注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
大阪杯はGⅠに格上げされて4年目を迎えるが、GⅡとして行われていた2016年以前を含め、古馬中距離路線のトップホースが集う一戦として、毎年激しい戦いが繰り広げられてきた。今回は過去3年の大阪杯と、過去10年に行われた2歳限定戦とハンデ戦を除く阪神・芝2000メートルのGⅡ・GⅢの結果を見ながら、レースの傾向にアプローチしていく。
大阪杯がGⅠに格付けされた2017年以降の単勝人気別成績をまとめると、1番人気馬が2勝、2番人気馬が2着1回、6から9番人気馬が1勝2着2回となっている。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-0-0-1 | 66.7% | 66.7% | 66.7% |
2番人気 | 0-1-1-1 | 0% | 33.3% | 66.7% |
3番人気 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
4番人気 | 0-0-2-1 | 0% | 0% | 66.7% |
5番人気 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
6〜9番人気 | 1-2-0-9 | 8.3% | 25.0% | 25.0% |
10番人気以下 | 0-0-0-17 | 0% | 0% | 0% |
次に、過去10年に行われた、2歳限定戦とハンデ戦を除く、阪神・芝2000メートルのGⅡ・GⅢでの単勝人気別成績を調べると、まず目につくのは1番人気と2番人気の2組が、3着内率で60%を超える高い数値をマークしていることだ。また、6から9番人気馬の好走が多い点も目立っている。これら2点は共に〔表1〕と同様の傾向だ。今年の大阪杯でも、上位人気馬だけでなく伏兵馬の軽視は禁物だろう。〔表2〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 6-5-3-6 | 30.0% | 55.0% | 70.0% |
2番人気 | 7-2-4-7 | 35.0% | 45.0% | 65.0% |
3番人気 | 2-1-3-14 | 10.0% | 15.0% | 30.0% |
4番人気 | 2-1-3-14 | 10.0% | 15.0% | 30.0% |
5番人気 | 0-3-3-14 | 0% | 15.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 3-8-2-66 | 3.8% | 13.9% | 16.5% |
10番人気以下 | 0-0-2-52 | 0% | 0% | 3.7% |
過去3年の大阪杯での4コーナー通過順別成績をまとめると、連対馬6頭中5頭は4コーナーを4番手以内で通過していた。3着内率では5から9番手組もほぼ互角の数値を記録しているが、連対した馬は前めの位置でレースを進めていた馬が中心となっている。〔表3〕
4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
2〜4番手 | 2-2-0-8 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
5〜9番手 | 0-1-3-9 | 0% | 7.7% | 30.8% |
10番手以下 | 0-0-0-16 | 0% | 0% | 0% |
過去10年に行われた、2歳限定戦とハンデ戦を除く、阪神・芝2000メートルのGⅡ・GⅢでの4コーナー通過順別成績でも、〔表3〕ほどの顕著な差は見られないものの、「先頭」と「2番手から4番手」の2組の好走率が上位となっている。先行馬や、積極的に位置取りを上げる戦法に出そうな馬は、ノーマークにできないだろう。〔表4〕
4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 3-3-1-13 | 15.0% | 30.0% | 35.0% |
2〜4番手 | 7-7-6-51 | 9.9% | 19.7% | 28.2% |
5〜9番手 | 8-6-12-70 | 8.3% | 14.6% | 27.1% |
10番手以下 | 2-4-1-39 | 4.3% | 13.0% | 15.2% |
過去3年の出走馬について、過去3走におけるGⅠでの最高着順別に成績を調べると、連対馬6頭は最高着順が4着以内だった。最高着順が5着以下だった馬で3着以内に入ったのは1頭だけ。過去3年分とサンプル数は少ないが、近走でGⅠを好走していた馬は、大いに注目すべき存在と言える。ただし、直近で出走していたGⅠを勝利していた馬は過去3年で5頭いたが、〔0-1-1-3〕と勝利に手が届いていないことは覚えておいても損はないだろう。〔表5〕
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 1-1-1-4 | 14.3% | 28.6% | 42.9% |
2着 | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
3着 | 1-1-0-0 | 50.0% | 100% | 100% |
4着 | 1-0-1-1 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
5着 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
6〜9着 | 0-0-1-4 | 0% | 0% | 20.0% |
10着以下 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
GⅠ不出走 | 0-0-0-15 | 0% | 0% | 0% |
過去3年の出走馬が前年秋に出走していたGⅠを調べると、前年秋にマイルチャンピオンシップに出走していた馬と、有馬記念に出走していた馬の好走率が高いことがわかった(両方のレースに出走していた馬はいなかった)。また、この2レースに出走していた馬で3着以内に入った6頭は、いずれもそのレースで5着以内に入っていた。スピードに秀でた馬がしのぎを削るマイルチャンピオンシップや、一年の競馬を締めくくるグランプリ・有馬記念で上位に加わった実績を持つ馬に注目したい。〔表6〕
前年秋に出走したGⅠ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
マイルチャンピオンシップ | 1-1-0-3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
有馬記念 | 2-1-1-5 | 22.2% | 33.3% | 44.4% |
上記2レースに出走なし | 0-1-2-27 | 0% | 3.3% | 10.0% |
過去3年の出走馬について、前年10月以降の出走回数別に成績をまとめると、優勝馬3頭はいずれも前年10月から当レースまでの間の出走回数が3回だった。GⅠになって4年目の今年もこの傾向が続くのか、注目してみたい。〔表7〕
(河野 道夫)
出走回数 | 1着 | 2着以下 |
---|---|---|
3回 | 3頭 | 15頭 |
2回以下、4回以上 | 0頭 | 26頭 |
ご注意 当コーナーの情報は、特別登録の情報に基づき制作されております(データ分析は特別登録発表前に執筆されたものです)。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。