CMY仮(0072)シュガーハート 鹿毛 2005サクラバクシンオーサクラユタカオーテスコボーイGBアンジェリカサクラハゴロモノーザンテーストCANクリアアンバーUSAオトメゴコロジャッジアンジェルーチUSAHonest PleasureVictorian QueenティズリーUSALyphardTiznaブラックタイド 黒鹿毛 2001サンデーサイレンスUSAHaloHail to ReasonCosmahWishing WellUnderstandingMountain FlowerウインドインハーヘアIREAlzaoLyphardLady RebeccaBurghclereBustedHighclereうなものだそうだ。なるほど。「肋あばらがちょっと透けて見える感じは現役当時とあまり変わらない。皮下脂肪がつかないのがサンデーサイレンス系なんです」 社台SS事務局の徳武英介さんが馬を見ながら説明してくれる。サンデーサイレンスの初産駒がうまれるときに社台ファームに転職して種馬の担当となった徳武さんは、以来、日本一の、いや世界トップクラスの種馬場で名種牡馬を見てきた。「だれよりもサンデー系のファン」を自認する徳武さんは、キタサンブラックを「サンデーサイレンスを115%で拡大コピーした馬」と表現した。「フレームは大きいけれど、しなやかさ、薄さ……、体質とか体のバランスはサンデーサイレンスによく似ている」 しかし、性格は「上品」だという。「上品というか、おだやかさはサクラユタカオー、バクシンオーですね」 徳武さんの話をききながら、おっとりした栗毛のサクラユタカオーを思いだす。 キタサンブラックは1年めは130頭に種付けし、83頭の産駒がいる。8月9日現在、12頭がデビューし、ホッカイドウ競馬のウン(新冠・須崎牧場産)が勝ち馬第一号となり、中央では清水久詞厩舎のコナブラック(ノーザンファーム産)が勝っている。 新種牡馬は早い時期から多くの産駒がデビューする傾向にあるが、夏競馬はどうしても短距離のレースが多く、おそらく長い距離に適性があるキタサンブラックの産駒はどうしてもデビューは遅くなりがちだ。 キタサンブラックの産駒は社台グループの比率がほかの種牡馬よりも高く、4割を超えている。それだけ社台グループも期待していると徳武さんは言う。 産駒のデビューはゆっくりで、ファンはやきもきしているかと思うが、どの馬も肉体的完成度は高く、成長が遅いわけではない。2歳戦はまだ長い距離のレースがすくないから、厩舎にはいる順番もうしろになり、秋まで待たされているのだ。徳武さんは笑って言った。「だから、もうすこしあとで取材にきてくれればよかったんだ」 社台SSでキタサンブラックに会う前日、日高町門別のヤナガワ牧場をたずねた。キタサンブラックのうまれ故郷である。ヤナガワ牧場を取材するのは四度めだが、いつたずねても、牧場事務所には胡蝶蘭が並んでいる。「GⅠがはじまって、そこに生産馬の名前がないと寂しい気持ちになるかもしれない」 キタサンブラックが引退したあと、梁川正まさ普ひろさんは言っていた。事務所は有馬記念の優勝を祝う胡蝶蘭でいっぱいだった。 あれから3年半。「寂しい気持ちになる」どころか2頭もGⅠホースが誕生した。一昨年はサンライズノヴァが岩手の南部杯に勝って、悲願だったビッグタイトルを手にした。そしてことしは、半月前にテーオーケインズが帝社台スタリオンステーションで繋養4シーズン目となるキタサンブラック。スタッドイン当初から種付けは上手というS.Suzuki「(レベルの高い馬の)層はあるので、あとは順番にデビューを待つだけです」 社台グループだけでなく、ほかの牧場も配合する牝馬を厳選している。「とりあえず種付けしてみよう」という、格安の新種牡馬にありがちな配合ではなく、選ばれた牝馬に種付けしている牧場が多い感じがするというのが徳武さんの分析だ。「手作り感のある産駒が多いというか、いわばハンドメイドです」 わたしは、社台ファームの吉田善哉氏とよく比較された、シンボリ牧場の和田共弘氏を思いだす。いいじゃないか、この、忙せわしない時代のハンドメイド。キタサンブラック4代血統表勢いのあるうまれ故郷ことしは新たな楽しみがF95代までのクロス:Lyphard4×4 Northern Dancer5×5×5KITASAN BLACK
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