかかわらず3着以内に入った5頭のうち4頭は、前走がオープンクラス、かつ4着以内だった。前走が今回より短い距離のレースであっても、そのレースが重賞やオープン特別、かつそこで4着以内に入っていた馬は、相応に高く評価すべきだろう。〔表4〕
前走のクラスならびに着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
オープンクラス、かつ4着以内 | 1-2-1-10 | 7.1% | 21.4% | 28.6% |
オープンクラス以外、もしくは5着以下 | 0-0-1-31 | 0% | 0% | 3.1% |
過去4年の3着以内馬12頭中10頭は、前走が国内、かつ4コーナー通過順が4番手から10番手だった。一方、11番手以下だった馬は3着以内に入った例がなく、3番手以内だった馬も3着内率9.5%と苦戦している。極端な位置取りの競馬をした直後の馬は、上位に入る可能性が低いとみておきたいところだ。〔表5〕
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番手以内 | 1-0-1-19 | 4.8% | 4.8% | 9.5% |
4〜10番手 | 3-4-3-15 | 12.0% | 28.0% | 40.0% |
11番手以下 | 0-0-0-13 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走が国内、かつ4コーナー通過順が3番手以内だったにもかかわらず3着以内に入った2頭は、いずれも“1勝クラス以上、かつ芝のレースにおいて2着以内”に入った経験のある馬だった。1勝クラス以上の芝のレースで連対経験がある馬でない限り、前走の4コーナー通過順が3番手以内だった馬は思い切って評価を下げたい。〔表6〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 1-0-1-0 | 50.0% | 50.0% | 100% |
なし | 0-0-0-19 | 0% | 0% | 0% |
過去4年の優勝馬4頭は、いずれも前走との間隔が中5週以上だった。前走から中4週以内の馬は扱いに注意すべきだろう。また、この4頭は前走の馬体重が510キログラム未満だった点も共通している。ちなみに、前走が国内、かつ馬体重が510キログラム以上だった馬は2018年以降〔0・1・0・13〕(3着内率7.1%)である。大型馬も割り引きが必要だ。〔表7〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 前走との間隔 | 前走の馬体重 |
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2018年 | ルヴァンスレーヴ | 中10週 | 496kg |
2019年 | ワイドファラオ | 中5週 | 500kg |
2020年 | カフェファラオ | 中16週 | 504kg |
2021年 | スマッシャー | 中6週 | 470kg |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。