注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
マイルチャンピオンシップは僅差の決着になることが多いGⅠで、過去10年の1着馬と2着馬の着差は「クビ、クビ、クビ、1馬身、ハナ、1馬身1/4、アタマ、ハナ、アタマ、1馬身1/2」となっている。今年は京都競馬場整備工事のため阪神競馬場で開催されるが、過去10年のデータをひも解いてみた。
かつては1番人気の信頼度が割と高いGⅠだったのだが、現在は1番人気が10連敗中。連対率や3着内率は悪くないのだが、不思議と勝てていない。1番人気から5番人気の3着内率はほぼ横並びで、6番人気以下の馬は好走率こそ低いものの、2勝を含む3着以内が8回あり軽視はできないだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 0-3-2-5 | 0% | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 1-3-0-6 | 10.0% | 40.0% | 40.0% |
3番人気 | 2-3-0-5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 3-0-2-5 | 30.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 2-1-5-120 | 1.6% | 2.3% | 6.3% |
過去10年の所属別成績では、関東馬の2勝に対して関西馬が8勝と、勝利数では大きな差がついている。音無厩舎(2010年2着ダノンヨーヨー、2016年1着ミッキーアイル、2019年1着インディチャンプ)、西園厩舎(2010年1着エーシンフォワード、2012年1着サダムパテック)、藤原厩舎(2013年1着トーセンラー、2014年と2015年に2着のフィエロ)、池江厩舎(2017年1着、2018年2着、2019年3着のペルシアンナイト、2018年3着アルアイン)など、ここ10年で複数の3着以内馬を送り込んでいる厩舎もある。〔表2〕
所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
関東(美浦) | 2-2-2-48 | 3.7% | 7.4% | 11.1% |
関西(栗東) | 8-8-7-98 | 6.6% | 13.2% | 19.0% |
海外 | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
過去10年の年齢別成績では、優勝馬は全て3歳から6歳で、その中でも4歳馬の好走率が高い。中でも5番人気以内だった4歳馬は〔4・6・3・8〕(3着内率61.9%)という好成績を残している。馬券の軸には人気の4歳馬を据えたい。対して、7歳以上の馬は延べ17頭が出走して3着以内がない。傾向的には馬券対象から外すことができそうだ。〔表3〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 2-0-2-32 | 5.6% | 5.6% | 11.1% |
4歳 | 4-6-3-23 | 11.1% | 27.8% | 36.1% |
5歳 | 3-3-4-50 | 5.0% | 10.0% | 16.7% |
6歳 | 1-1-1-26 | 3.4% | 6.9% | 10.3% |
7歳以上 | 0-0-0-17 | 0% | 0% | 0% |
前走欄で重視したいのは単勝人気。過去10年の優勝馬のうち9頭は前走で3番人気以内に支持されていた。2017年に4番人気で勝利したペルシアンナイトや、2014年に8番人気で優勝したダノンシャークは、前走で5着以下に敗れていたが、単勝人気は2番人気以内だった。前走での単勝人気は予想する上で重要な要素になりそうだ。〔表4〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-2-3-19 | 14.3% | 21.4% | 32.1% |
2番人気 | 3-2-2-16 | 13.0% | 21.7% | 30.4% |
3番人気 | 2-2-0-17 | 9.5% | 19.0% | 19.0% |
4番人気 | 0-3-1-18 | 0% | 13.6% | 18.2% |
5番人気 | 0-0-2-9 | 0% | 0% | 18.2% |
6番人気〜9番人気 | 0-1-1-30 | 0% | 3.1% | 6.3% |
10番人気以下 | 1-0-0-37 | 2.6% | 2.6% | 2.6% |
勝ち馬が出ている前走は、富士S(3勝)、毎日王冠(2勝)、スワンS、天皇賞(秋)、スプリンターズS、安田記念、京都大賞典(各1勝)。3着以内に入った頭数が多いのは富士SやスワンSといった前哨戦だ。また、前走がスプリンターズSもしくは天皇賞(秋)で0秒5差以内の僅差負けだった馬は、過去10年で該当馬が8頭と少ないものの、〔1・2・2・3〕(3着内率62.5%)と好走する割合が高い。今年の出走馬に該当するが馬がいたら注目しておきたい。〔表5〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
富士S | 3-4-1-43 | 5.9% | 13.7% | 15.7% |
毎日王冠 | 2-0-2-18 | 9.1% | 9.1% | 18.2% |
スワンS | 1-4-1-33 | 2.6% | 12.8% | 15.4% |
天皇賞(秋) | 1-1-2-12 | 6.3% | 12.5% | 25.0% |
スプリンターズS | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% | 25.0% |
安田記念 | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
京都大賞典 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
府中牝馬S | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
秋華賞 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
京成杯AH | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
その他のレース | 0-0-3-11 | 0% | 0% | 21.4% |
過去5年の優勝馬に共通していたのは、同年のGⅡで1着、もしくはGⅠで2着以内の実績があった点である。1番人気が10連敗中とはいえ、秋のマイル王に輝くためには、ある程度の実績が必要なようである。〔表6〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 同年の主なGⅠ・GⅡ実績 |
---|---|---|
2015年 | モーリス | 安田記念1着 |
2016年 | ミッキーアイル | スプリンターズS2着ほか |
2017年 | ペルシアンナイト | 皐月賞2着 |
2018年 | ステルヴィオ | スプリングS1着 |
2019年 | インディチャンプ | 安田記念1着 |
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