2021年のオークスは、単勝オッズ8.9倍(3番人気)のユーバーレーベンが1着、同4.5倍(2番人気)のアカイトリノムスメが2着、同215.4倍(16番人気)のハギノピリナが3着となり、3連単で53万2180円の高額配当が飛び出した。ちなみに、2013年から2020年の8回は1番人気馬が全て3着以内に入って、3連単の平均配当が5万円台にとどまっていた。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の3着以内馬30頭中24頭は、前走の着順が3着以内だった。一方、4着以下だった馬は3着内率7.5%と苦戦している。基本的には前走好走馬を重視した方がよさそうだ。〔表1〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 9-8-7-74 | 9.2% | 17.3% | 24.5% |
4着以下 | 1-2-3-74 | 1.3% | 3.8% | 7.5% |
なお、過去4年に限ると、3着以内馬12頭はいずれも前走の着順が4着以内だった。近年の傾向からも、前走5着以下の馬は特に評価を下げたい。〔表2〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 4-4-4-30 | 9.5% | 19.0% | 28.6% |
5着以下 | 0-0-0-29 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬30頭中29頭は、前走の4コーナー通過順が3番手以下だった。一方、2番手以内だった馬は3着内率4.2%と苦戦している。前走で先行していた馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表3〕
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2番手以内 | 0-0-1-23 | 0% | 0% | 4.2% |
3番手以下 | 10-10-9-125 | 6.5% | 13.0% | 18.8% |
過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、通算出走数が5戦以内だった。一方、6戦以上の馬は3着内率6.0%と苦戦している。キャリア6戦以上の馬は、上位に食い込む可能性が低いようだ。〔表4〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5戦以内 | 8-10-7-70 | 8.4% | 18.9% | 26.3% |
6戦以上 | 2-0-3-78 | 2.4% | 2.4% | 6.0% |
なお、通算出走数が6戦以上だった馬で3着以内に入った5頭は、いずれも父が現役時に天皇賞(春)において2着以内に入った経験のある種牡馬だった。古馬になってから長距離で活躍した種牡馬を父に持つ馬であれば、キャリア6戦以上であっても評価を下げる必要はないかもしれない。〔表5〕
種牡馬 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
現役時に天皇賞(春)で2着以内となった経験のある種牡馬 | 2-0-3-20 | 8.0% | 8.0% | 20.0% |
その他の種牡馬 | 0-0-0-58 | 0% | 0% | 0% |
過去7年の3着以内馬21頭中15頭は、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以内だった。一方、4位以下だった馬は3着内率7.8%と苦戦している。前走の末脚にも注目しておくべきだろう。〔表6〕
前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3位以内 | 6-4-5-32 | 12.8% | 21.3% | 31.9% |
4位以下 | 1-3-2-71 | 1.3% | 5.2% | 7.8% |
なお、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以下だった馬で3着以内に入った6頭のうち5頭は、東京競馬場の1勝クラス以上のレースにおいて“上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以内で1着”となった経験のある馬だった。既に東京コースで鋭い末脚を発揮して勝ち切っている馬であれば、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以下であっても評価を下げる必要はなさそうだ。〔表7〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 1-2-2-9 | 7.1% | 21.4% | 35.7% |
なし | 0-1-0-62 | 0% | 1.6% | 1.6% |
過去5年の3着以内馬15頭中13頭は、前走の馬体重が450キログラム以上だった。一方、450キログラム未満だった馬は3着内率6.1%と苦戦している。近年の傾向を重視するならば、馬体重もチェックしておきたい。〔表8〕
前走の馬体重 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
450キログラム未満 | 0-1-1-31 | 0% | 3.0% | 6.1% |
450キログラム以上 | 5-4-4-43 | 8.9% | 16.1% | 23.2% |
過去4年の優勝馬4頭は、いずれも前走の着順が3着以内だった。また、この4頭は前走の4コーナー通過順が4番手以下だった点、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が1位だった点、前走の馬体重が450キログラム以上だった点も共通している。〔表1〕から〔表3〕、〔表6〕、〔表8〕などで挙げた傾向を鑑みたうえで、直近のパフォーマンスや馬体重を素直に評価すべきだろう。〔表9〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 前走の着順 | 前走の4コーナー通過順 | 前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 前走の馬体重 |
---|---|---|---|---|---|
2018年 | アーモンドアイ | 1着 | 16番手 | 1位 | 462kg |
2019年 | ラヴズオンリーユー | 1着 | 4番手 | 1位 | 456kg |
2020年 | デアリングタクト | 1着 | 12番手 | 1位 | 466kg |
2021年 | ユーバーレーベン | 3着 | 10番手 | 1位 | 454kg |
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