2021年の中山グランドジャンプは、単勝オッズ1.8倍の支持を集めた1番人気のメイショウダッサイが優勝を果たし、前人未到の当レース6連覇を目指したオジュウチョウサンは5着に敗れた。なお、オジュウチョウサンが2度目の当レース制覇を果たした2017年以降は、5年連続で3連単の配当が1万円を下回っており、2021年も3連単の配当は4810円止まりだった。今年も実績馬が期待に応えるのだろうか、それとも久々に波乱の決着が待っているのか。過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭は、前年のJ・GⅠにおいて4着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率13.1%とやや苦戦している上、2017年以降の過去5年に限ると〔0・0・1・29〕(3着内率3.3%)と、連対できていない。今年も昨年の中山グランドジャンプや中山大障害で上位に入っていた馬を重視した方がよさそうだ。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 7-6-6-16 | 20.0% | 37.1% | 54.3% |
なし | 3-4-4-73 | 3.6% | 8.3% | 13.1% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中18頭は、前走がJ・GⅠ、J・GⅡだった。一方、J・GⅠ、J・GⅡ以外のレースだった馬は3着内率16.7%とやや苦戦している。格の高いレースを経由してきた馬は高く評価すべきだろう。〔表2〕
前走 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
J・GⅠ、J・GⅡ | 6-7-5-29 | 12.8% | 27.7% | 38.3% |
その他のレース | 4-3-5-60 | 5.6% | 9.7% | 16.7% |
なお、前走がJ・GⅠ、J・GⅡ以外だった馬のうち、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.3秒以上だった馬は、3着内率が7.8%にとどまっている。さらに、2017年以降の過去5年に限ると〔0・0・0・20〕(3着内率0%)と、好走例がない。前走がJ・GⅠ、J・GⅡ以外のレース、かつそのレースで勝ち馬に0.3秒以上のタイム差をつけられていた馬は評価を下げたい。〔表3〕
前走の着順ならびに前走の1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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着順が1着、もしくは1着馬とのタイム差が0.2秒以内 | 3-2-2-11 | 16.7% | 27.8% | 38.9% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.3秒以上 | 1-0-3-47 | 2.0% | 2.0% | 7.8% |
前走で競走中止 | 0-1-0-2 | 0% | 33.3% | 33.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中21頭は、前走の4コーナー通過順が3番手以内だった。一方、4番手以下だった馬は3着内率11.9%とやや苦戦している。前走の4コーナーを4番手以下で通過していたような馬は、過信禁物とみておいた方がよさそうだ。〔表4〕
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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3番手以内 | 8-8-5-28 | 16.3% | 32.7% | 42.9% |
4番手以下 | 2-1-5-59 | 3.0% | 4.5% | 11.9% |
過去5年の中山グランドジャンプにおける年齢別成績を見ると、5歳以下の馬は全て4着以下に敗れている。若い馬は扱いに注意すべきだろう。なお、勝率・連対率・3着内率が最も高いのは8歳馬である。年齢の高い馬を安易に軽視してしまわないよう心掛けておくべきかもしれない。〔表5〕
(伊吹 雅也)
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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4歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
5歳 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
6歳 | 1-1-1-8 | 9.1% | 18.2% | 27.3% |
7歳 | 1-1-2-7 | 9.1% | 18.2% | 36.4% |
8歳 | 2-2-1-4 | 22.2% | 44.4% | 55.6% |
9歳 | 1-1-1-9 | 8.3% | 16.7% | 25.0% |
10歳 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
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