JRA Dressage Training
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066JRA Dressage Training障害を設置し、それを跨ぐ際の空間期に変換の扶助を出し、きっかけを作るようにしている。しかし、これはあくまで手掛かりに過ぎず、この方法で馬が踏歩変換した場合は、多用せずに通常の方法で調教する方が後に繋がると思う。また私は、刺激的な方法として、駈歩の歩度を伸ばしながら姿勢を変換して、踏歩変換する方法も使うことがある。これは、収縮駈歩が活発に動けない馬、すなわち本気で後躯を動かしていないために変換できない馬の場合に使用する方法である。中間駈歩もしくは伸長駈歩ほどに馬を活発にして動かし、踏歩変換の扶助を送る前にやや歩度を詰めて準備し、高くなった空間期を利用して扶助を出す。この方法は、反応が鈍い馬に使うことが多いが、サラブレッドなど悍性の強い馬に多用し過ぎると、その度にホットになってラッシュしていく傾向になる可能性があるため、細心の注意が必要である。◆ケース5騎手が踏歩変換の扶助を出す前に、興奮して走り出してしまう。扶助に対して反抗する馬の性質にもよるが、敏感で繊細な馬にこのような例が表れる傾向にある。原因としては、騎手が出す踏歩変換の扶助が強過ぎることが第一に考えられる。このような繊細な馬に対しては、初期調教から騎手が細心の注意を払う必要がある。踏歩変換の扶助は、新しい外方脚を強く使って変換を要求するのではなく、脚を入れ換えるのみの扶助に留めるべきである。騎手の脚の入れ換えだけで、繊細な馬は踏歩変換を要求されていると理解するだろう。いずれにしても、このように走り出す癖がついてしまった馬の矯正はたやすいことではない。私が以前乗っていたヒポスという馬は、これまで出会った馬の中で最も繊細な踏歩変換の扶助を必要とする馬であった。右から左への踏歩変換は普通の扶助を使うが、左から右への踏歩変換は、脚を入れ換える必要がなく、体重移動だけの繊細な扶助で十分だった。少しでも脚を使おうものなら反抗し、跳ね上げる反応を示した。この馬の調教過程でどのようなことがあったのかは定かでないが、これを解決するために色々な手段を試みた。ドイツでの研修中に、シュミット氏はこの癖を高圧的に抑え付けるように矯正を試みたが、解決はしなかった。色々な方法の中で最も効果的な解決法は、とにかくリラックスさせて最小限の扶助で変換することであった。騎手が行う準備は、馬の姿勢を入れ換えるのみで、踏歩変換できる体勢を作った後は、馬自身に変換することを選ばせるように心掛けた。決してこちらから指示を出して高圧的な扶助を使わないようにすることで、トレーニングでは解決に向かった。踏歩変換の扶助の力加減は、馬の数だけあると言っても過言ではない。連続踏歩変換を調教するためには、当然のことではあるが、単発の踏歩変換を確実に実施できることが絶対不可欠で、さらに単発の踏歩変換が変換の度に左右に振れないことも必要になる。なぜなら、変換後の真直性が保たれなければ、次に待つ踏歩変換への準備が整わないからである。連続踏歩変換の調教の要件①馬体を真直ぐに保つ(真直性の確保)②・馬の姿勢を入れ換え、踏歩変換の扶助(脚の入れ換え)を行う(内方姿勢の変換)③・騎手は騎座の動きを止めることなく、脚の入れ換えと同時に騎座からも推進する(脚を入れ換えれば、必然的に新しい内方の騎座が前出する)④・踏歩変換後も馬体を真直ぐに保ち、後躯が左右に振れないようにする (次の踏歩変換への準備)4歩毎踏歩変換の調教方法この運動は騎手の扶助のタイミングのみが重要となり、単発の踏歩変換が真直性を保って実施できていれば、どんな馬でも難なく4歩毎踏歩変換はできるようになる。ライダーはどのようなタイミングで4歩毎踏歩変換の準備をすべきかを、下記のようにまとめてみた。(右手前駈歩から左手前駈歩へ)連続踏歩変換の調教(4歩毎~2歩毎)

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