近年の優勝馬では、2013年のロードカナロアが同年の高松宮記念と安田記念を制覇、2014年のコパノリチャードが次走で高松宮記念を勝利している。また、2018年の2着馬モズアスコットが同年の安田記念を制しており、このレースを始動戦として、春の短距離GⅠ路線で上位争いに加わる馬が多い。過去10年のデータから傾向を探っていく。
過去10年の馬番別成績では、「1番から4番」の連対率と3着内率が最も高く、勝率では「13番から18番」がトップとなっている。優勝馬10頭中9頭は「1番から4番」と「13番から18番」の馬で、連対馬で見ても20頭中15頭をこの2組が占めている。この辺りは予想する上で参考になりそうだ。〔表1〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番〜4番 | 3-5-4-28 | 7.5% | 20.0% | 30.0% |
5番〜8番 | 0-3-4-33 | 0% | 7.5% | 17.5% |
9番〜12番 | 1-1-1-37 | 2.5% | 5.0% | 7.5% |
13番〜18番 | 6-1-1-36 | 13.6% | 15.9% | 18.2% |
過去10年の年齢別成績では、若い馬の方が好走率が高く、3着以内馬延べ30頭中25頭を6歳以下の馬が占めている。好走率で見ても、6歳以下と7歳以上では明確に差が生じている。7歳以上の馬は苦戦する可能性が高そうだ。〔表2〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 1-3-4-23 | 3.2% | 12.9% | 25.8% |
5歳 | 5-2-2-31 | 12.5% | 17.5% | 22.5% |
6歳 | 3-3-2-35 | 7.0% | 14.0% | 18.6% |
7歳 | 1-1-1-30 | 3.0% | 6.1% | 9.1% |
8歳以上 | 0-1-1-15 | 0% | 5.9% | 11.8% |
なお、性別の成績では、牡・せん馬と牝馬の間に好走率で大きな差はない。データ上は性別を気にする必要はなさそうだ。〔表3〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 9-8-8-113 | 6.5% | 12.3% | 18.1% |
牝 | 1-2-2-21 | 3.8% | 11.5% | 19.2% |
過去10年の出走馬の前走の単勝人気別成績をまとめると、前走海外組を除けば、1番人気から3番人気の各組が3着内率で上位となっている。また、「5番人気」が2勝を挙げているほか、「6番人気から9番人気」だった馬も3着以内に7頭入っている。まずは、前走で上位人気に支持されていた馬に注目したいところだが、5番人気から9番人気だった馬も軽視は禁物だろう。〔表4〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-2-1-9 | 14.3% | 28.6% | 35.7% |
2番人気 | 1-2-1-10 | 7.1% | 21.4% | 28.6% |
3番人気 | 0-2-4-11 | 0% | 11.8% | 35.3% |
4番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
5番人気 | 2-0-0-9 | 18.2% | 18.2% | 18.2% |
6番人気〜9番人気 | 2-4-1-38 | 4.4% | 13.3% | 15.6% |
10番人気以下 | 1-0-1-49 | 2.0% | 2.0% | 3.9% |
前走が海外のレース | 2-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
2017年以降の優勝馬4頭はいずれも単勝6番人気以下で、通算出走数は20戦以下だった。近年は伏兵馬の優勝が続いているが、いずれもキャリアがそれほど多くない馬であったことは覚えておきたい。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 単勝人気 | 通算出走数 |
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2017年 | トーキングドラム | 7番人気 | 20戦 |
2018年 | ダイアナヘイロー | 7番人気 | 18戦 |
2019年 | スマートオーディン | 11番人気 | 11戦 |
2020年 | ベストアクター | 6番人気 | 11戦 |
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