注記:1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスは、従来の500万円以下・1000万円以下・1600万円以下。
昨年は単勝1番人気に推されたユーキャンスマイルが優勝したが、2着に入ったのは1000万下クラス(現2勝クラス)からの格上挑戦で負担重量が50キログラムだった8番人気のサンデームーティエ。クラスや実績で劣る馬であっても、長距離適性と軽いハンデを生かせば、上位争いも可能な重賞だ。まずは過去10年の結果を元に、傾向をチェックしてみよう。
長距離戦はベテラン勢の出走が多くなりがちだが、過去10年のダイヤモンドSで好走が多いのは若い世代の馬となっている。中でも4歳馬は3着内率で50.0%という数字を残している。ちなみに、7歳以上で3着以内に入った延べ7頭のうち4頭はせん馬だった。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 4-3-3-10 | 20.0% | 35.0% | 50.0% |
5歳 | 3-2-1-24 | 10.0% | 16.7% | 20.0% |
6歳 | 2-1-4-25 | 6.3% | 9.4% | 21.9% |
7歳 | 0-1-1-23 | 0% | 4.0% | 8.0% |
8歳 | 1-2-1-20 | 4.2% | 12.5% | 16.7% |
9歳以上 | 0-1-0-13 | 0% | 7.1% | 7.1% |
過去10年の単勝オッズ別成績を見ると、優勝馬延べ10頭のうち9頭は単勝オッズ6.9倍以下と、上位人気馬の優勝が多い。特に、2.9倍以下だった馬は延べ5頭全てが優勝している。下位人気馬が上位に食い込むことが多いのは確かだが、そのほとんどが2着か3着だった点は頭に入れておくべきだろう。〔表2〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2.9倍以下 | 5-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
3.0〜4.9倍 | 2-2-3-6 | 15.4% | 30.8% | 53.8% |
5.0〜6.9倍 | 2-2-0-11 | 13.3% | 26.7% | 26.7% |
7.0〜9.9倍 | 0-2-3-9 | 0% | 14.3% | 35.7% |
10.0〜19.9倍 | 0-2-3-16 | 0% | 9.5% | 23.8% |
20.0倍以上 | 1-2-1-73 | 1.3% | 3.9% | 5.2% |
過去10年の負担重量別成績を調べると、優勝馬は53キログラム以上の幅広い範囲から出ているが、2着馬は50から52キログラムの範囲から4頭、55キログラム以上から6頭で、53キログラムと54キログラムからは出ていないのが特徴的。また、3着馬は54から56キログラムの範囲に8頭が集中している。この辺りの偏りも参考にできるかもしれない。〔表3〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
49kg以下 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
50〜52kg | 0-4-2-18 | 0% | 16.7% | 25.0% |
53kg | 1-0-0-16 | 5.9% | 5.9% | 5.9% |
54kg | 2-0-5-27 | 5.9% | 5.9% | 20.6% |
55kg | 2-1-2-14 | 10.5% | 15.8% | 26.3% |
56kg | 1-3-1-19 | 4.2% | 16.7% | 20.8% |
57〜57.5kg | 1-0-0-8 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
58kg以上 | 3-2-0-4 | 33.3% | 55.6% | 55.6% |
過去10年の出走馬の前走別成績を調べると、前走が日本国内のGⅠだった馬は9頭出走しているが、3着以内に入ったのは有馬記念から臨んだ馬だけ。また、GⅡから臨んで優勝した延べ4頭は、全て前走が中山競馬場のレースだった。その他では、オープン特別の万葉Sから臨んだ馬が3着以内に7頭入り、国内のGⅢから臨んだ馬が全て4着以下に敗れている点が目立っている。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
有馬記念 | 2-0-0-1 | 66.7% | 66.7% | 66.7% |
その他の国内GⅠ | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
アメリカJCC | 3-0-0-12 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
ステイヤーズS | 1-1-1-11 | 7.1% | 14.3% | 21.4% |
日経新春杯 | 0-1-4-6 | 0% | 9.1% | 45.5% |
その他のGⅡ | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
国内のGⅢ | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
万葉S | 3-2-2-31 | 7.9% | 13.2% | 18.4% |
その他のオープン特別 | 1-1-0-12 | 7.1% | 14.3% | 14.3% |
1600万下(現3勝クラス) | 0-1-3-14 | 0% | 5.6% | 22.2% |
1000万下(現2勝クラス) | 0-2-0-7 | 0% | 22.2% | 22.2% |
海外のレース | 0-2-0-2 | 0% | 50.0% | 50.0% |
地方のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去10年のダイヤモンドSでは、「4走前までに東京競馬場の芝2000から2500メートルのレースで4着以内に入っていた」という馬が、2010年と2013年を除いて連対しており、2014年以降は6年連続して連対中だ。今年も出走各馬の近走での東京実績について、チェックしておくことをお勧めしたい。〔表5〕
(浅野 靖典)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 着順 | 馬名 | 該当レース | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2011年 | 2着 | コスモヘレノス | 3走前 | アルゼンチン共和国杯 | 芝2500m | 3着 |
2012年 | 2着 | ギュスターヴクライ | 前走 | 早春S | 芝2400m | 1着 |
2014年 | 2着 | セイクリッドバレー | 前走 | 白富士S | 芝2000m | 4着 |
2015年 | 1着 | フェイムゲーム | 2走前 | アルゼンチン共和国杯 | 芝2500m | 1着 |
2着 | ファタモルガーナ | 2走前 | アイルランドT | 芝2000m | 4着 | |
2016年 | 1着 | トゥインクル | 4走前 | オクトーバーS | 芝2400m | 3着 |
2017年 | 1着 | アルバート | 3走前 | アルゼンチン共和国杯 | 芝2500m | 2着 |
2018年 | 1着 | フェイムゲーム | 3走前 | 目黒記念 | 芝2500m | 1着 |
2019年 | 2着 | サンデームーティエ | 3走前 | 本栖湖特別 | 芝2400m | 3着 |
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