JRA Dressage Training
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問題解決のパターン069歩毎踏歩変換が継続できない5.右駈歩へ変換する直前6.馬が右駈歩へ変換している間に、左駈歩へ変換する合図を送るため、右脚を後ろへ引き、左脚は元の前の位置に戻す。それにより、右手前での着地後、左へ踏歩変換をしようとする。7.左駈歩へ変換する直前8.馬が左駈歩へ変換している間に、右駈歩へ変換する合図を送るため、左脚を後ろへ引き、右脚は元の前の位置に戻す。それにより、左手前での着地後、馬は右へ踏歩変換しようとする。運動の応用この問題に陥る原因はいくつか考えられるが、主な原因は、バランスが前へ崩れて駈歩のピッチが速くなり、空間期が短くなることである。このような場合は、通常の駈歩からゆっくりとした動きを要求し、バランスをできるだけ起こすように半減却を繰り返し、駈歩に明確な空間期を作るようにする。ゆっくりでバランスが起きた駈歩の中で1歩の踏歩変換を数回繰り返すことによって、バランスが前へ崩れていかない環境を作る。バランスが前へ崩れている状態では、歩毎踏歩変換は2回以上継続することは難しい。そのため、バランスを戻し、ゆっくりとした駈歩で歩毎踏歩変換1回からやり直し、その後バランスを戻した状態を維持しながら2回3回と回数を積み重ねていく。馬の体勢が崩れている中で無理やり回数を増やそうとするのではなく、振り出しに戻ることを恐れず、馬に難しい運動を要求しているわけではないことを理解させる。

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