今週の注目レース

天皇賞(春)(GⅠ)

阪神競馬場 3200メートル(芝外→内)定量 4歳以上オープン

出走馬情報

アリストテレス

牡4歳

調教師:音無秀孝(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ブルーダイアモンド
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

7着に敗れた前走だったが、プラス体重でも馬体は前々走よりはるかに引き締まり、調教の動きも良くなっていた。前走に近い状態で十分に勝ち負けになるはずだ。水分を含んだ馬場状態での実績もあるが、できれば良馬場で走りたいところだろう。

昨年の菊花賞(2着)ではコントレイルとクビ差の接戦を演じ、GⅠ級の能力を証明。年明けのアメリカジョッキークラブCでは、早めに前を射程圏に入れる堂々としたレース運びで初の重賞制覇を達成し、天皇賞(春)の最有力馬であることを印象付けた。それだけに、単勝オッズ1.3倍の圧倒的な支持を受けた前走の阪神大賞典での7着は、予想できなかった結果。確かに馬場状態はタフ(重)だったが、アメリカジョッキークラブCでは不良馬場を克服していた。それであれば、敗因はレース序盤で行きたがる面を見せたことだろう。折り合い不問とされていた本馬にとって予期せぬ課題とはなるが、これをクリアできるようなら、巻き返しは容易とも言えそうだ。

カレンブーケドール

牝5歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ソラリア
  • 母の父:Scat Daddy
ここに注目!

折り合い不問でレース運びも自由自在。関西圏への長距離輸送でも馬体を大きく減らすことがない。初めてになる3200メートルへの対応が最大にして唯一の課題とされそうだが、前述したような本馬の特徴は長距離戦でプラスに働くもの。むしろ、向く可能性まである。

ここまで2勝だが、本馬の実績は他の2勝馬とはレベルが違う。最高峰のGⅠで3度の2着。アーモンドアイと三冠馬2頭の対決に沸いた昨年のジャパンカップでも勝ち馬から0秒2差の4着に好走するなど、相手のレベルが上がってもパフォーマンスが変わらないところが、何よりもすごいところだろう。前走の日経賞では4歳牝馬のウインマリリンの2着に敗れたが、同馬よりも1キログラム重い斤量を背負い、上がり3ハロン34秒5(推定)のタイムはワールドプレミア(3着)と並ぶ出走馬中最速タイ。その内容は勝ち馬にも劣らないものだった。初の重賞制覇が伝統の天皇賞であったとしても、何ら不思議のない実力の持ち主だ。

ディープボンド

牡4歳

調教師:大久保龍志(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ゼフィランサス
  • 母の父:キングヘイロー
ここに注目!

自慢の持久力を生かせた前走の展開と馬場状態(重)は理想的と言えるものだったが、それを可能にしたのも4歳となってのパワーアップがあったため。前走時の馬体重はキャリア最大の数字だったが、太め感はなし。さらなる体重増でも全く問題はないはずだ。

2番人気の支持を受けた前々走の中山金杯で14着と大敗し、評価が落ちかけていたところで迎えたのが前走の阪神大賞典だった。距離延長が功を奏し、もまれない形での先行策を取れたことも大きかったとはいえ、2着ユーキャンスマイルに5馬身の差をつけたレース内容は、それまでのイメージを一新するものだったと言えるだろう。日本ダービーが勝ち馬コントレイルから0秒9差5着、菊花賞が同0秒7差4着と、クラシックレースでは善戦止まりで終わっていた3歳シーズンと違い、今回は主役候補の1頭として挑むGⅠ。前走のような堂々とした立ち回りができるようなら、チャンス十分のはずだ。

ワールドプレミア

牡5歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:マンデラ
  • 母の父:Acatenango
ここに注目!

大崩れのない成績を残しているが、それでも休み明けと2走目ではパフォーマンスが変わってくるタイプ。特に今回は、調整不足が指摘された神戸新聞杯(3着)を使って状態が急上昇した菊花賞(1着)時に近い雰囲気がある。久々に輸送のない競馬で、体も作りやすいようだ。

2019年の菊花賞で長距離GⅠを制し、同年の有馬記念ではリスグラシュー、サートゥルナーリアに続く3着。翌年に天皇賞(春)を連覇するフィエールマン(4着)には先着を果たした。昨秋のジャパンカップで初めて掲示板(5着以内)を外したが、これは約11か月の長い休み明けで本調子に戻り切らない状況下でのレース。超のつく好メンバーを相手に勝ち馬から0秒8差の6着なら、能力の高さを再確認できたと言えるだろう。直線でスムーズさを欠いた前々走の有馬記念でも勝ち馬から0秒6差の5着、ひと追い足りない感もあった前走の日経賞では同0秒1差3着に入った。1度使った上積みが見込める今回は、菊花賞以来となる3000メートル以上の長距離戦。2つ目のGⅠ制覇を期待したい。

ウインマリリン

牝4歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:コスモチェーロ
  • 母の父:Fusaichi Pegasus
ここに注目!

初めての3200メートルを克服できるかどうかが一番の鍵となりそうだが、3走前のエリザベス女王杯(4着)の内容から、阪神コースに対する適性は高そうだ。ただし、牡馬相手の1戦で、初めて背負う56キログラムの斤量は少し厳しい条件かもしれない。

前走の日経賞を4コーナー2番手から押し切り、昨年のフローラS以来の勝利を2度目のGⅡ勝利で成し遂げた。中山・芝2500メートルのコース形態を存分に生かし、内をロスなく回ったジョッキーの好リードもあったが、本馬自身も昨年のオークスで2着、エリザベス女王杯では4着に好走した馬。ハイレベルなレースで結果を残してきた能力は現役でも上位のものがあり、実績上位のカレンブーケドール(2着)やワールドプレミア(3着)を退けても何ら不思議ではなかったということだろう。暖かい時季に状態を上げるタイプで、休み明けよりも2走目以降のほうが成績も上がってくる馬。牡馬相手のGⅠでも軽くは扱えないはずだ。

オーソリティ

牡4歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:ロザリンド
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

2歳時には函館と中山で勝利をマークしているが、東京コースで見せるパフォーマンスは他の競馬場のそれと一線を画すもの。初めての長距離輸送だけでなく、2周目が内回りになる今回のコース形態に対応できるかどうかが一番のポイントとなりそうだ。

青葉賞(1着)からの休養明けで臨んだ3走前のアルゼンチン共和国杯を勝ち、同世代を代表する実力馬であることを証明。前々走の有馬記念は好位追走から後続に早めにかわされると抵抗できず14着と大敗したが、それが能力の問題でなかったことは、前走のダイヤモンドSでのクビ差2着を見れば一目瞭然だ。父オルフェーヴル譲りのパワーもあるだろうが、500キログラムを超える本馬の馬体のイメージは母の父シンボリクリスエスに通じるもの。前走の結果からも、長距離戦こそがベストの舞台である可能性は高い。折り合いをしっかりつけることができれば、今回も好勝負になるだろう。

ユーキャンスマイル

牡6歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ムードインディゴ
  • 母の父:ダンスインザダーク
ここに注目!

この中間は在厩で調整。約3か月ぶりだった前走時の馬体重が過去最高の510キログラム。時季的なこともあり、もう少し絞れたほうがいいのかもしれない。阪神・芝3000メートルでは崩れを知らない馬。阪神コースで行われる今年がチャンスだ。

昨年の秋は、1番人気に支持されたアルゼンチン共和国杯で4着と敗れ、ジャパンカップが12着、有馬記念では11着と2戦連続の2桁着順。確かに相手はそろっていたが、強敵相手でも堅実に走ることが本馬の長所だっただけに、肩を落としたファンも少なくないだろう。昨秋は息遣いが本物でなく、それと連動して調教の動きもひと息だった印象。また、4着だった天皇賞(春)以降に取った約6か月の休養で、馬の気持ちが抜けてしまったのかもしれない。追い切りの動きにシャープさが出ていた前走の阪神大賞典では2着に好走。久々に結果を残したことにより、念願のGⅠ制覇に期待をつないでいる。

ナムラドノヴァン

牡6歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:ディープブリランテ
  • 母:パンカティリオ
  • 母の父:Kingmambo
ここに注目!

これまでに実績のなかった阪神コースでも3着と結果を出した前走は、収穫のあるレースだった。脚質から展開に左右されやすい面はあるが、近走は確実に脚を使えるようになっている。前が止まる厳しい流れになれば面白い。

順調にステップアップしてきたものの、3勝クラスをなかなか勝ち上がれず、格上挑戦で挑んだのが3走前のオープン特別・万葉S(中京・芝3000メートル)。それまでの実績もあり、51キログラムの軽ハンデでも7番人気の評価だったが、結果は出走馬中最速の上がり3ハロン35秒3(推定)を繰り出して差し切り勝ちを収めた。この1戦だけなら評価も微妙なところだが、2キログラム増の53キログラムで出走した前々走のダイヤモンドSで4着、別定戦だった前走の阪神大賞典では56キログラムを背負って3着に好走。地力強化が本物であることを示している。定量戦の今回はさらに2キログラム増の58キログラムとなるが、現在の充実ぶりなら克服してもおかしくない。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

ページトップへ戻る
表示モード: