注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
北海道シリーズで最も格付けの高いレースである札幌記念は、秋のGⅠ戦線に向けて実績馬が始動戦として出走してくるだけでなく、凱旋門賞など海外遠征を控えた馬が出走してくることも多い。その傾向を、函館競馬場で行われた2013年を含めた過去10年の結果から見ていくことにしよう。
過去10年の札幌記念で優勝した3歳馬は2014年のハープスターだけ。その他の優勝馬は4歳から6歳まで3頭ずつで、連対率と3着内率は5歳が最も高い。ちなみに札幌記念がGⅡになってから(1997年以降)、7歳以上の馬で優勝を果たしたのは2000年のダイワカーリアン(7歳)だけだ。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
4歳 | 3-1-3-27 | 8.8% | 11.8% | 20.6% |
5歳 | 3-5-4-27 | 7.7% | 20.5% | 30.8% |
6歳 | 3-1-1-24 | 10.3% | 13.8% | 17.2% |
7歳 | 0-1-1-18 | 0% | 5.0% | 10.0% |
8歳以上 | 0-2-0-13 | 0% | 13.3% | 13.3% |
過去10年の札幌記念では、単勝1倍台だった馬が3頭とも2着に敗れている。一方、2.0倍から4.9倍の馬は5勝を挙げている。その他で注目できるのは、10倍台だった馬が4勝を挙げているところ。このあたりを参考にして、予想を組み立てる手があるかもしれない。〔表2〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 0-3-0-0 | 0% | 100% | 100% |
2.0〜4.9倍 | 5-1-2-7 | 33.3% | 40.0% | 53.3% |
5.0〜9.9倍 | 1-3-4-14 | 4.5% | 18.2% | 36.4% |
10.0〜19.9倍 | 4-0-2-15 | 19.0% | 19.0% | 28.6% |
20.0〜49.9倍 | 0-2-0-33 | 0% | 5.7% | 5.7% |
50.0〜99.9倍 | 0-1-2-20 | 0% | 4.3% | 13.0% |
100倍以上 | 0-0-0-28 | 0% | 0% | 0% |
前走別に成績をまとめてみると、国内GⅠから臨んだ馬が好成績で3着内率は41.0%に達している。その中でも成績が目立つのは宝塚記念〔2・2・1・5〕と安田記念〔1・2・1・4〕から臨んできた馬。ともに3着内率は50.0%となっており、この2レースから出走してくる馬がいれば無視できない存在になりそうだ。該当馬が最も多いのは函館記念だが、函館開催の後に札幌開催が行われる現在と同じ開催日程となった1997年以降において、函館記念と札幌記念を連勝した馬は、両レースとも函館競馬場で行われた2013年のトウケイヘイローだけ。過去10年で函館記念から臨み札幌記念で2着以内に入った6頭のうち、前述のトウケイヘイローを除く5頭はいずれも函館記念で3着以下に敗れていた。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
国内GⅠ | 4-5-7-23 | 10.3% | 23.1% | 41.0% |
海外G1 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
GⅡ | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
函館記念 | 3-3-2-36 | 6.8% | 13.6% | 18.2% |
クイーンS | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
上記以外のGⅢ | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
その他のレース | 0-0-0-26 | 0% | 0% | 0% |
前項の内容にも関連するが、前走の着順別成績では、前走の着順があまり直結していないという傾向が見てとれる。前走が3着だった馬が勝率、連対率、3着内率の全てで最上位の数字となっているが、6着から9着だった馬も計5勝を挙げるなど上々の成績を残している。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 1-2-2-16 | 4.8% | 14.3% | 23.8% |
2着 | 1-1-1-12 | 6.7% | 13.3% | 20.0% |
3着 | 2-2-1-11 | 12.5% | 25.0% | 31.3% |
4着 | 0-1-0-11 | 0% | 8.3% | 8.3% |
5着 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6〜9着 | 5-2-2-32 | 12.2% | 17.1% | 22.0% |
10着以下 | 0-1-4-27 | 0% | 3.1% | 15.6% |
札幌記念は実績馬が多く出走するレース。波乱になる年もあるが、ここ3年に限ると「2走前か3走前にGⅠまたはGⅡで連対していた」という馬が優勝している。それ以前の優勝馬に関しても、その多くは近走のGⅠまたはGⅡで好走していた。〔表5〕
(浅野 靖典)
年度 | 優勝馬 | 該当レース | ||
---|---|---|---|---|
2017年 | サクラアンプルール | 3走前 | 中山記念 | 2着 |
2018年 | サングレーザー | 2走前 | 読売マイラーズC | 1着 |
2019年 | ブラストワンピース | 3走前 | 有馬記念 | 1着 |
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