JRA Dressage Training
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い。その切り換えができずに強い拳のままであれば、必ずショートネックもしくは鼻梁が巻き込む体勢となってしまう。【解決法】かないと思われる。私は、馬を収縮させてスイングさせるときに使う騎座を、まるで「後躯の真上に乗っている」かのような感覚で座るようにしている。「騎座を深くして上体を起こす」と表現するよりも、このようにイメージしたほうが伝わりやすいかもしれない。要は、深い騎座と僅かな拳の扶助で、馬の前進意欲を馬体の中に溜めて弾発に変える。馬のバランスを保たせるのは拳ではなく、騎座であり、騎手だけでなく馬にもそれを理解させる必要がある。時的に拳を強く使って譲らせ、多少鼻梁が巻き込む体勢になることを許すが、次のステップとしてすぐに鼻梁を垂直線上もしくは少し前に出ている状態に戻すように指導する。そして、その体勢で運動することを基本としている。シュミット氏自身の騎乗は、正にその言葉通りである。拳は軽いコンタクトを保っているだけで、細かな指示のみに抑えられている。そのため、馬は苦しい要求をされることなく、頭頸は安定してハッピーな状態が永遠に続くかのよう見える。を得ることができる。今後は私自身が拳を使う割合を少なくし、騎座を有効に使う騎乗を心掛けなければならない。ショートネックを解決するためには、やはり騎座と拳を独立して使用できるようにするしシュミット氏は、常に完璧な体勢を求める。たとえば、馬がハミに抵抗する場合は、一カバレロ号は、ハミに抵抗を示したとしても、騎座からの推進と静定した拳のみで譲り(2007年9月報告書より)075運動の応用

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