注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
サマー2000シリーズの最終戦に指定されており、過去10年の優勝馬では2010年ナリタクリスタル、2012年トランスワープ、2014年マーティンボロ、2017年タツゴウゲキの4頭が同シリーズのチャンピオンに輝いている。果たして今年はどのような結果になるのだろうか。過去10年の結果から傾向を探ってみたい。
サマー2000シリーズの最終戦だけあって、過去10年の3着以内馬延べ30頭中18頭は前走でも同シリーズの対象レース(小倉記念、函館記念、七夕賞)に出走していた。なかでも小倉記念からの臨戦馬が3着内率32.4%と好調で、優勝数でもトップに立っている。ただし、昨年は前走がGⅠの天皇賞(春)だったユーキャンスマイルが優勝し、3勝クラスを勝ったばかりのジナンボーが2着に入った。2018年は前走でGⅠに出走していたブラストワンピース(日本ダービー)とメートルダール(大阪杯)のワンツーとなっており、近年はサマー2000シリーズ以外のレースから臨んだ馬が活躍していることも覚えておきたい。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 2-1-0-11 | 14.3% | 21.4% | 21.4% |
GⅡ | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
小倉記念 | 5-2-5-25 | 13.5% | 18.9% | 32.4% |
函館記念 | 1-1-0-12 | 7.1% | 14.3% | 14.3% |
七夕賞 | 0-3-1-17 | 0% | 14.3% | 19.0% |
上記以外のGⅢ | 1-1-2-27 | 3.2% | 6.5% | 12.9% |
オープン特別 | 0-0-2-13 | 0% | 0% | 13.3% |
3勝クラス | 1-2-0-22 | 4.0% | 12.0% | 12.0% |
2勝クラス | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬について重賞勝利経験の有無別に成績を見ていくと、優勝馬延べ10頭中8頭は重賞勝利経験がある馬だった。2着馬と3着馬は勝利経験なしの馬の方が多いものの、勝率をはじめ好走率は低調な数値となっている。〔表2〕
勝利経験 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-4-4-49 | 12.3% | 18.5% | 24.6% |
なし | 2-6-6-83 | 2.1% | 8.2% | 14.4% |
なお、重賞勝利経験があった馬について単勝人気別の成績を調べると、6番人気から9番人気の馬が8頭も3着以内に入っている。3着内率は53.3%と1番人気(50.0%)を上回っており、重賞勝ちの実績を持つ馬は人気が高くなくても軽視禁物と言えそうだ。〔表3〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-1-0-3 | 33.3% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
3番人気 | 0-0-2-3 | 0% | 0% | 40.0% |
4番人気 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
5番人気 | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
6〜9番人気 | 3-3-2-7 | 20.0% | 40.0% | 53.3% |
10番人気以下 | 1-0-0-27 | 3.6% | 3.6% | 3.6% |
新潟記念はハンデキャップ競走のため実績馬は負担重量が重く設定される。そこで、過去10年の負担重量別成績を調べてみると、重賞勝ち馬の活躍が目立つレースではあるものの、57.5キログラム以上は3着内率12.5%と苦戦気味。対して、55キログラムから57キログラムの3着内率が比較的高く、3着以内馬延べ30頭中21頭がこの範囲内に収まっている。ちなみに、52キログラムで優勝した2013年のコスモネモシンは牝馬、54キログラムで勝利を収めた2018年のブラストワンピースは3歳馬で、ともに重賞勝利経験がある馬だった。負担重量が54キログラム以下、なおかつ重賞勝利経験のない馬は1着候補からは外した方がいいかもしれない。〔表4〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
52kg以下 | 1-0-0-14 | 6.7% | 6.7% | 6.7% |
53kg | 0-0-2-19 | 0% | 0% | 9.5% |
54kg | 1-2-1-28 | 3.1% | 9.4% | 12.5% |
55kg | 3-0-3-21 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
56kg、56.5kg | 3-5-0-21 | 10.3% | 27.6% | 27.6% |
57kg | 1-2-4-15 | 4.5% | 13.6% | 31.8% |
57.5kg以上 | 1-1-0-14 | 6.3% | 12.5% | 12.5% |
過去10年の優勝馬延べ10頭のうち、牝馬は2013年のコスモネモシンのみだった。また、2014年以降は6歳以上の馬も〔1・0・3・53〕と1勝にとどまっており、近年の傾向を重視するならば牝馬と6歳以上の馬は評価を下げたいところだ。なお、過去6年の優勝馬のうち、5歳以下だった5頭はいずれも過去2走以内に1着があったことから、5歳以下の馬の中でも近2走で勝利経験のある馬に注目するといいだろう。〔表5〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 性齢 | 過去2走での最高着順 |
---|---|---|---|
2014年 | マーティンボロ | 牡5 | 2走前:1着(中日新聞杯) |
2015年 | パッションダンス | 牡7 | 前走:6着(小倉記念) |
2016年 | アデイインザライフ | 牡5 | 前走:1着(常総S) |
2017年 | タツゴウゲキ | 牡5 | 前走:1着(小倉記念) |
2018年 | ブラストワンピース | 牡3 | 2走前:1着(毎日杯) |
2019年 | ユーキャンスマイル | 牡4 | 2走前:1着(ダイヤモンドS) |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。