過去10年のクイーンCでは単勝1番人気と2番人気の成績が共に〔4・1・2・3〕(3着内率70.0%)と上位人気馬が堅実に走っている。2019年に1番人気の支持に応えて勝利を収めたクロノジェネシスは、その後秋華賞を皮切りにGⅠ4勝を挙げる活躍を見せた。また、2021年に2番人気で優勝したアカイトリノムスメも、同年秋に秋華賞を制している。牝馬三冠路線を占う上でも見逃せない一戦にはどのような傾向があるのか、過去10年の結果を分析する。
過去10年の前走別成績を見ると、3着以内馬が最も多いのは阪神ジュベナイルフィリーズの8頭だった。フェアリーSが7頭でそれに続き、3着以内馬の約半数はこの2レースから臨んだ馬となっている。ただし、2020年は前走が京都2歳Sだったミヤマザクラが1着、ファンタジーSからの臨戦だったマジックキャッスルが2着、2021年は前走がシンザン記念だったククナが3着になっており、ここ2年はその他の重賞から臨んだ馬の好走が多くなっている。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
阪神ジュベナイルフィリーズ | 3-3-2-13 | 14.3% | 28.6% | 38.1% |
フェアリーS | 2-2-3-16 | 8.7% | 17.4% | 30.4% |
上記以外のJRA重賞 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
オープン特別 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
1勝クラス | 4-1-1-40 | 8.7% | 10.9% | 13.0% |
新馬 | 0-2-2-13 | 0% | 11.8% | 23.5% |
未勝利 | 0-1-1-20 | 0% | 4.5% | 9.1% |
地方のレース | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
続いて、4勝を挙げている1勝クラス組について掘り下げてみると、単勝2番人気以内に支持された馬が6頭おり、そのうち4頭が勝利して勝率が66.7%と非常に高い数値になっている。1勝クラス組の取捨は単勝人気を参考にしたい。なお、前走新馬・未勝利組は上位人気に支持されること自体が少ないが、3着以内に入った6頭は3番人気から7番人気と、同組の中でも比較的上位に支持された馬だった。〔表2〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2番人気以内 | 4-0-0-2 | 66.7% | 66.7% | 66.7% |
3番人気以下 | 0-1-1-38 | 0% | 2.5% | 5.0% |
JRAの重賞から臨んだ馬の成績が良好であることを踏まえ、JRAの重賞で3着以内に入った経験の有無別に成績を調べてみると、経験ありの馬は21頭が出走して11頭が馬券に絡んでいる。2019年と2020年は該当馬がそれぞれ2頭しか出走していなかったにもかかわらず、その2頭がワンツーフィニッシュを決めた。JRA重賞で3着以内に入ったことがある馬は要注目の存在といえそうだ。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 5-3-3-10 | 23.8% | 38.1% | 52.4% |
なし | 5-7-8-108 | 3.9% | 9.4% | 15.6% |
過去10年の出走馬について、東京競馬場の芝のレースで優勝した経験の有無別成績を調べると、優勝馬は10頭中8頭が経験ありの馬だった。特に東京で行われたオープンクラス、または1勝クラスの芝のレースを勝っていた馬は〔4・1・1・5〕(3着内率54.5%)と3着内率が高い。該当馬がいればマークしておきたい。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-3-4-39 | 14.8% | 20.4% | 27.8% |
なし | 2-7-7-79 | 2.1% | 9.5% | 16.8% |
ちなみに、優勝馬の残る2頭は共にクイーンCが東京競馬場の芝初出走だった。東京競馬場の芝のレースに出走したことがありながら優勝経験のなかった馬は勝てておらず、3着内率も11.6%と芳しくない。これに該当する馬は評価を下げた方がよさそうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-2-3-38 | 0% | 4.7% | 11.6% |
なし | 2-5-4-41 | 3.8% | 13.5% | 21.2% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。