2022年のクラシックが幕を開ける。仁川に咲き誇る満開の桜を背景に、3歳牝馬の精鋭たちが桜の女王の座を争う。ここでは過去10年のデータを分析する。
桜花賞のトライアルレースはチューリップ賞、フィリーズレビュー、アネモネSの3レースだが、その中でもチューリップ賞組が断然の結果を残している。過去10年で出走頭数が最も多いのはフィリーズレビュー組だが、3着以内に入ったのは3頭だけ。アネモネS組は23頭が出走して3着以内がない。この結果から、好相性のチューリップ賞組の他には、トライアル以外のレースから臨戦してきた馬に注目したいところだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
チューリップ賞 | 5-7-6-29 | 10.6% | 25.5% | 38.3% |
阪神JF | 1-2-0-2 | 20.0% | 60.0% | 60.0% |
フィリーズレビュー | 1-0-2-49 | 1.9% | 1.9% | 5.8% |
エルフィンS | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
朝日杯FS | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
シンザン記念 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
クイーンC | 0-1-1-16 | 0% | 5.6% | 11.1% |
フェアリーS | 0-0-1-3 | 0% | 0% | 25.0% |
アネモネS | 0-0-0-23 | 0% | 0% | 0% |
その他のレース | 0-0-0-20 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬10頭のうち、8頭がJRAで通算2勝以下だった。2勝馬の優勝が多いのは出走頭数自体が多い(99頭)ことが理由になるとしても、37頭出走した1勝馬が3勝、36頭出走した3勝馬が1勝という点から、勝利数の少ない馬の健闘具合がうかがえる。ただし、3着内率では3勝馬が22.2%、4勝馬が50.0%と、安定度では3勝以上の馬が勝っている。軸馬には勝利数の多い馬の方が向いているかもしれない。〔表2〕
通算勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4勝 | 1-1-1-3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
3勝 | 1-4-3-28 | 2.8% | 13.9% | 22.2% |
2勝 | 5-4-6-84 | 5.1% | 9.1% | 15.2% |
1勝 | 3-1-0-33 | 8.1% | 10.8% | 10.8% |
過去10年の単勝人気別成績では、2番人気が2018年から4連勝を飾るなど、過去10年で5勝を含む8連対の活躍を見せている。1番人気はやや物足りない成績ではあるが、3番人気と並び3着内率は50.0%と、3着内率では3番人気以内が圧倒している。下位人気馬に目を向けると、10番人気以下は88頭が出走して3着が1回あるのみで、かなりの苦戦傾向にある。〔表3〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-3-1-5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
2番人気 | 5-3-0-2 | 50.0% | 80.0% | 80.0% |
3番人気 | 1-1-3-5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
4番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 2-2-4-32 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
10番人気以下 | 0-0-1-87 | 0% | 0% | 1.1% |
過去10年の優勝馬10頭中8頭、3着以内馬30頭中19頭は、過去3走以内に芝1600メートル戦で2回以上連対していた。2回以上の馬は好走率も高くなっており、近走でのマイル実績には注目しておく必要がありそうだ。〔表4〕
連対数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3回 | 1-2-1-10 | 7.1% | 21.4% | 28.6% |
2回 | 7-4-4-30 | 15.6% | 24.4% | 33.3% |
1回 | 1-3-2-50 | 1.8% | 7.1% | 10.7% |
0回 | 1-1-3-58 | 1.6% | 3.2% | 7.9% |
2017年以降の優勝馬5頭は、オープンクラスのレースで2着馬に0秒3以上のタイム差をつけて優勝した経験があった。今年もオープンクラスでの勝利実績に加え、2着馬をどれだけ引き離して勝利していたかにも注目したい。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 2着馬との最高タイム差 |
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2017年 | レーヌミノル | 1秒0 |
2018年 | アーモンドアイ | 0秒3 |
2019年 | グランアレグリア | 0秒6 |
2020年 | デアリングタクト | 0秒7 |
2021年 | ソダシ | 0秒3 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。