今週の注目レース

阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

阪神競馬場 1600メートル(芝・外)馬齢 (牝) 2歳オープン

出走馬情報

注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。

ソダシ

牝2歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:クロフネ
  • 母:ブチコ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

あまりに速い上がりでの決着になった場合がどうかだが、前走では上がり3ハロン33秒台(推定)の脚を使っており、過度の心配は無用だろう。むしろ、初めての長距離輸送、初めての長い直線など課題の多かった前走と違い、今回は死角と思われる部分が少ない印象だ。

日本競馬史に名を刻む白毛の母系から出現したアイドルホース。スタートの祖母シラユキヒメ自身は未勝利だったが、地方交流重賞を3勝したユキチャンや、ダートで4勝と活躍した本馬の母ブチコなどを送り出した。今回のライバル・メイケイエールもこの母系の出身で、血統の優秀さを証明した形になっている。父はジャパンカップダートを圧勝し、種牡馬としてもダートの活躍馬を多く送り出しているクロフネ。この血統から当初は本馬の芝での活躍に対して懐疑的な声があり、重賞初制覇となった札幌2歳Sもタフな洋芝で、持久力の生きる展開が大きかったという評価もされた。それだけに、瞬発力勝負を制した前走のアルテミスSの価値は高く、2歳女王の座に大きく前進したと捉えていいだろう。

メイケイエール

牝2歳

調教師:武英智(栗東)

  • 父:ミッキーアイル
  • 母:シロインジャー
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

“折り合い”が最大にして唯一のポイントで、舞台はごまかしが利かない阪神・外回りのマイル戦。これまで以上に厳しい印象だが、かつてはスプリンターのアストンマーチャンも2006年の本レースで2着に入っている。GⅠの速い流れなら我慢できるかもしれない。

メイクデビュー小倉(芝1200メートル)を5馬身差で楽勝すると、中1週の日程で小倉2歳Sに参戦。本来、スプリント戦は潜在スピードの高さを競うものになりやすく、序盤から手綱を引っ張るようなシーンはなかなか見られないのだが、本馬は序盤から全力で走ってしまうタイプのようで、手綱を取った武豊騎手が必死に抑えていた。そんな状況でも直線だけであっさりと突き抜け、2着モントライゼに0秒2差の完勝。そのモントライゼが次走の京王杯2歳Sを制しており、本馬の能力の高さは言わずもがなだろう。前走のファンタジーSも序盤は完全に力んでいたが、結果的には1分20秒1の2歳コースレコードで重賞連勝を果たした。今回も、持っている資質の高さを生かせるかどうかがポイントだ。

サトノレイナス

牝2歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:バラダセール
  • 母の父:Not For Sale
ここに注目!

レース間隔をしっかりと取り、リフレッシュされていたはずの前走でも落ち着きが足りなかった。出遅れを克服した前走を強いと見るか、出遅れたからこそ我慢が利いたと見るかで評価も変わってくる。返し馬までの過程を最もチェックしたい一頭だ。

全兄は同じ国枝栄厩舎の所属馬で、今年の弥生賞を勝ったサトノフラッグ。本馬はディープインパクト産駒の牝馬ながら470キログラム台の馬格があり、良血馬らしい垢抜けた雰囲気も持っている。まだまだ幼さを感じさせたメイクデビュー東京(芝1600メートル、1着)と違い、約4か月の休養を経て登場した前走の1勝クラス・サフラン賞(中山・芝1600メートル)は早い段階からテンションが上がり、スタートで出遅れた。この部分が今後の課題だろうが、それでもC.ルメール騎手が慌てず騒がずの好騎乗で導き、大外を回る豪快な競馬で突き抜けた。持っている資質の高さは相当なものがあり、兄の果たせていないGⅠ制覇を妹があっさりと成し遂げるかもしれない。

ポールネイロン

牝2歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:イングランドローズ
  • 母の父:Dansili
ここに注目!

スピードを生かし切る形で連勝。今回の一戦でもスタイルを大きく変える可能性は低いだろう。しかし、舞台はゴール前に急坂が待ち構える阪神・芝の外回りコース。同型馬との競り合いを極力避けてのマイペースが望ましいだろう。枠順の影響も受けそうなタイプだ。

父は三冠馬のオルフェーヴルで、代表産駒のラッキーライラックを見てもわかるように適性は中距離。母の父ダンシリはデインヒル産駒でそれなりのスピードを持っているが、凱旋門賞馬のレイルリンクや日本で種牡馬として活躍しているハービンジャーなど、こちらも活躍馬の多くは中・長距離型だ。1分21秒5の好時計をマークし、2着に8馬身差を付けたメイクデビュー中京(1着)に続き、開催最終週に行われた2戦目のオープン特別・ききょうS(共に中京・芝1400メートル)では、1分21秒1の2歳コースレコード(当時)で連勝を飾った。本馬のスピードの源がどこかの判別は難しいが、単純な能力の高さが表れたパフォーマンスであるのなら、初の1600メートルにも対応可能だろう。

インフィナイト

牝2歳

調教師:音無秀孝(栗東)

  • 父:モーリス
  • 母:モルガナイト
  • 母の父:アグネスデジタル
ここに注目!

牝馬らしからぬ馬格を誇り、フットワークも実に力強い。デビュー戦に続き、前走も不良馬場でのレースだったが、まるで苦にする様子はなかった。一方で良馬場への適性は未知数。速い時計での決着になった時に対応できるのかが鍵になる。

今年の2歳が初年度となるモーリスの産駒。半兄は2017年東京新聞杯を勝ったブラックスピネル(父タニノギムレット)、近親にはマリアライト、クリソベリルなどの名がある。大舞台での強さに定評のある母系と言えるだろう。1番人気の支持を受けたメイクデビュー新潟(芝1600メートル)を2馬身1/2差で完勝し、前走のサウジアラビアロイヤルCでは2着を確保。勝ったステラヴェローチェの瞬発力と馬場適性(不良)の高さの前に屈した形ではあるが、このレースで5着だったキングストンボーイが先々週の1勝クラス・ベゴニア賞で2勝目をマークするなど、東京開催の重賞らしいレベルの高さが感じられた。今回は牝馬限定のレース。力の違いを示しても不思議はない。

オパールムーン

牝2歳

調教師:昆貢(栗東)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:コパノマルコリーニ
  • 母の父:マヤノトップガン
ここに注目!

約3か月ぶりだった前走の馬体重12キログラム増は素直に好印象。当日輸送をクリアしたことも大きいが、テンションに課題があるタイプで、レース運びも行けなかったのではなく、“行かなかった”形。休み明け2走目をプラスと判断するかどうかがポイントになりそうだ。

半兄は10歳まで元気に走り続けたサイモンラムセス。持久力で勝負するブラックタイドから瞬発力もあるヴィクトワールピサへと父が替わったことで、本馬は少しタイプの違う印象だ。クビ差勝ちだったメイクデビュー札幌(芝1500メートル)からリフレッシュ休養を経て、前走のファンタジーSに出走。先に抜け出したメイケイエール(1着)を捕まえるまではいかなかったが、マークした上がり3ハロンタイムはメイケイエールのそれより1秒0も速い33秒5(推定)。出走馬中唯一の33秒台が残したイメージは強烈で、ラスト1ハロンの伸びはかなり目立っていた。胴の詰まった体型から距離延長がプラスかどうかは未知数だが、外回りコースのほうが末脚を生かせるはずだ。

ユーバーレーベン

牝2歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:マイネテレジア
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

折り合いに集中するあまり、3コーナーでほぼ最後方までポジションを下げた前走のアルテミスS(9着)は度外視できる1戦。しかし、良馬場のマイル戦にメドを立てられなかったのは痛いところ。瞬発力勝負への対応が鍵だろう。増加傾向の馬体重は成長分と考えていい。

父ゴールドシップだけでなく、母系にはロージズインメイ、ブライアンズタイムと、タフな馬場を好み、持久力勝負に強い種牡馬の名が並ぶ。不良馬場だったメイクデビュー東京(芝1800メートル、1着)で見せたパフォーマンスには馬場適性の高さが、出遅れを克服して2歳コースレコード決着の2着に入った前々走の札幌2歳Sには、この血統らしい心肺能力の高さが感じられた。母マイネテレジアは3戦1勝のキャリアで引退したが、祖母はフラワーC勝ちなど重賞路線で活躍したマイネヌーヴェル。母系の優秀さもその後押しをしていると考えてよさそうだ。チグハグな競馬になった前走のアルテミスS(9着)では結果を出せなかったが、スムーズな形なら巻き返す能力を持っている。

リンゴアメ

牝2歳

調教師:菊川正達(美浦)

  • 父:マツリダゴッホ
  • 母:マイネデセール
  • 母の父:マイネルラヴ
ここに注目!

世代最初の重賞ウイナーだが、その舞台は小回りの芝1200メートル。今回とはまるで条件が違うだけでなく、滞在競馬という点も小柄な本馬にはプラスに働いたのかもしれない。タフな阪神・外回りのマイル戦に対する適性がどこまであるかだろう。

父は有馬記念を勝ったマツリダゴッホだが、母の父はシーキングザパールやタイキシャトルを下してスプリンターズSを勝ったマイネルラヴ。本馬のスピードの根源はここだろう。デビュー戦の馬体重が412キログラム。8キログラム増だった2戦目の函館2歳Sでも420キログラムと牝馬らしい小柄な馬体だが、持っているスピードと競り合ってからの勝負根性は確かなものがある。その函館2歳Sは10番人気の低評価だったが、直線での追い比べをクビ差制して優勝。しかし、約3か月半ぶりだった前走の京王杯2歳S(12着)では、じっくりと脚をためる形で運んだものの、直線で伸び切れなかった。距離に課題があったのだとすれば、マイル戦の今回はひと工夫が必要なのかもしれない。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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