2006年に創設された古馬牝馬によるマイルGⅠ。2014年から1番人気が6連敗し、2015年には3連単2000万馬券が飛び出すなど波乱が続いたが、ここ2年は1番人気が2連勝している。はたして今年も堅く収まるのか、それとも波乱が起こるのか。過去10年のデータを中心に、傾向を探ってみた。
過去10年の単勝オッズ別成績では、10倍台の馬の健闘ぶりが目立つ。2015年ストレイトガール(14.1倍)、2016年ストレイトガール(17.7倍)、2017年アドマイヤリード(13.5倍)、2018年ジュールポレール(19.4倍)と、10倍台の馬が4年連続で勝利したこともあった。単勝10倍台の馬が1頭も馬券に絡まなかったのは過去10年で1度だけなので、単勝10倍台の馬はヒモ候補には入れておきたい。〔表1〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
9.9倍以下 | 5-4-2-27 | 13.2% | 23.7% | 28.9% |
10倍〜19.9倍 | 4-2-6-19 | 12.9% | 19.4% | 38.7% |
20倍以上 | 1-4-2-101 | 0.9% | 4.6% | 6.5% |
過去10年の当レースでは前走1着馬が不振で、延べ40頭が出走して勝った馬が1頭もいない。2014年スマートレイアー(1番人気、8着)、2015年ヌーヴォレコルト(1番人気、6着)、2017年ミッキークイーン(1番人気、7着)など、上位人気の支持に応えられなかったケースが多数あるので、前走1着馬には注意した方がよさそうだ。逆に言うと、前走で好走できなかった馬にもチャンスがある。2013年から2016年にかけて前走で6着以下に敗れていた馬が4年連続で優勝したこともあった。〔表2〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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1着 | 0-3-0-37 | 0% | 7.5% | 7.5% |
2着〜5着 | 4-4-9-38 | 7.3% | 14.5% | 30.9% |
6着以下 | 6-3-1-72 | 7.3% | 11.0% | 12.2% |
過去10年間で馬券に絡んだ馬は全て、前走が表にある8レースのいずれかだった。主流のステップレースのうち、3着以内馬が多いのは阪神牝馬S、好走率が高いのは中山牝馬Sとなっているが、福島牝馬S組からは勝ち馬が出ていない。また、頭数は少ないが、大阪杯から転戦してきた馬は高い確率で馬券に絡んでいる。大阪杯からの転戦馬が出走するようであれば狙ってみたい。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
阪神牝馬S | 4-4-5-60 | 5.5% | 11.0% | 17.8% |
中山牝馬S | 2-2-0-8 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
大阪杯 | 2-1-1-1 | 40.0% | 60.0% | 80.0% |
高松宮記念 | 1-0-2-16 | 5.3% | 5.3% | 15.8% |
有馬記念 | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
福島牝馬S | 0-1-2-22 | 0% | 4.0% | 12.0% |
ダービー卿CT | 0-1-0-6 | 0% | 14.3% | 14.3% |
京都牝馬S | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
負担重量の増減に注目すると、過去10年で前走から負担重量が減っていた馬が3着内率42.9%と高い数値を残している。2016年は1着ストレイトガール、2着ミッキークイーン、3着ショウナンパンドラ(いずれも56キログラム→55キログラム)と、負担重量が減った馬が3着以内を独占した。前走から斤量が軽くなった馬がいれば押さえてみたい。〔表4〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
前走から減少 | 3-3-3-12 | 14.3% | 28.6% | 42.9% |
前走と同斤量 | 4-3-2-48 | 7.0% | 12.3% | 15.8% |
前走から増加 | 3-4-5-87 | 3.0% | 7.1% | 12.1% |
過去5年の優勝馬は全てキャリア15戦以内だった。昨年は3着以内を独占しており、キャリアが浅い馬の活躍が目立つレースになっている。〔表5〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
15戦以内 | 5-4-3-41 | 9.4% | 17.0% | 22.6% |
16戦以上 | 0-1-2-31 | 0% | 2.9% | 8.8% |
過去10年の優勝馬延べ10頭のうち9頭は、前年に1600メートルのGⅠで5着以内に入った経験があった。特に、前年のヴィクトリアマイル、桜花賞、安田記念で5着以内だった馬には要注目だ。また、過去10年の優勝馬は全て前走で5番人気以内に支持されていた。前走での単勝人気も参考にしたい。〔表6〕
(姫園 淀仁)
年次 | 優勝馬 | 前年の1600mのGⅠでの主な実績 | 前走の単勝人気 |
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2012年 | ホエールキャプチャ | 桜花賞2着 | 2番人気 |
2013年 | ヴィルシーナ | 桜花賞2着 | 4番人気 |
2014年 | ヴィルシーナ | ヴィクトリアマイル1着 | 5番人気 |
2015年 | ストレイトガール | ヴィクトリアマイル3着 | 1番人気 |
2016年 | ストレイトガール | ヴィクトリアマイル1着 | 3番人気 |
2017年 | アドマイヤリード | 桜花賞5着 | 3番人気 |
2018年 | ジュールポレール | ヴィクトリアマイル3着 | 5番人気 |
2019年 | ノームコア | 出走なし | 1番人気 |
2020年 | アーモンドアイ | 安田記念3着 | 1番人気 |
2021年 | グランアレグリア | 安田記念1着ほか | 2番人気 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。