注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
チャンピオンズCの前哨戦に位置付けられている武蔵野S。大波乱の決着があれば、本命寄りの決着もあり、逃げ・先行馬の押し切りがあれば、差し・追い込み馬の台頭もありと、なかなか狙い馬を絞りづらい重賞である。今回も過去10年のデータから、レース傾向を探ってみよう。
前走別成績を調べてみると、前走オープン特別で3着以内に入っていた馬の3着内率が33.3%と高い。トップクラスのダートホースが同時期のJBC競走を使われる中、武蔵野Sではオープン特別で好走してきた勢いのある馬の活躍が目立っている。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ・JpnⅠ | 0-1-0-8 | 0% | 11.1% | 11.1% |
GⅡ | 0-0-0-0 | - | - | - |
GⅢ | 1-2-2-25 | 3.3% | 10.0% | 16.7% |
オープン特別3着以内 | 4-4-2-20 | 13.3% | 26.7% | 33.3% |
オープン特別4着以下 | 1-0-2-39 | 2.4% | 2.4% | 7.1% |
3勝クラス(旧1600万下) | 1-0-2-16 | 5.3% | 5.3% | 15.8% |
地方競馬のレース | 3-3-2-20 | 10.7% | 21.4% | 28.6% |
東京競馬場のダートコースは、直線がJRAのダートコースの中では最も長い上、坂もある。武蔵野Sではそんな東京コースへの適性が求められているのか、同年に東京コースで優勝経験があった馬の方が好走率が高くなっている。9番人気で優勝した2019年のワンダーリーデルは同年6月のアハルテケSを優勝、1番人気の期待に応えた2018年の優勝馬サンライズノヴァは、同年6月のアハルテケSと10月のグリーンチャンネルCを連勝と、ここ2年の優勝馬はそれぞれ同年に東京競馬場で優勝経験があった。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-6-6-48 | 11.8% | 20.6% | 29.4% |
なし | 2-4-4-80 | 2.2% | 6.7% | 11.1% |
過去10年の前走の単勝人気別成績を見ると、前走で3番人気以内に支持されていた馬が好成績を収めている。たとえ前走で凡走していても、上位人気に支持されていた馬は巻き返しのチャンスがあるようで、昨年の2着馬タイムフライヤーは、前走のシリウスSで1番人気に支持されながら6着に敗れていたが、武蔵野Sで巻き返しに成功した。一方、前走で好走していたとしても、単勝人気が低かった場合は好走率が低い。昨年3番人気で5着に敗れたサンライズノヴァは、前走のマイルチャンピオンシップ南部杯が4番人気の評価を覆しての優勝だった。前走の単勝人気は要チェックだ。〔表3〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番人気以内 | 10-7-4-49 | 14.3% | 24.3% | 30.0% |
4番人気以下 | 0-3-6-79 | 0% | 3.4% | 10.2% |
一般的にダート戦は大型馬の好走率が高い。武蔵野Sにもこの法則が当てはまるようで、過去10年で馬体重500キログラム以上の馬が6勝を挙げており、500キログラム以上と500キログラム未満では3着内率も大きく違う。迷ったら大型馬を狙ってみるのも手である。〔表4〕
(姫園 淀仁)
馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
479kg以下 | 2-2-0-30 | 5.9% | 11.8% | 11.8% |
480kg〜499kg | 2-2-2-39 | 4.4% | 8.9% | 13.3% |
500kg〜519kg | 2-3-4-30 | 5.1% | 12.8% | 23.1% |
520kg以上 | 4-3-4-29 | 10.0% | 17.5% | 27.5% |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。