フェアリーSは2009年から3歳牝馬限定の芝1600メートル戦として行われており、2020年スマイルカナ、2021年ファインルージュとここ2年の優勝馬は桜花賞で3着に好走。2017年2着のアエロリットはNHKマイルCを制している。春のGⅠにつながる重要な一戦にはどのような傾向があるのかを探るべく、過去10年の結果を分析する。
過去10年の3着以内馬30頭中19頭は、前走でも芝1600メートルのレースに出走していた。前走で同じ距離を走っていたという点はアドバンテージになるようだ。なお、3着内率は芝1800メートル以上だった馬の方が高く、そのうち2着に入った4頭は全て単勝8番人気以下だった点は覚えておきたい。〔表1〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1500m以下 | 1-1-4-36 | 2.4% | 4.8% | 14.3% |
芝1600m | 9-5-5-69 | 10.2% | 15.9% | 21.6% |
芝1800m以上 | 0-4-0-12 | 0% | 25.0% | 25.0% |
ダート戦 | 0-0-1-13 | 0% | 0% | 7.1% |
過去10年の前走との間隔別成績を見ると、3着内率は間隔が空いている馬ほど高くなっている。昨年は約2か月半ぶりの出走だったファインルージュが優勝、2018年には約3か月ぶりだったプリモシーンが勝利を収めている。一方、中2週以下だった馬で3着以内に入ったのは2019年1着のフィリアプーラのみ。間隔が詰まっている馬は割り引きが必要だろう。〔表2〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中2週以下 | 1-0-0-25 | 3.8% | 3.8% | 3.8% |
中3週 | 2-1-2-23 | 7.1% | 10.7% | 17.9% |
中4週〜中8週 | 3-7-6-57 | 4.1% | 13.7% | 21.9% |
中9週以上 | 4-2-2-25 | 12.1% | 18.2% | 24.2% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち、JRAのオープンクラスのレースに出走経験があった馬は8頭にとどまっている。該当馬は3着内率も13.3%といまひとつで、2018年以降は当レースがオープンクラス初出走となった馬が4連勝中だ。また、そのうち3頭は前走で未勝利戦を勝ったばかりで、初勝利直後の馬でも十分通用する一戦となっている。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-2-2-52 | 6.7% | 10.0% | 13.3% |
なし | 6-8-8-78 | 6.0% | 14.0% | 22.0% |
過去5年の優勝馬はデビュー戦で単勝3番人気以内に支持されており、デビュー前から評判が高かったことがうかがえる。また、この5頭はデビュー戦の出走頭数が15頭以上だった点も同じ。過去10年のいずれの年もフルゲートで行われているフェアリーSでは、デビュー戦から多頭数のレースを経験していたような馬に注目したい。〔表4〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | デビュー戦での単勝人気と出走頭数 | |
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2017年 | ライジングリーズン | 2番人気 | 16頭 |
2018年 | プリモシーン | 1番人気 | 16頭 |
2019年 | フィリアプーラ | 3番人気 | 15頭 |
2020年 | スマイルカナ | 2番人気 | 18頭 |
2021年 | ファインルージュ | 1番人気 | 17頭 |
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