(つづく)たよ。ます。いった。やりたいね。ーシービー。(次号では、ミスターシービーの松山康久調教師の徹底取材。すばらしき「けいば宝島」のハイライト)けれど、同時に貞任も感じますね、と菊花役のリードホーユーでは勝ちにいくレースができなかったのが残念だと田島騎手はいった。まだ気性的にむずかしいところの残っている馬ですからね、斜行したりしないように、馬鹿ついたりしないようにと、そればかりを考えて乗っていました。ああいった大きなレースで斜行させたり馬鹿つかせたりしたら乗り役としてとても不名誉なことだし、せっかくのレースを壊してしまいますからね。だから、ずいぶん気を使って乗りまし総体的に無事に走らせられましたけれども、四コーナーでインコースをついたのはいけなかったかもしれませんね。内にささって追いきれなくなってしまいましたから。あれがなければ、シービーとの差はもう少しつめられたんじゃないですか。脚質としては、やはり先行策がいいんでしょうね。というよりも、スピードのある馬だから、どうしたって押し出されるように前に行ってしまうんですよ。もう少しレースキャリアを積めば、もっともっと強くなる馬ですよ。か勝てるね。どちらかといえば、可能性が高いのは有馬記念のほうかな。負かせるとおもうよ。絶対に負かしてダイセンキングの田原成貴騎手は、笑顔がとてもすばらしい好青年であっいった。正直にいって、自分の馬が弱かったこともあって、味気ないレースでしたね。シービーひとりに競馬をさせてしまったけれど、米年は必ず雪辱してみせますよ。先行馬でも差し馬でもいい、いい馬に巡りあえたら、作戦を練って必ずシービーを負かしにいきシービーだって、けっして負かせない相手じゃない。今回の菊花賞だって決め手のある馬、たとえばホリスキーのような馬だったら、直線でつかまえられたかもしれない。できてましたよ。八分以上のデキだったといってもいいでしょうね。完調で直にいって、完調でも無理じゃないかとおもいますね。あの馬は、千八百好あたりがベストだとおもうんです。だから、ちょっと距離がね。私がダイゼンは好きな馬だ、だからできるかぎりあの馬でも頑張ってほしいというと、田原成貴騎手は、にっこりと笑って、ベストを尽くしますよ、と答えてくれた。もう一度繰り返していうのだが、第50代めのダービー馬を探して旅に出たとき、私にはひとかけらの自信もなかった。率直なところをいって、なんとかダービーの掲示板のどこかにくるような馬を指名できれば、それで十分だとおもっていた。もし、岩元市三騎手の乗ったバンプーアトラスのような馬が出現したら、私は、その馬について一行も触れることなく完敗を喫していたことだろう。一頭のダービー馬を探すつもりが、三冠馬という想像もしていなかったような宝物に巡りあえた。私は、つくづくラッキーであった、とおもう。しかし、私は、この宝物に味をしめて、もう一度新たな旅に出ようとはおもわない。雷はけっして同じところに私は、私の眼でみて語りつぐことの落下しないものだし、私の運だってそれほど長続きするともおもえない。のだろう。追われる立場に立っても、シービーは、あの輝くばかりの燃えるような闘志でライバルたちを撃破していくことだろう。勝ち続けてもよしミスターシービー。敗れてもよしミスタできる三冠馬をもった。三冠馬が誕生するその現場に、ひとりのライターとして、深くかかわりあうこともできた。私には、もうこれ以上何ひとつとしてシービーに望むものはない。だから、せめてこれからは、シービーに返していけるような何かがあればいいのに、とおもうのだが、いまの私には、それが何であるのかが分からない。だから、私は、せめてシービーを語るときには、つねに偉大なものを語るときの敬意を忘れないでいることにしよう。私にできることは、シービーの将米を黙って見守っていくことくらいのも天皇賞か有馬記念?そう、どっちミスターシーピー?うん、来年はた。菊花賞ですか?と、田原騎手はダイゼンキング?うん、馬はよく天皇賞、有馬記念?そう、やはり正60
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