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過去10年の凱旋門賞出走馬の性別成績をまとめたのが〔表1〕。2011年のデインドリーム、2012年のソレミア、2013年と2014年のトレヴ、2016年のファウンド、2017年と2018年のエネイブルと、牝馬がここ9年で7勝を挙げている。昨年こそ牡馬のヴァルトガイストが優勝したが、2着には牝馬のエネイブルが入った。勝率、連対率、3着内率の各数値を見ても、牝馬が牡馬を大きく上回っており、今年も目が離せない。
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性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 3 | 7 | 7 | 113 | 2.3% | 7.7% | 13.1% |
牝馬 | 7 | 3 | 3 | 29 | 16.7% | 23.8% | 31.0% |
過去10年の凱旋門賞出走馬の年齢別成績を振り返ると、「3歳」馬が5勝、「4歳」馬が4勝、「5歳」馬が1勝と、「3歳」と「4歳」の2世代が優勢となっている。「6歳」以上の馬は過去10年で勝ち星がなく、遡っても1932年に7歳で制したモトリコ(1930年にも優勝)のわずか1勝にとどまっている。「6歳」以上の馬で3着以内に入った例も牡馬では2009年2着のユームザイン(6歳)、牝馬では2006年2着のプライド(6歳)が最後となっている。〔表2〕
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年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 5 | 2 | 6 | 59 | 6.9% | 9.7% | 18.1% |
4歳 | 4 | 5 | 3 | 48 | 6.7% | 15.0% | 20.0% |
5歳 | 1 | 3 | 1 | 28 | 3.0% | 12.1% | 15.2% |
6歳 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0% | 0% | 0% |
7歳以上 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の凱旋門賞で3着以内に入った馬の前走着順別成績を見ると、「前走1着」の馬が6勝、2着5回、3着5回と好成績を残している。昨年は1着のヴァルトガイストから5着のマジカルまで「前走1着」の馬が占める結果となった。また、3着以内馬30頭中29頭が前走で1着から5着以内に入っており、前走6着以下では2016年2着のハイランドリール(前走7着)が唯一の好走例となっている。〔表3〕
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前走着順 | 凱旋門賞における成績 | ||
---|---|---|---|
1着 | 2着 | 3着 | |
前走1着 | 6 | 5 | 5 |
前走2着 | 1 | 3 | 3 |
前走3着 | 1 | 1 | 2 |
前走4着 | 1 | 0 | 0 |
前走5着 | 1 | 0 | 0 |
前走6着以下 | 0 | 1 | 0 |
過去5年の凱旋門賞の調教国別成績をチェックすると、イギリス調教馬が3勝を挙げてトップ。勝率、連対率、3着内率と各数値も他国を大きく上回る優秀な成績を残している。〔表4〕
3着以内に入った馬の調教師にも着目すると、とりわけ活躍が目立つのがイギリスのJ.ゴスデン調教師。ここ5年で3勝、2着1回のほか、2014年にはタグルーダが3着に好走しており、出走機会5回連続で3着以内馬を出している(2016年は出走なし)。また、地元フランスのA.ファーブル調教師は1勝、2着3回、3着2回。昨年のヴァルトガイストを含めて歴代最多の凱旋門賞8勝を挙げているだけに注目したい。〔表5〕
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調教国 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イギリス | 3 | 2 | 1 | 4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
フランス | 1 | 2 | 3 | 34 | 2.5% | 7.5% | 15.0% |
アイルランド | 1 | 1 | 1 | 16 | 5.3% | 10.5% | 15.8% |
日本 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0% | 0% | 0% |
ドイツ | 0 | 0 | 0 | 3 | 0% | 0% | 0% |
チェコ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0% | 0% | 0% |
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年 | 着順 | 馬名 | 調教師(調教国) |
---|---|---|---|
2015年 | 1 | ゴールデンホーン | J.ゴスデン(イギリス) |
2 | フリントシャー | A.ファーブル(フランス) | |
3 | ニューベイ | A.ファーブル(フランス) | |
2016年 | 1 | ファウンド | A.オブライエン(アイルランド) |
2 | ハイランドリール | A.オブライエン(アイルランド) | |
3 | オーダーオブセントジョージ | A.オブライエン(アイルランド) | |
2017年 | 1 | エネイブル | J.ゴスデン(イギリス) |
2 | クロスオブスターズ | A.ファーブル(フランス) | |
3 | ユリシーズ | M.スタウト(イギリス) | |
2018年 | 1 | エネイブル | J.ゴスデン(イギリス) |
2 | シーオブクラス | W.ハガス(イギリス) | |
3 | クロスオブスターズ | A.ファーブル(フランス) | |
2019年 | 1 | ヴァルトガイスト | A.ファーブル(フランス) |
2 | エネイブル | J.ゴスデン(イギリス) | |
3 | ソットサス | JC.ルジェ(フランス) |
過去5年の凱旋門賞で3着以内に入った馬の父馬をまとめたのが〔表6〕。3着以内馬15頭中14頭が父馬にノーザンダンサー系種牡馬を持っていた。そのノーザンダンサー系の中でも注目したいのがサドラーズウェルズ系。特に父馬にガリレオあるいはその直仔を持つ馬は、2016年のファウンド(父馬がガリレオ)、2017年と2018年のエネイブル(父馬ナサニエルがガリレオの直仔にあたる)、昨年のヴァルトガイスト(父馬がガリレオ)と4連勝している。ガリレオは英愛チャンピオンサイヤーにここ10年連続、計11回輝く大種牡馬。凱旋門賞とはあまり縁がなかったが、前記ファウンドが産駒として初勝利を挙げてからは目を見張る活躍を見せている。今年もガリレオの血脈は要チェックだ。
文:秋山 響(TPC)
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年 | 着順 | 馬名 | 父馬 |
---|---|---|---|
2015年 | 1 | ゴールデンホーン | Cape Cross(ノーザンダンサー系・ ダンジグ系) |
2 | フリントシャー | Dansili(ノーザンダンサー系・ ダンジグ系) | |
3 | ニューベイ | Dubawi(ミスタープロスペクター系) | |
2016年 | 1 | ファウンド | Galileo(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) |
2 | ハイランドリール | Galileo(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) | |
3 | オーダーオブセントジョージ | Galileo(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) | |
2017年 | 1 | エネイブル | Nathaniel(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) |
2 | クロスオブスターズ | Sea The Stars(ノーザンダンサー系・ ダンジグ系) | |
3 | ユリシーズ | Galileo(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) | |
2018年 | 1 | エネイブル | Nathaniel(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) |
2 | シーオブクラス | Sea The Stars(ノーザンダンサー系・ ダンジグ系) | |
3 | クロスオブスターズ | Sea The Stars(ノーザンダンサー系・ ダンジグ系) | |
2019年 | 1 | ヴァルトガイスト | Galileo(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) |
2 | エネイブル | Nathaniel(ノーザンダンサー系・ サドラーズウェルズ系) | |
3 | ソットサス | Siyouni(ノーザンダンサー系・ ヌレイエフ系) |
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