2021年のチューリップ賞は、単勝オッズ1.6倍で1番人気のメイケイエールと単勝オッズ8.0倍で3番人気のエリザベスタワーが1着同着となった。チューリップ賞において単勝オッズ3倍未満の支持を集めた馬は、2002年以降の過去20年で〔9・6・4・2〕(3着内率90.5%)、GⅡとなった2018年以降の過去5年に限れば〔3・0・2・0〕(3着内率100%)と非常に堅実だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、前走の距離が1500メートルから1600メートルだった。一方、その他の距離だった馬は3着内率4.3%と苦戦している。前走が1400メートル以下や1700メートル以上のレースだった馬は評価を下げるべきだろう。〔表1〕
前走の距離 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1500〜1600m | 9-9-10-61 | 10.1% | 20.2% | 31.5% |
その他の距離 | 2-0-0-45 | 4.3% | 4.3% | 4.3% |
過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、JRAの1400メートルから1800メートルのレースにおいて、4コーナーを4番手以下で通過して1着となった経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率7.9%と苦戦している上、2014年以降の過去8年に限ると〔0・0・2・45〕(3着内率4.3%)である。1マイル前後のレースを、4コーナー4番手以下のポジションから勝ったことのある馬が優勢だ。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-7-8-48 | 13.7% | 23.3% | 34.2% |
なし | 1-2-2-58 | 1.6% | 4.8% | 7.9% |
過去10年の3着以内馬30頭中24頭は、JRAのオープンクラスのレースにおいて4着以内となった経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率7.8%と苦戦している。既に重賞やオープン特別で上位に入ったことのある馬を高く評価したい。〔表3〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-6-9-35 | 15.3% | 25.4% | 40.7% |
なし | 2-3-1-71 | 2.6% | 6.5% | 7.8% |
なお、JRAのオープンクラスのレースにおいて4着以内となった経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った6頭のうち4頭は、通算出走数が2戦以内だった。一方、3戦以上だった馬は3着内率が3.4%にとどまっている上、2015年以降の過去7年に限ると〔0・0・0・38〕(3着内率0%)である。まだ重賞やオープン特別で上位に入ったことのないキャリア3戦以上の馬は、過信禁物とみるべきだろう。〔表4〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2戦以内 | 1-2-1-14 | 5.6% | 16.7% | 22.2% |
3戦以上 | 1-1-0-57 | 1.7% | 3.4% | 3.4% |
過去7年の3着以内馬21頭は全て通算出走数が4戦以内だった。2014年以前はキャリア5戦以上の馬も3着以内に入っていたが、近年の傾向からは割り引きが必要だ。〔表5〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4戦以内 | 8-6-7-50 | 11.3% | 19.7% | 29.6% |
5戦以上 | 0-0-0-23 | 0% | 0% | 0% |
過去7年の3着以内馬21頭中18頭は、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以内だった。一方、4位以下だった馬は3着内率7.3%と苦戦している。近走成績を比較する際は、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位にも注目しておきたい。〔表6〕
(伊吹 雅也)
前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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3位以内 | 6-5-7-35 | 11.3% | 20.8% | 34.0% |
4位以下 | 2-1-0-38 | 4.9% | 7.3% | 7.3% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。