JRA Dressage Training
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馬を褒める(愛撫等)ことは、調教を積み重ねる上で非常に重要なことである。馬を叱ったり、懲戒を与えたりするだけでは、馬は何も学ぶことはない。むしろ、要求されていることが理解できずに、反抗を繰り返すことになる。馬をアスリートとして育成するには、馬の自発的な意欲が不可欠である。馬が自ら動こうとすることは、馬が学ぶ楽しみを感じている状態である。騎手は、馬に要求した後、馬がそれに応えた場合はたくさん褒めてやり、馬をやる気にさせていくことが重要である。馬を褒める方法は、頸を撫でたり、頸筋をパットしたり、運動中常歩にして休憩したり、使用している扶助を緩めて馬の動きに同調したりすることであり、拳の握りを緩めるだけでも馬は褒められていると認識する。また、馬が自分の行動に対して褒められていると感じるためには、騎手はその行動の「直後」に褒める行為を行うべきである。騎手の要求⇒馬の正しい反応⇒報酬(愛撫)という流れは、調教を進めるにおいて必ず存在していなければならない。言い換えれば、調教の最後は報酬(愛撫)で終わるようにしなければならない。日々のトレーニングで、騎手は色々なことを馬に要求するが、その要求すべてを馬がすぐになし遂げることは稀であると言っていいだろう。しかし、その過程の中で、馬が少しでも前向きに捉えて努力しようとしているならば、そのことを騎手が感じ取り、褒めることが必要である。騎手が思い描いた結果から程遠いからといって馬を褒めない騎手がいるが、トレーニングの中で、馬が騎手の要求に応えようとしている場面が必ずあるはずである。それを見逃して褒めるチャンスを逸してしまえば、馬の自発的な行動は永遠に望めない。馬をどれだけやる気にさせるかは、騎手の思いやり次第なのかもしれない。076JRA Dressage Trainingピルーエット(後肢旋回)とは、常歩運動と駈歩運動の中で、内方後肢を軸に360度または180度旋回する運動をいう。駈歩ピルーエットの際は、運動中3拍子のリズムと透過性を得た体勢が保たれ、跳躍のある駈歩を維持しなければならない。非常に難度が高く、収縮駈歩の頂点に位置する運動と言える。私は、ピルーエットの調教は常歩運動から始めるようにしている。内方姿勢をとって内方後肢を軸として前躯が旋回するという動作を馬に理解してもらうためには、動きがスローで扶助が通りやすい常歩が最適である。駈歩運動のピルーエットは、後躯に体重が乗って後肢が力強く屈曲するので、関節や腱などにも負担が掛かる運動である。そのため、この運動に多くの時間を費やすのではなく、毎回短い時間で結果が出せるようにライダーが集中して馬を成功へ導くようにしなければならない。この運動は、駈歩ピルーエットの基礎となる運動であり、大変重要である。駈歩ピルーエットと同様に、正しく内方姿勢をとり、内方後肢を軸として前躯を旋回させる運動である。常歩半ピルーエットの調教方法(右)常歩でハミを受けて直進し、「肩を内へ」の体勢をとる。数歩実施した後、右内方姿勢を保ったまま外方手綱(左)と後ろへ位置した外方脚(左)で右斜め前方向へ押し、行き先を示す。常歩のピルーエットは、馬場馬術の調教当初から1日に何度か組み入れ、騎手の扶助を理解させる必要がある。決して難度の高い運動ではないため、常歩で手前を変える度に行うとよい。馬を褒める常歩半ピルーエット5.ピルーエット

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