注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
2017年に誕生したサラブレッドが目指す最高峰の舞台が日本ダービー。そこに出走できるのは最大でも18頭で、出馬表に名前が記されるだけでも大変な名誉だ。全てのホースマンが夢見る「日本ダービー馬」の称号。多くの競馬ファンもまた、大きな期待をもってその行方に注目することだろう。果たして今年はどのようなレースになるのだろうか。過去10年の結果からデータを見ていくことにしよう。
過去10年の日本ダービーでは、出走取消がいた2010年と2014年(いずれも17頭立て)以外は全て18頭立てで行われた。そこで枠番別の成績をまとめてみると、1枠が4勝、2着2回と好成績を挙げている。それ以外では、複数の優勝馬が出ている枠がないだけに、1枠の勝率の高さが目立っている。また、優勝こそないものの4枠は2着と3着が3回ずつある。〔表1〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 4-2-1-13 | 20.0% | 30.0% | 35.0% |
2枠 | 1-1-2-16 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
3枠 | 1-0-0-19 | 5.0% | 5.0% | 5.0% |
4枠 | 0-3-3-13 | 0% | 15.8% | 31.6% |
5枠 | 1-1-0-18 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
6枠 | 1-2-1-16 | 5.0% | 15.0% | 20.0% |
7枠 | 1-1-2-26 | 3.3% | 6.7% | 13.3% |
8枠 | 1-0-1-27 | 3.4% | 3.4% | 6.9% |
過去10年の優勝馬のうち7頭は、単勝オッズが10倍未満だった。ただし、「2.9倍以下」の支持を集めた馬は3着内率で「3.0倍から4.9倍」と「5.0倍から6.9倍」を下回っており、それほど良い成績とは言えない。単勝人気別の成績も見てみると、1番人気と3番人気は3着内率が70.0%だが、その間の2番人気は苦戦傾向を示している点が特徴的だ。〔表2〕〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2.9倍以下 | 2-1-1-4 | 25.0% | 37.5% | 50.0% |
3.0〜4.9倍 | 2-2-3-5 | 16.7% | 33.3% | 58.3% |
5.0〜6.9倍 | 2-2-1-3 | 25.0% | 50.0% | 62.5% |
7.0〜9.9倍 | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
10.0〜19.9倍 | 1-4-2-15 | 4.5% | 22.7% | 31.8% |
20.0〜49.9倍 | 1-1-0-28 | 3.3% | 6.7% | 6.7% |
50.0〜99.9倍 | 1-0-1-29 | 3.2% | 3.2% | 6.5% |
100倍以上 | 0-0-2-57 | 0% | 0% | 3.4% |
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-1-3-3 | 30.0% | 40.0% | 70.0% |
2番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 3-3-1-3 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
4番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
5番人気 | 1-3-0-6 | 10.0% | 40.0% | 40.0% |
6〜10番人気 | 1-1-3-45 | 2.0% | 4.0% | 10.0% |
11番人気以下 | 1-0-2-75 | 1.3% | 1.3% | 3.8% |
前走別成績をまとめてみると、過去10年の3着以内馬30頭中20頭は前走が皐月賞だった。その次に多いのは京都新聞杯からの臨戦馬で、ダービーと同じ舞台で行われるトライアルの青葉賞から臨んだ馬は2着が最高。優勝馬は過去をさかのぼっても1頭も出ていない。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
皐月賞 | 8-7-5-66 | 9.3% | 17.4% | 23.3% |
京都新聞杯 | 2-1-1-22 | 7.7% | 11.5% | 15.4% |
青葉賞 | 0-2-3-20 | 0% | 8.0% | 20.0% |
プリンシパルS | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
その他のレース | 0-0-0-32 | 0% | 0% | 0% |
続いて、皐月賞から臨んだ馬について前走の単勝人気別に成績をまとめてみると、優勝馬が多いのは「3番人気から5番人気」。皐月賞で1番人気に支持されて、日本ダービーを制したのは、一昨年のワグネリアンだけとなっている。〔表5〕
前走人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-1-2-5 | 11.1% | 22.2% | 44.4% |
2番人気 | 0-4-0-5 | 0% | 44.4% | 44.4% |
3番人気 | 3-1-1-5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
4、5番人気 | 3-0-1-7 | 27.3% | 27.3% | 36.4% |
6番人気以下 | 1-1-1-44 | 2.1% | 4.3% | 6.4% |
過去10年の出走馬について、JRAの2歳重賞と3歳重賞での勝利経験を調べてみると、「2歳時も3歳時も重賞を勝利」していた馬は10頭いたが、優勝がなく2着となったのも2014年のイスラボニータだけ。3着以内が多いのは、「2歳時だけ重賞を勝利」していた馬と「3歳時だけ重賞を勝利」していた馬で、「3歳時だけ重賞を勝利」していた馬は3着以内馬の半数以上(30頭中16頭)を占めている。また、「重賞未勝利」だった馬は、昨年こそロジャーバローズが優勝、ヴェロックスが3着となっているが、3着内率は6.6%といまひとつの成績になっている。〔表6〕
勝利経験 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2歳時も3歳時も重賞を勝利 | 0-1-2-7 | 0% | 10.0% | 30.0% |
2歳時だけ重賞を勝利 | 4-2-0-21 | 14.8% | 22.2% | 22.2% |
3歳時だけ重賞を勝利 | 5-7-4-49 | 7.7% | 18.5% | 24.6% |
重賞未勝利 | 1-0-4-71 | 1.3% | 1.3% | 6.6% |
過去10年の日本ダービーの優勝馬は、全て「前走と同じ騎手」で臨んだ馬だった。さらに歴史をさかのぼって「前走と違う騎手」で臨んだ馬は不振で、乗り替わりで勝利を収めたのは1985年のシリウスシンボリが最後となっている。〔表7〕
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
前走と同じ騎手 | 10-8-7-93 | 8.5% | 15.3% | 21.2% |
前走と違う騎手 | 0-2-3-55 | 0% | 3.3% | 8.3% |
2015年以降の日本ダービーでは、3走前に「単勝1番人気で1着」だった馬が優勝を飾っている。ちなみに、昨年の出走馬の中でこの条件に該当していたのは4頭だけだった。〔表8〕
(浅野 靖典)
年度 | 優勝馬 | 3走前の単勝人気と着順 | ||
---|---|---|---|---|
2015年 | ドゥラメンテ | セントポーリア賞 | 1番人気 | 1着 |
2016年 | マカヒキ | 若駒S | 1番人気 | 1着 |
2017年 | レイデオロ | 葉牡丹賞 | 1番人気 | 1着 |
2018年 | ワグネリアン | 東京スポーツ杯2歳S | 1番人気 | 1着 |
2019年 | ロジャーバローズ | 福寿草特別 | 1番人気 | 1着 |
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