のあと。厩務員は、爾ぶりのをのんだ。ったよ。理やね。なのだ。いてみた。く自ゼを吸い込み、肩で自ゼをした。と、った。―二馬身、予想どおり、だ。でも、り合いを欠いてしまう。スタートしたのもよかった。どんじりから行ったって、馬に能力があれば、ああいった競馬もできるんだ。かかっていることも問題じゃないよ。競馬は、与えられたそのレースを勝てばそれでいいんだ。ケチのつけようのない、りつばな三冠馬だよ。シンザンだって、一度もレコードなんて出さなかった。相手にあわせてたたかい、それで勝てばいいんだよ。はたして古馬の一線級を負かしていけるかどうか、それだろうな。かん、これにやられた、とおもったよと、長さんがいった。完璧な仕上がりやったもんねえ。ダイゼンもよう走っに完壁の完璧でないと菊花買なんて無とおもうよ。えりものおばあちゃんや大塚オーナーたちが、万歳、万歳をさわしも、えりものおばあちゃんたちともろた。夜は、オーナーの行きつけの44回菊シンプラウンの岩元市三騎手は、終始シンフラウンを好位においてレースを進めていたか、三コーナーを馬なりでかわしていく宵い帽+を見て驚嘆した。もう米たのか、もうシーヒーがここまで卜がってきたのか。よし、ついて行ってやるそ。た岩元騎手は、一瞬、色気を感じた。シーピーもここまでくるのに相当な脚をつかっているはずだ。もしかしたら直線で脚色か鈍るのではないか。岩元騎手の色気は、しかし、一瞬のうちに粉砕された。四コーナーにかかる手前で、もうシンプラウンの脚色は一杯気味なのに、むこうはまだ馬なり四コーナーで先頭に立ったミスターシーピーは、背後から追いすがるビンコカンタを寄せつけようともしなかった。追うカンタと、逃げ込むシービーの脚色が同じになったとき、第花買の勝敗は決定した。私は、先頭で直線に入ってくるシービーを息を殺して見つめていた。息ができなかった。やっと、ゴール板を駆栗東のトレセンでは、ミスターシービーの菊花買をどんなふうに見ているだろうかと、私は、あちらこちらを歩ダイゼンキングの中村好夫厩舎をのぞいてみると、今年いっぱいで停年を迎えるというベテラン厩務員嵐直実さんが寝ワラを乾していた。嵐さん、あけ抜けるシービーの姿を確総し、大きとたんに足が震えてきた。とんでもないレースだ、とんでもないレースを見てしまった、とつぶやきなから、私はシービーを間近で出迎えるために検址室へと下りていった。やったね、と、佐藤洋一郎記者がい直線では足が震えてどうしようもなかうーん、と、紺野真記者が顔をしかめた。ビンゴカンタは完璧なレース運びだったし、展開からみて差し切れるとおもったんだけど:··:。でも、二着ならいいかな。ここは索直にシービーを祝福しますよ。松山屎久調教師と四度目の握手をかわした。弥生買、皐月買、ダービー、そして三冠口の菊花代である。シンザンの武又先生が両手を大きく拡げて松山さんを出迎え、まるですがりつくように松山さんの肩を抱いた。十九年ぶりに実現した三冠馬のふたりのトレーナーの、美しい、涙ぐむような祝福の光景だった。なたのごらんになった三冠馬の感想は如何ですか?りつばな三冠馬だよ、と、嵐さんがいった。わしは、テレビでじっくりと観戦させてもらったが、あの吉永とかいう乗り役は、実によく馬を知っているねえ。馬の個性にあわせたあの乗り方はほんとうにみことだったよ。は気性がむずかしいんだ。乗り役が馬の気性にあわない指示をすると、ああいった馬は間追いなくひっかかって折だから、馬の気にまかせて馬なりで時計が遅いことも、上がりタイムが問題があるとすれば、これからのあの馬の乗り方だろう。あの乗り方で、装鞍所でシービーを見たとたん、あてくれたけど、やはりシービーみたいでも、ダイゼンもよう走ってくれたけびながらわしのところに来てくれたんやから、うれしかったなあ。きのうの月曜日は厩舎も休みやから、一緒に新歌舞伎座や大阪見物をさせてスナックで飲んだんやけど、おばあちゃん、えらい元気でなあ。スナックに来合わせたオーナーの知あげて日を割っておった。ああいう馬シピーの背後につけて進出を図っ本馬場につてきたあの馬は、頗を◄シンザンを育てた武田文悟調教師が祝福。戦後の三冠馬2頭の名伯楽だけに、互いに通じるものがあるようだ5
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