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部年Q天馬Q化嫁は横尾一彦 天翔ける天馬っていた。海からの風はまだ冷たく、逢か遠方の日高の山々は白雪の衣をつけたままだが、そこかしこに早春を象徴する蕗のトウが無心に黄色い姿を見せていた。四月1この時期の馬産地はすでに種付けシーズンの盛りであり、仔どもも生まれるので、どこの牧場も一年中で最も多忙である。お目当てのトウショウボーイも花嫁との"お仕事”にお忙しであった。浦河駅からタクシーで海沿いの国道336号線を様似方面へ10分ほど走り、町なみをはる幌別川を渡ると、すぐに浦河種馬場である。ここにはトウショウボーイのほか、イエローゴッド、アグネスペンチャー、ロイヤルタタン、ハンザダンサ_、サンディークリークらが繋養されており、トウショウボーイの父であるテスコボーイ(二十四歳)も長年のお務めを解かれて、悠々自適の生活を送っている。牡馬の世話に忙しいが、なんといっても売れっ子なのがトウショウボーイだ。十四歳はまさに脂の乗り切った男盛り。馬房から引き出されてきたトウショウボーイを見て、その貫禄というか、立派な馬体に思わず圧倒された。現役時代5ー0キ。前後で走っていた巨体がさらに一回り以上も大きくなっている。「計ったこともないのでハッキリしたことは言えません四月中旬、久しぶりに日高を訪ねた東京はすでに桜も散りかけていたが、日高にも春の気配がしのび寄ずれて左に折れ、雪解けの清烈な水が湧くように流れ徳永春美場長ら従業員は食事の時間もほどほどに種層瓜_トウショウボーイ父テスコボーイ母ソシアルパターフライ昭和4B年4月15日生北海道•藤正牧場生産保田隆芳厩舎馬主・トウショウ産業(株)4~5歳時15戦lO勝30 似I甥

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