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ダート1200メートルという競走条件になると、さすがアメリカ勢が強く、過去20年(2020年はコロナ禍で開催中止)の勝ち馬19頭のうち半数を超える11頭がアメリカ調教馬だ。これに迫る健闘を見せているのが、6勝をあげている中東勢である。
リヤドダートスプリント(G3・サウジアラビア)を3馬身1/4差で快勝した昨年の全米チャンピオンスプリンター・エリートパワーはここを回避した一方、同競走で2着となったガナイト(牡4歳)が、アメリカ勢の代表格として参戦してきた。2歳時からこの戦線の最前線で活躍し、ホープフルS(G1・アメリカ・ダート1400メートル)など7勝している他、H.アレンジャーケンスメモリアルS(G1・アメリカ)でも2着に入るなどの実績を残している実力馬である。
一方、アメリカにおけるこの路線の新興勢力が、自身2度目の重賞挑戦となった2月5日のパロスヴァーディスS(G3・アメリカ・ダート1200メートル)を制し、重賞初制覇を果たしての参戦となるホプキンズ(牡5歳)だ。G1はここが初挑戦となるが、半マイル通過が44秒10という超ハイラップを2番手で追走し、2着に2馬身1/4差をつけた前走の内容は濃く、G1級の能力を秘めた馬とみる。
中東勢の代表格が、昨年に続くこのレース連覇を狙うスイッツァランド(せん9歳)だ。今季初戦となったドバウィS(G3・UAE・ダート1200メートル)でも、持ち味である強烈な末脚を繰り出して快勝し、全く衰えのないことを示した。リヤドダートスプリントも、スーパーサタデーのマハブアルシマール(G3・UAE)も回避し、ここ1本に照準を絞っての参戦となっている。
このレース悲願の初制覇を目指す日本勢は、4頭出しで臨む。2021年・2022年と、2年連続でこのレース2着となっているレッドルゼル(牡7歳)。アウェイでの強さ、コース適性をいずれも実証済みの同馬が、3度目のトライで頂点に立つシーンが見られるか。
それぞれ3着と4着に好走したリヤドダートスプリントからの転戦となるのが、リメイク(牡4歳)とジャスティン(牡7歳)。まだ4歳と伸び盛りのリメイク。父ラニがUAEダービー(G2・UAE)を制した地で、さらにギアを一段あげることを期待したい。先行力のあるジャスティンにとっては、キングアブドゥルアジ−ズよりは直線が短いメイダンの方が、競馬はしやすいはず。
そして、フェブラリーSを快勝しての参戦となるのが、レモンポップ(牡5歳)だ。ここまで11戦して連対率100パーセントの同馬。いかなる流れにも対応可能な多才さは、アウェイでの戦いにおける大きな武器となる。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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