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有力馬主、種牡馬紹介

馬主(有力馬主、種牡馬紹介)

  • フィリップ・ラウ・サクハンPhilip LAU Sak-hong

    1947年生まれ、中国広東省出身。家業の不振に伴い、家族で香港に移住。電子部品メーカーでの下働きを経て、22歳の頃で電子部品メーカーである升岡電子有限公司を創業。一時事業不振に陥るも、1979年にマカオのギャンブル王の異名を持つ実業家スタンレー・ホー氏の資本協力を受けて存続。現在は事業を拡張して升岡國際有限公司の名称となり、その会長職を続けている。

    馬に興味を持ったのは競馬ファンであり馬主だった祖父の影響を受けた11歳の頃で、当時から熱心に競馬新聞を読み込んでいたという。26歳で香港ジョッキークラブに入会。92年に当時香港で開業していたパトリック・ビアンコーヌ調教師の勧めもあって、初めて馬主となった。キングプローンと名付けられた生え抜きの馬は、7歳まで走って4勝を挙げた。続いて所有したロイヤルキングプローンも、香港ダービーに駒を進める(12着)などの活躍をしたが、この馬の引退と入れ替わりで手に入れた馬が、香港競馬を世界に知らしめる1頭となるフェアリーキングプローンであった。

    フェアリーキングプローンは1999年の暮れに、世界のトップスプリンターが集まる香港スプリントを制覇。翌2000年には安田記念に遠征し、香港調教馬として初の国外G1競走勝利を挙げる。翌年のドバイではジムアンドトニック、サンラインと三つ巴の攻防で2着となるなど、各地で香港調教馬の名声を上げ続けた。

    現在は家族とともに香港短距離路線のトップホースであるホットキングプローンなどを所有。自身が海老好きであることから、「キングプローン」(中文表記「蝦王」)を冠名としている。

  • シウ・パックヮンSiu Pak Kwan

    香港出身。1970年代に精密部品メーカーを興し、その後不動産事業にも進出し、財を成した。日本企業との取引も多く、特に大手自動車メーカーや、遊戯機メーカーとの関係強化が事業の躍進に大きく寄与した。そのため、自身と、同じく香港で競走馬を所有する子息ともども日本語が堪能で、自身の香港での所有馬に“パチンコ”と命名したことも。

    約30年前に競馬と出会い、以降、オセアニアや香港での馬主活動を始めると同時に、繁殖牝馬の所有も開始。所有する繁殖牝馬の産駒の1頭が、香港において初期に所有したセルフフリットで、香港クラシックマイル(香LG1)を勝利するなど重賞を2勝し、2004年の安田記念(GⅠ)にも参戦した(10着)。

    現在まで香港でのG1勝利はないが、購入して香港に移籍させたドイツ2000ギニー(G2・ドイツ)馬イリアンが2010-2011年シーズン、2011-2012年シーズンの香港カップ(G1)で2着となった。同様に実績馬をトレードさせてくることが多く、現在も昨年の英G3クラシックトライアルSでパイルドライヴァーを破ったベルリンタンゴなどを香港で所有するほか、昨年のイスパーン賞(G1・フランス)2着のストーミーアンタークティックや今年のスプリントS(G3・イギリス)を勝ったケイムフロムザダークなど、ヨーロッパやオーストラリアでも競走馬を所有している。

    また、子息が所有するタイムワープが2017-2018年シーズンの香港カップ、香港ゴールドC(以上、G1・香港)を勝利。子息の妻名義のワイククも2019-2020年シーズンの香港マイルで2着、香スチュワーズC(以上、G1・香港)で1着となった。オーストラリアのニューサウスウェールズ州に生産、育成を行うエバーグリーンスタッドファームを所有するなど、家族全体が馬主としてだけでなく、総合的なホースマンとして高い熱意を持っている。

  • スタンレー・チャン・ガーリョンStanley Chan Ka Leung

    香港出身。中国、インドネシア、タイ、ベトナムにもオフィスを構える物流会社プリフォードロジスティクスを経営する。競馬とは全くの無関係の家庭に育ったが、競馬好きだった父親の影響で7、8歳ごろからテレビの競馬中継に熱中。成人してからは馬主を目指すべく、2000年代初頭にほぼ同時に香港ジョッキークラブとマカオジョッキークラブの会員となった。

    競走馬のオーナーとしての最初の成功は、2009年からマカオで所有(共有)したゴールデンピストルズで、当地の重賞を2勝した。そのうち、1勝目であるオータムトロフィーは、騎手招待競走でJRAから参戦していた石橋守騎手(現調教師)の騎乗によるもの。また、自らがシンジケートオーナーとなって2010年から所有したゴールデンガンナーは、マカオゴールドカップとマカオスターオブザサンドSを勝利する大活躍を収めた。

    香港では2009年から所有したカリッシマが最初だったが20戦未勝利に終わる。その後、所有した2頭がいずれも勝利。そして巡り合ったのがゴールデンシックスティで、2020年の香チャレンジC(G3)で香港における重賞初勝利を果たすと、香港クラシックマイル、香港クラシックC、香港ダービーを勝利し、香港競馬史上2頭目となる4歳三冠馬となった。さらに年末の香港マイルで初G1勝利を皮切りに、今年も香スチュワーズC、香港ゴールドC、チャンピオンズマイルとG1を立て続けに勝利。2021年11月21日現在で目下15連勝中で通算19戦18勝と勢いはまだまだ止まらない。

    ひじょうに縁起と縁を重んじる性格で、カリッシマの失敗の後は、マカオで成功した“ゴールデン”に冠名を戻したほか、カリッシマの初期を除いて、所有馬はデレク・クルーズ厩舎に調教師勇退まで全て預け、その後はK.ルイ厩舎のみと一貫している。

  • 注記:重賞の格付けは、全てレース当時のもの
  • 注記:文中敬称略

文:土屋 真光

(2021年12月現在)

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