2021年の鳴尾記念は単勝オッズ20.6倍(8番人気)のユニコーンライオンが1着、同24.1倍(9番人気)のショウナンバルディが2着、同8.1倍(5番人気)のブラストワンピースが3着となり、3連単で63万5640円の高額配当が飛び出した。また、2020年には同33.5倍(10番人気)のパフォーマプロミスが優勝を果たしている。2017年から2019年の3年間は3連単の配当がそれぞれ1万4460円、5690円、1万1410円にとどまっていたものの、ここ2年の結果からは伏兵の台頭を警戒しておくべき一戦と言えそうだ。今回は阪神・芝2000メートルで行われた2020年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、JRAの重賞において“5着以内、かつ4コーナー通過順が3番手以下”となった経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率8.3%と苦戦しており、2018年以降の過去4年に限ると〔0・0・0・12〕と、3着以内に入っていない。まだ重賞で上位に入ったことのない馬や、先行タイプの馬は、扱いに注意すべきだろう。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-10-9-70 | 9.2% | 19.4% | 28.6% |
なし | 1-0-1-22 | 4.2% | 4.2% | 8.3% |
過去10年の3着以内馬30頭中23頭は、通算出走数が21戦以内だった。一方、22戦以上だった馬は3着内率10.6%とやや苦戦している。〔表2〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
21戦以内 | 9-7-7-33 | 16.1% | 28.6% | 41.1% |
22戦以上 | 1-3-3-59 | 1.5% | 6.1% | 10.6% |
さらに、過去4年に限ると3着以内馬12頭中11頭は、通算出走数が19戦以内だった。一方、20戦以上だった馬は3着内率が5.3%と、より低い数値にとどまっている。キャリアが多すぎる馬は過信禁物だ。〔表3〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
19戦以内 | 4-3-4-19 | 13.3% | 23.3% | 36.7% |
20戦以上 | 0-1-0-18 | 0% | 5.3% | 5.3% |
過去5年の3着以内馬15頭中9頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.4秒以内だった。該当馬は3着内率も42.9%と優秀な水準に達している。まずは前走好走馬を高く評価したい。〔表4〕
前走の着順ならびに前走の1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.4秒以内 | 3-4-2-12 | 14.3% | 33.3% | 42.9% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.5秒以上 | 2-1-2-32 | 5.4% | 8.1% | 13.5% |
競走中止 | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
なお、前走の着順が2着以下、かつ前走の1着馬とのタイム差が0.5秒以上だった馬と、前走が競走中止だった馬のうち、前走がGⅠ以外だった馬は3着内率3.8%とより苦戦している。前走がGⅠではなく、なおかつそのレースで大敗を喫していた馬は、評価を下げるべきだろう。〔表5〕
(伊吹 雅也)
前走 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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GⅠ | 1-1-3-7 | 8.3% | 16.7% | 41.7% |
その他のレース | 1-0-0-25 | 3.8% | 3.8% | 3.8% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。