葵Sは、2018年の創設から2021年までは格付けのない重賞として行われていたが、今年GⅢに格付けされた。2021年は単勝オッズ83.0倍(13番人気)のレイハリアが優勝を果たし、3連単で145万4720円の高額配当が飛び出した。2018年には単勝オッズ29.4倍(9番人気)のゴールドクイーンが逃げ切り勝ちを果たすなど、重賞に格上げされて以降も波乱の決着となった例が少なくない。今回はオープン特別として行われていた2017年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中16頭は、ローカル場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)の1勝クラス以上、かつ芝のレースにおいて1着となった経験がある馬だった。該当馬は3着内率が33.3%と比較的優秀な水準に達している。さらに、2014年以降の過去8年に限れば、〔6・6・4・25〕(3着内率39.0%)と好走率が上昇する。4大場(東京・中山・京都・阪神)で1勝クラスやオープンクラスのレースを勝った馬よりも、ローカル場のレースでオープンクラス入りを決めた馬に注目した方がよさそうだ。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-6-4-32 | 12.5% | 25.0% | 33.3% |
なし | 4-5-5-88 | 3.9% | 8.8% | 13.7% |
過去6年の3着以内馬18頭中13頭は牝馬だった。一方、牡・せん馬は3着内率11.4%とやや苦戦している。2015年以前は牡馬もそれなりに好走していたが、近年の傾向を重視するならば牝馬を高く評価したい。〔表2〕
性 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 1-2-2-39 | 2.3% | 6.8% | 11.4% |
牝 | 5-5-3-34 | 10.6% | 21.3% | 27.7% |
過去3年の3着以内馬9頭は、いずれも前走の4コーナー通過順が2番手から9番手だった。前走でハナを切った馬や、その逆に馬群の後方からレースを進めた馬は、過信禁物とみるべきだろう。〔表3〕
(伊吹 雅也)
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
2〜9番手 | 3-3-3-22 | 9.7% | 19.4% | 29.0% |
10番手以下 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。