今週の注目レース

秋華賞(GⅠ)

京都競馬場 2000メートル(芝)馬齢 (牝) 3歳オープン

出走馬情報

注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。

デアリングタクト

牝3歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:デアリングバード
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

気持ちが入りやすく、久々を苦にしないタイプであることは戦績が示す通り。しかし、それでも約5か月ぶりという項目は注視すべきポイントで、仮に歩様に硬さを感じるようであれば、それは減点材料となるだろう。当日の気配は必ずチェックしたい。

4戦4勝で牝馬二冠を達成。牝馬二冠達成は史上15頭目だが、無敗での達成は1957年ミスオンワード以来で、実に63年ぶりだった。もちろん、当時は秋華賞が存在せず、牝馬三冠と呼ぶべきものはなかった(エリザベス女王杯の前身であるビクトリアカップの創設は1970年)のだから、仮に無敗の牝馬三冠馬が誕生となれば、JRA史上初の大偉業ということになる。舞台となる京都・内回りの芝2000メートルは、JRAのGⅠが行われるコースの中ではトリッキーとされるが、桜花賞ではタフな馬場状態(重)を苦にしないパワーを示し、オークスではレースの上がり3ハロンタイム34秒2という究極の瞬発力勝負を制した万能型。どのような状況であっても、結果を出してくれるはずだ。

ウインマリリン

牝3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:コスモチェーロ
  • 母の父:Fusaichi Pegasus
ここに注目!

約5か月という休養明け。本来は馬体だけでなく、気持ちのほうもしっかりと仕上げておきたいところだろうが、今回は初の長距離輸送も控えている。どこまで馬を追い込んでいいのかの判断は難しいところだろう。当日のパドックを最も注目したい一頭だ。

前々走のフローラSで初の重賞タイトルを獲得し、前走のオークスではウインマイティー(3着)との追い比べを制して2着を死守。1番人気のデアリングタクトの差し切りこそ許したが、初のGⅠ挑戦で十分過ぎるほどの結果を残した。好位をスッと取れる競馬センスが武器で、大崩れする雰囲気のない馬。それだけに、キャリアで唯一3着以内を外した今年1月の1勝クラス・若竹賞(中山・芝1800メートル)には注目が必要だろう。父スクリーンヒーロー、母の父フサイチペガサスの血統背景なら多少の重馬場は克服できそうなイメージだが、5着に敗退した若竹賞の敗因の一つが馬場状態(稍重)だった。脚質的に京都・芝の内回りコースはプラス材料となるはずだが、天候と馬場状態には注意を払いたい。

リアアメリア

牝3歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:リアアントニア
  • 母の父:Rockport Harbor
ここに注目!

14キログラム増だった前走時の馬体重は、そのまま成長分と考えてよさそうだ。折り合いを重視し、後方一気の競馬を余儀なくされていた以前のレースぶりと一変したレース運びも、今回の舞台を考えたときに大きなプラス要素になるだろう。

持っている資質の高さからすれば、2つ目の重賞制覇となった前走のローズSは驚くべき結果ではなかったのかもしれない。だが、折り合い面に課題があり、レースだけでなく、調教段階でもかなり苦心した乗り方をされていた馬。スタートから積極的にポジションを取りに行き、2番手から抜け出してくるようなレース運びはイメージしづらかったのではないだろうか。最も重要なことは、2番手抜け出しのレース運びを可能にした精神面の成長と充実。京都・芝の内回りコースで行われる秋華賞に向け、その適性を示したと言えるはずだ。約11か月ぶりの勝利を飾り、復活を果たした才媛が最後の一冠でどのようなパフォーマンスを見せるのか、興味は尽きない。

マルターズディオサ

牝3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:キズナ
  • 母:トップオブドーラ
  • 母の父:Grand Slam
ここに注目!

前走時の12キログラムの馬体増は、成長分というよりも戻ったものだろう。そのレーススタイルから、京都・芝の内回りコースで行われる秋華賞に対する適性が高いのではと評価されていた馬。折り合い面に進境を見せていることも考慮すれば、チャンスは大きいはずだ。

今年の初戦となったチューリップ賞(1着)までは非常にいい雰囲気に見えたが、重馬場がこたえたにしても止まり過ぎに見えた桜花賞が8着。オークスではレース前からイレ込みがきつく、距離適性をはかる段階までいかない感じで10着と敗れた。この2戦に関しては、状態が整っていなかったと判断すべきだろう。約3か月半の放牧で立て直し、追い切りの動きに以前の活気と力強さが戻っていた前走の紫苑Sでは、積極的に位置を取りに行き、2番手をキープ。それでも折り合いに苦労することなく、4コーナー先頭で抜け出しという万全の内容で2つ目の重賞タイトルを獲得した。この状態をしっかりと維持できていれば、本番でも大いに注目すべき存在となりそうだ。

ウインマイティー

牝3歳

調教師:五十嵐忠男(栗東)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:アオバコリン
  • 母の父:カコイーシーズ
ここに注目!

稍重馬場の忘れな草賞(リステッド。阪神・芝2000メートル)を差し切り勝ち。父ゴールドシップの血統背景からも、仮に雨が降った場合でも評価は下げなくていい。ポジショニングが重要なコース形態だけに、しっかりとスタートを決められるかどうかが重要になる。

キャリアの少ない有力馬が多い今回の1戦にあって、未勝利クラス突破に3戦を要し、すでに8戦を消化している本馬には“叩き上げ”のイメージがある。オークス3着など世代トップクラスの能力を持っているにもかかわらず、1番人気の支持を受けたのは1度だけ。メンバー的に実績上位のはずだった前走の紫苑Sも2番人気で、人気になりにくいタイプと言えるのかもしれない。スタートの出遅れで位置が取れず、それまでのスタイルとは大きく違う直線一気の競馬になった前走は6着も、勝ったマルターズディオサとのタイム差は0秒3。能力の高さだけでなく、新たな面を見せたと考えれば、それなりに収穫のあった1戦と言えるだろう。本番での巻き返しが期待される。

パラスアテナ

牝3歳

調教師:高柳瑞樹(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ステラリード
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

放牧明けだった前走は見た目こそ仕上がっていたものの、少し硬さが残っている印象で、絶好調と言える状況ではなかった。実戦を1度使った上積みは大きいはずだ。瞬発力の生きる軽い芝のほうが得意なタイプだけに、初めて走る京都の芝とは相性が良さそうだ。

1番人気の支持を受けた前々走のラジオNIKKEI賞は4着だったが、当時は稍重の発表以上にタフな馬場コンディション。切れる脚を使える本馬には合わなかったようだ。前走の紫苑Sは、クラシックを戦ってきた同期のライバルたちが出走してきたうえに、開催初日の馬場での大外枠(8枠18番)が敬遠されたのか、単勝10番人気と意外なほどの低評価だった。しかしながら、レースではこの馬らしい競馬センスの高さを見せて2着を確保。世代上位の相手でも互角の走りができることを証明してみせた。相手が強化される今回でも能力は通用するはずだ。福島コースで勝ち星があり、京都・芝の内回りコースに対応できる自在性を兼備しているのも強みと言えるだろう。

マジックキャッスル

牝3歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:ソーマジック
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

オークス以来約3か月半ぶりの実戦となった前走は増減なしの馬体重で、春と変わらない細身のシルエットだった。長距離輸送もある今回、大幅に馬体を増やす必要はないだろうが、目に見えるほどの体重減は割り引き材料となるかもしれない。

2008年の桜花賞で3着に好走したソーマジックを母に持つディープインパクト産駒。ステイゴールド産駒の半兄ソーグリッタリングは堅実な反面勝ち味に遅いタイプだが、父が替わった妹にも似たような側面があり、7戦のキャリアを消化した現在でも勝ち星はデビュー戦の1つのみ。しかし、本馬も常に安定したパフォーマンスを見せるタイプで、大きく崩れたのは重馬場だった桜花賞の12着だけ。進路取りに苦労する場面があった前々走のオークスでも勝ち馬デアリングタクトから0秒4差の5着。前走の紫苑Sでも同マルターズディオサから0秒2差の4着まで追い上げていた。良馬場で走ることができれば、牝馬三冠最後の一戦でも存在感を示すことが可能なはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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