注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
近年の優勝馬を振り返ると、2019年のコントレイルが無敗のクラシック三冠を成し遂げ、2011年のディープブリランテ、2017年のワグネリアンが日本ダービーを制覇、2013年のイスラボニータは皐月賞馬に輝いている。数々のスターホースを輩出するこの一戦には、どのようなレース傾向があるのか、過去10年のデータを分析する。
過去10年の出走馬の前走の着順別成績をまとめると、3着以内馬30頭中25頭は前走で1着だった。前走1着組は好走率も最も高くなっている。なお、前走で3着以下に敗れていた馬は連対がなく、4着以下だった馬に限れば3着以内に入ってすらいない。〔表1〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 9-8-8-58 | 10.8% | 20.5% | 30.1% |
2着 | 1-2-1-11 | 6.7% | 20.0% | 26.7% |
3着 | 0-0-1-6 | 0% | 0% | 14.3% |
4着以下 | 0-0-0-21 | 0% | 0% | 0% |
次に、前走1着馬について、前走の2着馬とのタイム差別に成績をまとめると、「0秒1から0秒2」、「0秒3から0秒5」の2組が連対率と3着内率で上位となっている。前走を勝利していた馬の中でも、ある程度の着差をつけて勝っていた馬の方が信頼できるようだ。ただし、前走が地方競馬のレースだった馬を除いて、タイム差が「0秒6以上」だった馬で3着以内に入ったのは1頭だけ。タイム差が大きければ大きいほど成績が良くなるわけではないようだ。〔表2〕
2着馬とのタイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
タイム差なし | 1-0-2-19 | 4.5% | 4.5% | 13.6% |
0秒1〜0秒2 | 3-6-3-19 | 9.7% | 29.0% | 38.7% |
0秒3〜0秒5 | 4-1-3-9 | 23.5% | 29.4% | 47.1% |
0秒6以上 | 1-0-0-11 | 8.3% | 8.3% | 8.3% |
前走が地方競馬で1着 | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
過去10年の出走馬について、デビュー戦の単勝人気別に成績をまとめると、3着以内馬30頭中23頭はデビュー戦で2番人気以内だった。3着内率でもデビュー戦「1番人気」と「2番人気」が上位となっている。デビュー当時から評価の高かった馬に注目すべきだろう。〔表3〕
デビュー戦の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-7-3-20 | 11.8% | 32.4% | 41.2% |
2番人気 | 4-2-3-18 | 14.8% | 22.2% | 33.3% |
3番人気 | 0-0-2-13 | 0% | 0% | 13.3% |
4番人気 | 0-0-1-12 | 0% | 0% | 7.7% |
5番人気 | 2-0-0-6 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
6番人気〜9番人気 | 0-0-1-16 | 0% | 0% | 5.9% |
10番人気以下 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
地方競馬デビュー | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
過去10年の枠番別成績を調べると、1枠が5勝を挙げており、3着内率でも66.7%と非常に高い数値をマークしている。残る5勝のうち4勝は6枠から8枠の馬によるものとなっており、7枠と8枠からは2着馬が計6頭出ている。1枠に入った馬の活躍ぶりは特筆ものだが、外寄りの枠に入った馬の成績も上々といえるだろう。〔表4〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 5-0-3-4 | 41.7% | 41.7% | 66.7% |
2枠 | 0-2-0-13 | 0% | 13.3% | 13.3% |
3枠 | 1-0-3-11 | 6.7% | 6.7% | 26.7% |
4枠 | 0-0-0-16 | 0% | 0% | 0% |
5枠 | 0-2-1-13 | 0% | 12.5% | 18.8% |
6枠 | 2-0-2-13 | 11.8% | 11.8% | 23.5% |
7枠 | 1-2-1-14 | 5.6% | 16.7% | 22.2% |
8枠 | 1-4-0-12 | 5.9% | 29.4% | 29.4% |
2017年以降の過去3年の優勝馬3頭の共通点を調べると、3頭は「前走が9月に行われた芝1800メートル戦で1着」という点で共通していた。今年もこのようなローテーションで臨む馬に注目するのも面白いだろう。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 前走の月・距離・着順 |
---|---|---|
2017年 | ワグネリアン | 9月・芝1800m・1着 |
2018年 | ニシノデイジー | 9月・芝1800m・1着 |
2019年 | コントレイル | 9月・芝1800m・1着 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。