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イクイノックス/ウエストオーバー
実績的には、有馬記念を2馬身1/2差で制したパフォーマンスでレーティング126を獲得し、昨年の世界ランキングで第3位に入ったイクイノックスと、昨年後半にブリーダーズカップターフ(G1・アメリカ)など3つのG1を含む4つの重賞を制したレベルスロマンスが、2トップを形成する。
だが、出走を予定していたスーパーサタデーのドバイシティーオブゴールド(G2・UAE)を、脚元の炎症のために取り消したレベルスロマンスは、臨戦態勢の狂いがおおいに気がかりだ。
代わって、イクイノックスの相手には、ウエストオーバーを指名したい。3歳だった昨年の後半は不本意な競馬が2度続いたが、3歳上半期の英ダービー(G1・イギリス、3着)と愛ダービー(G1・アイルランド、1着)で見せた強さは際立っていた。もともと、この馬に本来の力を発揮されたら怖いなと思っていたところ、鞍上にライアン・ムーアがブッキングされたとの一報が入り、不気味さがより増している。
ドバイターフ同様、ここも道中の流れは緩やかになりそうで、好位につけるウエストオーバーが早めにスパートして、ヨーロッパのトップホースらしく良い脚を長く使われると、後方から追い込むイクイノックスが届かない局面までありそうだ。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
イクイノックス/シャフリヤール
昨年秋のブリーダーズカップターフ(G1・アメリカ)の勝ち馬レベルスロマンスと、昨年後半に天皇賞(秋)と有馬記念を制したイクイノックスとの顔合わせは、今年のドバイワールドカップ開催で最もワクワクさせられる対戦だと思う。
ただし、スーパーサタデーのドバイシティーオブゴールド(G2・UAE)を脚元の炎症で取り消したレベルスロマンスは、ここがブリーダーズカップターフ以来の実戦となる。昨年6月から11月まで3つのG1を含む5連勝という破竹の快進撃を見せた同馬だが、約4か月半の休み明けというのは大きなマイナス材料だと思う。
昨年の愛ダービー馬ウエストオーバー、前走サウジアラビアのネオムターフC(G3)を快勝したモスターダフといったヨーロッパ調教馬も高い能力の持ち主だが、ここは、日本調教馬同士の争いになるというのが、私の読みだ。中心となるのは、もちろんイクイノックスである。
相手は、昨年に続くこのレース連覇を狙うシャフリヤールとする。
2頭のセレクションからは漏れてしまったが、昨年の香港ヴァーズ(G1・香港)の1、2着馬であるウインマリリンとボタニクの2頭も、上位争いに加わる馬たちとみている。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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