思う。田川夏負けと武田師の信念田田，:」n考い夏だった。ついに、ソソちの見解だった。コダマにしても、シソザンにしても一二歳のという迷いが出た。いるのだ。内心は暗かった。シソザソ鉄は完成された。大方の関心rlfだった。なぜなら、コダマほどりはいえないだろうがーーしJにかく秋はまっ11シソザソの結びつているだけに、シソザソがどのように夏を越すかを見守っていたのである。知恵者武文さんにもコダマで失敗した苦い経験がある。同じ誤ちを二度とくり返すはずがない。おそらくことしは、シソザソを北海道に持って行くのではないだろうか。というのが多くの人たところが、シソザソはどこへもやらない。京都で夏をすごすのだ、と武文さんは声明した。「なぜ？」「いや北海道にやらないのは私の主義なんだ。誰がなんといおうと、私は頑固者だから考えを変えない」シソザソが京都の暑い夏を送ることが明らかになると、一般ファソからも武田厩舎にじゃんじゃん露話がかかり、また手紙が舞いこんで来た。「武文よ、お前はボケちまったのと違うか。コダマをヘグらしてしもうて、こんどまたシソザソをおかしくしてしもうたらお前はよっぽどのアホやないか。なぜ北海道に連れて行かんのか」という意味のものだ。武文さんは、それにたいし、そう思ってくれるファソの気持ちに感謝はしても、自らの信念を変えることはできなかった。だが、ことしの夏は、何十年来の猛暑で、京都の厩舎は灼熱地獄に見舞われた。しかし武田厩舎では、人間は薯いなどといっている閑はなかった。誰もが、厩舎の通風を少しでもよくなるようにとうごき廻り、またぬれムシロを敷いて気化熱を発散させるなど手をつくした。それでも馬が弱って来ると、バスタオルで首をふいてやったりした。ときは、無事に夏を越しているのだ。それが四歳になって夏が越えられないわけはない。こう思って武文さんは自らを励ました。それにしてもあまりにザソは夏負けしてしまった。夏負けをすると全然発汗しなくなる。したがって、運動中の犬がするように、口を開いて激しくハッハッと呼吸する。シソザソは昼間中それをやっている。夜になるとやや治まるのだが、翌日になるとまたはじまる。見ていると可哀そうで網目を入れればそれは妨げる。こう思いつくと、すぐ実行した。しかしこれも筒単には行かなかった。ガス熔接ではダメなので園気熔接でやるのだが、シソザソを工褐にいちいち連れて行くわけにはいかない。結局、職人に厩舎まで来てもらい、爪にびったり合うように細工を収ねた二枚の鉄板を熔接することでこれで、後肢は予期したとおりに保護されるようになった。ところが、新しい鉄で調教しているうち、こんどは前肢をビッコをひくようになった。後肢の爪を鉄で被ったため、前肢の裏にそれがぶつかり、偽つくのである。そこで前肢の爪の保獲も考えなければならなくなった。その紡果、前肢の蹄鉄にT字をわたした鉄を考案した。この前後肢の新装蹄で調教をしてみたところ、もう、ソソザソはビクともしない。これで大丈夫、シソザソはカ一杯走れるぞ、武田調教師はこう大声をあげて叫びたい気持ちだったに違いない。シソザソはこの武田式新案特許の鉄をはいて三冠をかちえたのである。このように創窓工夫のない人のところにもし、ゾソザソがいたとしたら、爪の固疾とかいうことで、三冠はおろか、いまなお条件クラスを低迷していたかも知れないのだ。武田きは、この政味でもきわめて運命的だったと阜月宜、ダービーを連覇したシソザソは、当然、三冠の期待を担うことになった。それにつけても、夏をどこで過すかということはの馬でも、夏を京都で過したためーとばかたくのスラソ。フで、ついに一勝もあげることができなかったからだ。コダマは別としてもダービーでビークにあがった馬が、秋に再び完壁のフォームを見せた例は、きわめて少ない。われわれは、その事実を毎年のように見刊分の方が息苫しくなるくらいだ。さしもの武文んさも「やはりいけなかったのか：しかし、武文さんが、馬たちを自厩におい＇て夏を過させるのは、単に頑固だとか強佑だとかいうのではなく、立脈な信念に基づいて「私だって、前には北海近に馬をもっていったこともありましたよ。しかし、秋に本調子で競馬をやらせようと思ったら、夏、北海滸に行くのは決してよくないと経験したんです。動物は自然に順応するようにからだができているんだ。それが根本なんですよ。北海道へ行けばたしかに涼しい。涼しいのは結構だが、八月になればもう秋だ。馬はその気候に応じて冬の仕度をする。人間は寒くなればシャツを一枚着ればいいが、馬はそうはいかない。寒くなれば毛も長くなって来る。脂肪もついてくる。北海道でそういうふうに冬の準備をしてしまった馬を、まだ、秋目といっても屠い京都に連れて局ったらどういうことになるか。人問はシャツを脱げばそれで済むが、馬はもう一度からだの作りを変えなければならない。そんなことをしたら馬がポケてしまうのは当然じゃないか。その土地で走るい」武田調教師のこの説明を聞くと、なるほどそうかと思わざるを得ない。理屈はそうでも、実際に、ンソザソが参ってしまったのを連日見ていた武田調教師は、どんなに苦しい思いをしたことだろう。それでも暑さがやわらぐとともに、シソザソも少しずつ元気になって行った。九月に人ると、ようやく乗り逓動がでぎるまでに阿復した。キャソターがはじめてやられたのは九月半ばのことだった。「これでは、とても完濶で菊花宜に廓むことはできそうもない」。いつに変らず天狗山で冗談を飛ばしている武文さんもシソザソは一応は健康をとりもどしたように見えても、まだどこか本当でないところがあった。それが証拠には、ほかの馬は運動後なら、その土地の気候に順応させるしかな918 —一·＇
元のページ ../index.html#24