過去10年の日経新春杯では、連対馬が2頭とも単勝5番人気以内だったケースが7回ある一方で、残る3回では10番人気以下の馬が1頭ずつ連対している。そのうちの1回が京都競馬場整備工事に伴い中京競馬場の芝2200メートルで行われた2021年で、馬連の配当が5万円を超える大波乱となった。引き続き中京競馬場で行われる今年は、果たしてどのような結果になるのだろうか。過去10年のデータを参考に、好走馬に共通するポイントを探っていく。
過去10年の前走別成績を見ると、前走が2勝クラスのレースだった馬は半数が3着以内に入り、3勝クラスから臨んだ馬も3着内率が33.3%と高くなっている。特にここ4年は3勝クラスのレースから臨んだ馬が〔3・2・2・4〕(3着内率63.6%)と、半数以上が3着以内に入っている。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-0-0-24 | 17.2% | 17.2% | 17.2% |
GⅡ | 1-1-4-23 | 3.4% | 6.9% | 20.7% |
GⅢ | 0-3-1-27 | 0% | 9.7% | 12.9% |
オープン特別 | 0-1-2-21 | 0% | 4.2% | 12.5% |
3勝クラス | 3-4-2-18 | 11.1% | 25.9% | 33.3% |
2勝クラス | 1-1-1-3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
なお、前走がJRAのGⅠだった馬は1着か4着以下と極端な成績だが、その中でも前走の着順が5着以内だった馬に限れば勝率80.0%と驚異的な成績を残している。一方、前走のGⅠで6着以下に敗れていた馬は3着以内が1回だけと苦戦を強いられている。GⅠ6着以下からの巻き返しは期待できないようだ。〔表2〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 4-0-0-1 | 80.0% | 80.0% | 80.0% |
6着以下 | 1-0-0-23 | 4.2% | 4.2% | 4.2% |
条件クラスのレースから臨んだ馬が活躍していることもあり、過去10年の3着以内馬延べ30頭中23頭はJRA重賞の優勝経験がない馬だった。好走率ではJRA重賞の優勝経験がある馬も遜色ないものの、ここ4年に限れば〔0・0・1・12〕(3着内率7.7%)と重賞未勝利の馬に圧倒されている上、単勝3番人気以内に支持された3頭がいずれも4着以下と、上位人気の支持に応えられなかったケースも見られる。JRA重賞の優勝馬は過信禁物といえそうだ。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 2-2-3-27 | 5.9% | 11.8% | 20.6% |
なし | 8-8-7-89 | 7.1% | 14.3% | 20.5% |
過去10年の年齢別成績を調べると、優勝馬は10頭中7頭が4歳だった。4歳馬が単勝2番人気以内に支持された場合は〔5・2・0・3〕と連対率が70.0%に達している。一方、7歳以上の馬は延べ42頭が出走したものの、全て4着以下に敗れている。予想は6歳以下の馬を中心に組み立てたい。〔表4〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 7-3-0-20 | 23.3% | 33.3% | 33.3% |
5歳 | 2-4-5-25 | 5.6% | 16.7% | 30.6% |
6歳 | 1-3-5-29 | 2.6% | 10.5% | 23.7% |
7歳以上 | 0-0-0-42 | 0% | 0% | 0% |
前項で述べたように過去10年の優勝馬は6歳以下の馬に限られていることから、まずは年齢から候補を絞り込めるだろう。続いて優勝馬の負担重量に注目してみると、優勝馬10頭中8頭は前走から2キログラム以上減っていた。ハンデ戦では他馬との斤量差に目が行きがちだが、前走からの増減も優勝馬を予想する際のヒントになりそうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 日経新春杯の負担重量 | 前走の負担重量 |
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2012年 | トゥザグローリー | 58.5kg | 57kg |
2013年 | カポーティスター | 52kg | 55kg |
2014年 | サトノノブレス | 55kg | 57kg |
2015年 | アドマイヤデウス | 55kg | 57kg |
2016年 | レーヴミストラル | 56kg | 56kg |
2017年 | ミッキーロケット | 55kg | 57kg |
2018年 | パフォーマプロミス | 54kg | 56kg |
2019年 | グローリーヴェイズ | 55kg | 57kg |
2020年 | モズベッロ | 52kg | 54kg |
2021年 | ショウリュウイクゾ | 53kg | 57kg |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。