ニュージーランドTはNHKマイルCが創設された1996年からトライアルの役目を担っており、初期には1997年のシーキングザパール、1998年のエルコンドルパサーがトライアル制覇の余勢を駆ってNHKマイルCでも勝利を収めた。その後も2012年の優勝馬カレンブラックヒルが無敗のままNHKマイルCを制するなど、1996年の創設以降に9頭の3歳マイル王を輩出している注目の一戦だ。なお、2011年は阪神競馬場で行われたため、中山競馬場で行われた過去9年の結果を参考にレースの傾向を分析していく。
過去9年の前走別成績を見ると、3着以内馬27頭中15頭は前走がGⅢだった。前走で1勝クラスに出走していた馬も8頭が3着以内に入っており、これらで3着以内馬の大半を占めている。なお、前走が皐月賞または桜花賞のトライアルレース〔弥生賞(GⅡ)、スプリングS(GⅡ)、若葉S(オープン特別)、チューリップ賞(2017年までGⅢ、2018年以降はGⅡ)、フィリーズレビュー(GⅡ)、アネモネS(オープン特別)〕だった馬の参戦も見られるが、該当馬は〔0・1・1・20〕(3着内率9.1%)と振るわない。このため、GⅡおよびオープン特別から臨んだ馬の成績が今ひとつとなっているようだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
GⅡ | 0-1-0-15 | 0% | 6.3% | 6.3% |
GⅢ | 6-3-6-39 | 11.1% | 16.7% | 27.8% |
オープン特別 | 0-1-1-13 | 0% | 6.7% | 13.3% |
1勝クラス | 2-4-2-42 | 4.0% | 12.0% | 16.0% |
未勝利 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
地方のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去9年の単勝オッズ別成績を見ていくと、2倍を切るような圧倒的支持を受けた馬はおらず、2倍台も2頭のみだった。出走馬の臨戦過程が多岐にわたるためか人気が割れやすい傾向にあるのだが、それでも単勝オッズが4.9倍以下の馬は3着内率64.3%と信頼できる数字になっている。ただし、2017年に51.1倍のジョーストリクトリが勝利を収めるなど、単勝オッズが50倍以上だった馬も4頭が3着以内に入っており、波乱の決着となった年があることも覚えておきたい。〔表2〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4.9倍以下 | 5-2-2-5 | 35.7% | 50.0% | 64.3% |
5.0〜9.9倍 | 1-5-2-20 | 3.6% | 21.4% | 28.6% |
10.0〜19.9倍 | 2-1-2-22 | 7.4% | 11.1% | 18.5% |
20.0〜49.9倍 | 0-0-1-25 | 0% | 0% | 3.8% |
50.0倍以上 | 1-1-2-41 | 2.2% | 4.4% | 8.9% |
過去9年の出走馬のJRA重賞における最高着順別成績を調べてみると、最高着順が2着や3着だった馬が30%を超える3着内率をマークしている。一方、JRA重賞の優勝経験があった馬は1勝3着1回と意外にも苦戦している。該当馬10頭のうち7頭の単勝オッズが10倍未満と、重賞勝ちのある馬は人気になりやすいことも踏まえると、実績上位といえども過信は禁物といえそうだ。また、JRA重賞に出走した経験がありながら3着以内に入ったことのない馬も好走率が低くなっている。実績面で劣る馬も評価を下げた方がいいかもしれない。〔表3〕
(高那実 マヤ)
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
2着 | 3-1-3-13 | 15.0% | 20.0% | 35.0% |
3着 | 1-4-0-8 | 7.7% | 38.5% | 38.5% |
4着以下 | 1-1-3-50 | 1.8% | 3.6% | 9.1% |
不出走 | 3-3-2-34 | 7.1% | 14.3% | 19.0% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。