菊化賞前H°大丈大、シービーは完璧だ。ろうね。ついて語った。のではないか?・n(t)午後三時。空はいら:·…゜スポーツの佐藤洋一郎記者が食事をしている最中であった。やあ、フジノさん、と、佐藤さんがいった。ま、ビールでもやりませんか。九時から始まった佐藤さんとの「あわせ馬」は、驚いたことに午前四時まで続いた。トウショウポーイを語り始めたときから、ふたりとも眼の色が変わってしまい、時間のたつのを忘れてしまったのだ。佐藤さんは、七年前の菊花賞で天馬トウショウポーイを無印にした人である。トウショウポーイの脚部不安を見抜いた佐藤さんの鋭い読みが、みごとに的中した会心の馬券作戦ではあったが、三本脚で食いさがるトウショウポーイの姿に、おもわず寒気を感じたそうである。そのトウショウポーイの子どものミスターシービーとダイゼンキングがワンツーフィニッシュしたら、と佐藤さんは、いった。ぽくは、きっと涙が出てとまらないでしょうね。今週の火曜日の菊花伐想定出馬の段階での佐藤さんの本命はダイゼンキングであり、対抗はミスターシービーであった。私がそのことをいい、初志貫徹ですか、というと、いや、今朝の追い切りを見て、シービーの三冠は百パーセント達成されると確信しました。シービーを本命にかえます、と、佐藤さんは答えた。ぽくのような穴記者でも、今度ばかりは大本命に印を打ちます。それでいいとおもうんですよ。あのトウショウポ—イの仔が三冠を達成する、そうしたら、七年前の馬券を取ったのに心のなかを冷たい風が吹き抜けていくような、妙に寒々とした気持ちに埋めあわせをつけられるとおもうんです。ごめんよ、トウショウポーイといって取った空しい馬券の想い出からやっと解放されるんです。それはフジノさんの取り越し苦労でではやっばり四馬身差でシービーがけど、ぽくは一馬身割り引いて三馬身て朝追い取材に出かけていった。まさに、怪物佐藤洋一郎である。も、いちばん疲れたのは、やはり、見松山さんは、見えない敵というのが私たちの話題は、やがてシービーか私は、佐藤さんに、栗東に着いてから急に感じ始めた不安について語った。ミスターシービーや松山さんたちを遠目から眺めたときに感じた胸さわぎに追い切りを見ていないから分からないけれど、どうして松山さんはあんなにも速い時計を出して何回も追うんだに、もうひとつ春当時のシービーからみて足らないものがあって、その手応えを確実にしたいために、ああやって連Elの猛トレーニングをしているのではないか?・だから、いまのシービーには、何かひとつ足らないものがある十一月十二まにも降り出しそうな蛉り窄といった段階で辛うじて持ちこたえている。馬房のなかのミスターシービーは、ゆったりとした様fで落ちつき払っており、ときおり、ちらりちらりと私のほうに視線を投げかけてくる。シービーはずいぶんハードな調教をこなしてきたみたいですね、と、私は松山康久調教師にいった。松山さんは答えた。シービーのような馬のばあい、ちょっと追うだけで時計が出てしまうだけのことで、けっしてハードなんてことはないですよ。シービーに聞いてごらん、疲れなんてないよ、へっちゃらだよ、って言ってるか松山さんのほうのプレッシャーはどすよ。フジノさんはシービーファミリーだから、どうしても心情的に不安になるんでしょうが、なあに、シービーは完璧ですよ。あした、シーピーの体を見てごらんなさい、フジノさんの不安なんか飛び散っちゃいますよ。勝つんだ、と、私はいった。差でシービーが勝つとおもうな、と、佐籐さんは結論を下し、意気揚々としうでした?とくに、この二、一言日前からの取材攻勢には、ちょっと神経を伯ったよ。でえない敵とのたたかい、ということだ具体的に何を指すかについては一げも触れなかった。おそらく、容放なく過ぎ云っていく時間とのたたかい、ミスターシービーの闘魂に火をつけるための、槙重な忍耐強いたたかいを指すのであろうが、こればかりは実際にシービーと取り糾んでいる人にしか分からないことだろう。ら離れ、つい最近飛恥で発見された亀ら虎古坦の壁画の話へと移っていった。ろう?あれは、松山さんの胸のなかハード?そんなことはないよ、と四馬身?うん、それくらいだろううん、こっちはちっと疲れたね。と►松山調教師はやさしくシーピーのハナをなぜていた
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