JRA Dressage Training
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◎ピアッフェへのアプローチ(徒歩作業)必要に応じてサイドレーンなどを装着後躯の沈下後躯の前出後肢の活動092JRA Dressage Trainingピアッフェとは、その場で行う速歩運動で、馬体は丸みを帯びて関節をよく曲げ、弾発とリズムを持って行う運動である。ピアッフェの調教は何時から始めるべきかピアッフェは、要求されていることを一旦理解するといとも簡単に覚える馬もいるし、素晴らしいパッサージュを見せてもピアッフェだけは上手くできない馬もいる。また、力のある中間種とは異なって後躯へ負重する力の弱いサラブレッドにおいてさえも、正しい調教を進めていけば、その旺盛な作業能力のためにとても簡単に習得することもある。ピアッフェの調教を始めるのに適した一般的な馬の年齢は特に決まってはいないが、当然のことながら基本的な運動収縮運動が確立した後が望ましいと思う。通常であれば、調教を始めて2年以上経過した5歳以降が多いであろうか。もちろん、馬の能力と調教進度によって早めたり、またはもう少し待つことも必要である。ピアッフェに必要な推進の準備ピアッフェの根本をなす推進力は、馬自身が維持しなければならない。そのため、半減却を使用して速歩を詰めた場合にすぐに常歩に落ちてしまうのではなく、速歩を可能な限り持続して騎手の常歩の指示がない限り勝手に常歩に落ちないようにする。この場合も、騎手の脚扶助をいつも使用するのではなく、歩度を詰めてきたときに馬の意思で常歩に落ちてしまって、ゆっくりとした速歩を持続しなければならないことを馬に教えるときにのみ使用する。それにより馬は、騎手の指示があるまで速歩を続けなければならないことを学ぶことができる。ピアッフェへのアプローチ(徒歩作業)ピアッフェへのアプローチは徒歩作業から始めるのがスタンダードな方法である。また、パッサージュから、もしくは騎乗した状態からピアッフェを調教する方法もしばしば行われる。徒歩作業のための馬装・サイドレーンを装着・調馬索もしくは曳き手(リードレーン)をハミに装着徒歩作業による調教方法①・騎手は馬の顔の左側に、馬の後躯の動きが分かるように進行方向と反対向きに立つ。8.ピアッフェ

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