カバレロ号 [10歳 ハノーファー]ショートネックドイツ研修レポート❽脚を使い、前進気勢を与える鞍に深く座り、馬のバランスを起こす騎座を深くして拳を控え、前進させずにパワーを馬の中に溜める弾発リズムを壊していたピアッフェにも安定性が戻り、パッサージュは明らかに購入前よりも向上しているとシュミット氏も認めている。以前は前膝を曲げず、空間期が少ないパッサージュであったが、半減却を強く使用しながらのトレーニングを継続していくにつれ、表現力のあるパッサージュに変化してきた。しかし、この馬の調子の波には非常に困らされることが多い。1週間の中で、自ら前進しようとする意欲がある日があるかと思えば、脚の扶助に鈍い日があったりする。屋外の馬場ではフレッシュで良い動きをするが、インドアでは気持ちが消極的になっていることを感じる。それは、競技会に行くと違った雰囲気を察してフレッシュになるという、環境によって馬の心理が変わることと同じである。しかし、これらの馬の心理に左右されることなく一定の調子を得るために、馬が消極的になっているときは懲戒ではなく、積極的な気持ちで前進するようになるまでベーシックな運動を続けるようにしている。~ショートネックを解決するために~ショートネックとは、騎手の拳の作用が強くなることによって馬の頸が窮屈な体勢になり、頸が短く見えることを言う。特に、元々頸の短い体型の馬は、収縮した際にショートネックのように見えてしまいやすいため、注意が必要である。カバレロ号の体型も頸が短く、騎手の拳次第ではショートネックになることがある。しかし、いくら頸が短い体型の馬であっても、騎手の拳が強くなり過ぎなければ、ショートネックになることはない。【原因】ショートネックは、騎座と拳の扶助のバランスが崩れ、拳を引く扶助が勝ってしまうことに起因している。収縮してスイングした速歩を求めるため、半減却を使用した時に推進とそれを受ける拳の使用度のバランスが均等でなければならないが、推進の脚扶助よりも拳の扶助の強さが勝ってしまうことでショートネックの体勢が生じる。 半減却騎座よりも拳を使う割合が強くなった時に、ショートネックになることが多い。馬がハミへ抵抗していたり、頭頸を上げようとした時には拳を使って体勢を整え、馬が譲るようになったら、使っていた拳は軽いコンタクトを保つためのものに切り換えなければならな074JRA Dressage Training
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