注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
上半期のチャンピオンマイラー決定戦となる安田記念は東京競馬場の芝1600メートルで行われる。近年の優勝馬には世界に名をはせたリアルインパクト、ロードカナロア、ジャスタウェイ、モーリスなどがいる。この大一番には、どのようなレース傾向があるのか、過去10年のデータを分析する。
過去10年の単勝人気別成績をまとめると、3着内率では「1番人気」が60.0%でトップ、それに「3番人気」が50.0%で続いている。その一方で、「6番人気から9番人気」の馬が5勝を挙げている点にも注目したい。意外な馬が勝利をつかみ取るケースも十分想定しておいた方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
3番人気 | 0-3-2-5 | 0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
5番人気 | 0-2-1-7 | 0% | 20.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 5-2-1-32 | 12.5% | 17.5% | 20.0% |
10番人気以下 | 0-2-4-72 | 0% | 2.6% | 7.7% |
過去10年の成績を、馬番を3つごとに区切ってまとめてみると、「4番から6番」の馬が最多の4勝を挙げており、2015年以降に限れば優勝3回、2着1回、3着1回で、5年連続で3着以内に入っている。その他では、「1番から3番」は優勝こそないが2着が4回と3着が3回、「10番から12番」が3勝を含む3着以内が計7回となっている。好走馬が多く出ている馬番に注目してみるのも面白そうだ。〔表2〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜3番 | 0-4-3-23 | 0% | 13.3% | 23.3% |
4〜6番 | 4-1-1-24 | 13.3% | 16.7% | 20.0% |
7〜9番 | 0-2-1-27 | 0% | 6.7% | 10.0% |
10〜12番 | 3-1-3-23 | 10.0% | 13.3% | 23.3% |
13〜15番 | 2-1-1-23 | 7.4% | 11.1% | 14.8% |
16〜18番 | 1-1-1-18 | 4.8% | 9.5% | 14.3% |
過去10年の出走馬について前走の着順別成績をまとめると、前走5着以下に敗れていた馬で優勝したのは2017年のサトノアラジン(前走9着)のみで、優勝馬10頭中9頭は前走で4着以内だった。中でも、前走1着馬は過去10年のうち2012年を除く9回で3着以内に入っている。5着以下に敗れていた馬も3着以内に延べ9頭入っており軽視はできないが、まずは前走で上位に入っていた馬に注目したい。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 4-2-3-28 | 10.8% | 16.2% | 24.3% |
2着 | 2-2-0-26 | 6.7% | 13.3% | 13.3% |
3着 | 1-1-2-18 | 4.5% | 9.1% | 18.2% |
4着 | 2-1-1-15 | 10.5% | 15.8% | 21.1% |
5着 | 0-1-2-9 | 0% | 8.3% | 25.0% |
6〜9着 | 1-3-1-17 | 4.5% | 18.2% | 22.7% |
10着以下 | 0-0-1-25 | 0% | 0% | 3.8% |
次に、前走1着馬について前々走の着順を調べると、前々走でも1着だった馬は連対率が42.9%、3着内率は57.1%に達している。逆に、前々走で2着以下だった馬は連対がなく3着が1回あるのみ。前走1着馬のなかで、前々走も1着だった馬、つまり連勝中の馬は大いに期待できそうだ。〔表4〕
前々走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 4-2-2-6 | 28.6% | 42.9% | 57.1% |
2着以下 | 0-0-1-22 | 0% | 0% | 4.3% |
過去10年の出走馬について前走の距離別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中、半数の15頭は前走も「芝1600メートル」のレースだった。好走率では、該当馬こそ延べ11頭と少ないが「芝1800メートル」組がトップとなっている。〔表5〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1200m | 1-0-0-6 | 14.3% | 14.3% | 14.3% |
芝1400m | 3-3-1-32 | 7.7% | 15.4% | 17.9% |
芝1600m | 4-5-6-74 | 4.5% | 10.1% | 16.9% |
芝1800m | 2-1-1-7 | 18.2% | 27.3% | 36.4% |
芝2000m | 0-1-2-13 | 0% | 6.3% | 18.8% |
芝2200m以上 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
ダートのレース | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
なお、2017年以降の過去3年の出走馬延べ50頭のうち、前走が芝1600メートルだった馬は24頭、芝1600メートル以外だった馬は26頭いたが、3着内率でも3着以内馬の数でも「芝1600メートル以外」組が上回っている。ここ数年は、前走が芝1600メートル以外のレースだった馬が優勢となっている点は覚えておきたい。〔表6〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1600m | 1-2-0-21 | 4.2% | 12.5% | 12.5% |
芝1600m以外 | 2-1-3-20 | 7.7% | 11.5% | 23.1% |
2017年以降の過去3年の優勝馬は、いずれも同年に出走していたオープンクラスのレースで1番人気に支持された経験があり、かつ3番人気以下となった経験がなかった。年明け以降のレースで常に上位人気に支持されていた馬に注目してみたい。〔表7〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 該当レース |
---|---|---|
2017年 | サトノアラジン | 京王杯スプリングC1番人気 |
2018年 | モズアスコット | 阪急杯1番人気、読売マイラーズC2番人気、安土城S1番人気 |
2019年 | インディチャンプ | 東京新聞杯1番人気、読売マイラーズC2番人気 |
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