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K1)KCMY 想像していた体型とはずいぶん違っていた。真っ黒で大きく、それでいてスレンダーな体は現役時代の印象のままだった。考えてみればまだ9歳、現役の同期生もいる。ことしも100頭からの種付けを済ませたそうだが、疲れた様子もない。 7月中旬、北海道勇ゆう払ふつ郡安あ平びら町の社台スタリオンステーション(以下社台SSと略)にキタサンブラックをたずねた。 担当しているのは松田輝也さん、38歳。様さま似に町の出身で、以前はノーザンファームで働いていた。社台SSに移ってからキタサンブラックがはじめての担当馬で、現在はマインドユアビスケッツと2頭の世話をしている。「キタサンブラックは噛みついたりとかしないですし、おとなしい馬です」 種付けもじょうずで、どんな牝馬でも、ほとんどは一回で済ませている。種付けに関してはなんの心配もないと松田さんは言う。 キタサンブラックをきちんと立たせて見せてくれている松田さんの上半身は格闘家のように分厚い。種牡馬は元々がトップアスリートで、力もスピードもある馬を扱うスタッフは、種付けの期間は毎日ジムにかよっているよキタサンブラック2012年3月10日生 牡 鹿毛父ブラックタイド母シュガーハート(父サクラバクシンオー)馬主/㈲大野商事調教師/清水久詞(栗東)生産牧場/ヤナガワ牧場通算成績/20戦12勝繋養先/社台スタリオンステーション総収得賞金/18億7684万3000円主な勝ち鞍/17有馬記念(GⅠ)      17天皇賞(秋)(GⅠ)      16・17天皇賞(春)(GⅠ)      17大阪杯(GⅠ)      16ジャパンC(GⅠ)      15菊花賞(GⅠ)      16京都大賞典(GⅡ)      15セントライト記念(GⅡ)      15スプリングS(GⅡ)受賞歴/16・17JRA賞年度代表馬    16・17最優秀4歳以上牡馬    20顕彰馬に選定KITASAN BLACK新種牡馬としてのキタサンブラックの特徴キタサンブラック新たな夢を追いかけてあれから3年半2017年の有馬記念を最後に引退し、父として新たな戦いに挑む、GⅠ7勝馬キタサンブラック。種牡馬として奮闘する稀代のアイドルホースと、これまで彼に関わってきた人たちの今を追った。江面弘也=文text by Koya Ezura

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