K5)KCMY019(牝)」とキタサンユーダイ(牡母ハートフル)である。「リップスポイズンは北海道のノーザンファームで、ハートフルは吉澤ステーブルWEST(滋賀県)に来てます。2頭とも問題なく、秋に向けてという感じですね」 自分が育てた馬が種牡馬になり、産駒がトレセンに戻ってきたとき、ほかの厩舎の馬も応援していたと引退した調教師からきいたことがあるが、清水調教師も「いままでなかった競馬の見方です」と言った。「やっぱり、ほかの馬でも走ってほしい。種馬の世界も競争が激しいですし初年度産駒はとくに注目されているので……」 最後にひとつ、清水さんにききたいことがあった。「騎手になりたい」と言って、有馬記念のときには中山競馬場までキタサンブラックの応援にきていた息子さんのことだ。「いまは高校3年で、騎手にはなれなかったけど、馬術をたのしんでます」 きけば、近畿代表としてインターハイにも出場するという。将来は競馬の仕事をしたいと言っているそうだが、いずれは助手として父をサポートすることになるのだろうか。清水さんはうれしそうに言った。「いや、うちの厩舎には、いいスタッフが揃ってるから」 q馬の内容もよかったと思う」 おそらく清水調教師はキタサンブラック産駒を一番見ている調教師だろう。まだ走った産駒もすくないが、見た範囲での産駒のイメージをたずねると、こんな感じだった。 お母さんの体もあるので、体の形は似てるのも、まったく違うのもいる。産駒にほぼ共通しているのはおとなしいこと。入れ込んだり、テンションがすぐに上がったりしないので、調整しやすいと思うし、操縦性はいい。母系にもよるが距離はあったほうがいいと思う。スプリンターというよりは、マイルからそれ以上というイメージ――。 清水厩舎からデビューする馬にはスイープトウショウの娘ピエドラデルーナがいる。すでにゲート試験に合格し、現在はノーザンファームしがらき(滋賀県)で調整されている。様子を見ながら、秋一番ぐらいのデビューをめざしているという。 そして〝本家の本家〟大野商事の馬は2頭いる。「リップスポイズンの2S.Suzuki 育てた馬が種牡馬になり、 産駒がトレセンに戻ってくる。「ほかの馬でも走ってほしい」
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