JRA Dressage Training
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081◎ワーキングピルーエットの様々な対処法後肢の動きがスローになり過ぎ、頭頸が上がる旋回の指示に鈍く、回りにくく、背を緊張させる旋回を騎手の扶助を待たずに勝手に急ぎ、小さく旋回しようとする運動の応用の扶助以上に速く回転しようとする場合には、半減却によってテンポをスローにして騎手の扶助を待たせる。最終的には、テンポを速くしたり遅くしたりすることを騎手の意思で自由にコントロールできるようにする。②姿勢回転する姿勢には、内方姿勢をとって前躯を旋回させる方法と、反対姿勢をとって前躯を旋回させる方法がある。反対姿勢をとる理由は、馬自ら旋回しようとしない場合に、旋回する方向に肩を出して旋回しやすくするためである。③後肢が踏む円の大きさ円の大きさを変えることは、大きな円から小さな円へ移行していくことを基調としておく。競技で行われるピルーエットは、円が小さく難しい。だからといって、小さい円のピルーエットばかりを実行することは逆効果になることが多い。大きな円で正しいテンポ、姿勢、旋回を確実にできるようになることが、小さな円でも正確に旋回する鍵になる。④頭頸の位置馬は透過性を得たハミに従順な体勢をとる必要があるが、収縮するにつれて頭頸を上げてハミに強く出ることが多く、頭頸の位置が上がると背が緊張して後肢の踏み込みに影響する。逆に、馬によっては頭頸を巻き込んで逃げる場合もある。そのため、頭頸の位置を自在にコントロールできることにより、馬が反応する逆の位置もとれるようにピルーエットの調教を行うべきである。事例テンポ速くする遅くする遅くする注意点②・ストライドを詰めても駈歩のリズムが遅くならないよう③・内方姿勢を維持して、妥協しないようにするワーキングピルーエットからピルーエットへ駈歩のステップを詰めてくると、馬の駈歩のリズムがスローになることがある。この場合は、エンジンの回転数を上げるように馬に対して前進気勢を与え、リズムを速く保つ必要がある。駈歩のストライドを詰めながら、回転数を上げて頭頸を低くする。以下の3点に集中することで、馬がピルーエットの準備を難なく受け入れるようになる。①・ストライドを詰めて収縮するにつれ、馬は下顎を譲って低く丸い体勢になるに、回転数を上げて駈歩を速くする意識を持つピルーエットの態勢に入っても、馬は常にリラックスした状態にあり、騎手の扶助を待っているかを確認しなければならない。旋回のスピードが速くなるのであれば外方手綱と内方脚でコントロールし、調節が利く関係を馬と築いているべきである。ワーキングピルーエットの①テンポ②姿勢③円の大きさ④頭頸の位置が安定してくると、内方後肢が小さな円を描くフルピルーエット(360度 約6歩~8歩)へ移行することになる。ワーキングピルーエットを実施する方法と何ら変わることはない。ピルーエットはワーキングピルーエットと比べ、バランスが更に起き、後躯に掛かる負荷姿勢12mまたは内方姿勢をとるそれ以上大きく反対姿勢をとる12m⇒8mへ内方姿勢をとる12mをキープ円頭頸低くする低くする低くする

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